
歌詞
作詞:War.deairen
作曲:War.deairen
言葉にならなくて 頭で何度も推敲してみても 形にならなくて 浮かんでは消えていく 街の灯が照らしている 君の影が伸び溶けていく 振り向きもしないまま 日々は人ごみに埋もれていく あわてん坊の出会いが広げて見せる青写真たち まずは足元から せーのっ、息を合わせて 止めないで 止めないで 本当はそれだけ怯えている 約束はいらないから 抱きしめたいこと信じていたい 街灯のシルエット 不揃いに揺れる 見つめあえば笑う二人を繋いでいるのは細い糸でも それはきっと赤いから 段々と増えてきて一人では抱えきれないほど 君も抱えてくれ 伝えたい思いだから 独りきり 向き合えば後悔で顔を覆っている 会いたくて 切なくて 抱きしめたいのもエゴだとしても 風に逆らい雨にも抗う たとえ君が見えなくても 繋いでいるよ 細い糸でも 切れても結んで生きていく かすかな光 不揃いの祈り 両手に生まれた吐息は 星空の下 舞い上がっていく それは天使の足跡のように
楽曲解説
今年の正月は、実に……得体の知れぬ寝正月を過ごした。 大晦日の宵より三が日の夕刻近くまで、布団の底に沈み込んだまま、ほとんど身動きも取らなかった。体は布団と溶け合い、意識は現世と夢の狭間をゆるゆると行き来し、時折、腹の奥底から這い上がるような空腹に突き動かされ、這うように冷蔵庫まで赴いては炭酸水を喉に流し込み、再び暗い底へと沈んでいく。まるで古い井戸の底に棲む、名も知れぬ生き物のような正月であった。四日目になって、ようやく己の身が人間の形を失いつつあることに気づき、鈍った体を無理やり起こして近所の神社へ初詣に出かけた。 関東の初詣とは、毎年ながら異様な気配を孕んだ光景である。寒風の吹きすさぶ中、老若男女が長蛇の列をなし、二時間近くもじっと耐えている。まるで目に見えぬ何かに呼ばれて、賽銭箱の前で長い長い贖罪の儀式を待っているかのようだった。私はその列の末尾に立ち、毎年同じことを思う。 初詣とは、所詮、一年で最初で最後の詣で……いや、もしかすると「最初で最後の、呪い」なのかもしれぬ、と。おみくじなどには、元より興味などない。 しかし家族は皆、熱心にそれを求める者ばかりゆえ、私はいつも後ろで、影のように見守る役に甘んじている。今年は幼い子どもが小遣いを握りしめ、勢い余って大人用のおみくじ機に金を落としてしまった。 「あっ、そこは子ども用ではないぞ」 「えっ、僕もうお金入れちゃった……」やむなく私が代わりに引いた。 出てきたのは、なんとも不吉な「恋みくじ」であった。中年も半ばを過ぎ、さまざまな欲求が擦り減り、色欲も物欲も、未来への渇きも薄れてしまったこの身にとって、恋みくじなどというものは、あまりに不似合いな、まるで誰かの悪戯のような代物だった。 それでも、静かに封を裂き、中身を確かめた。「山桜霞の間よりほのかにも見てし人こそ恋しかりけれ」古今和歌集よりの一首。小吉とのことだった。 結婚も縁談も、もはや私の人生とは遠い、遠い言葉である。 おみくじとは、その者の今の運命に合わせて引くべきものなのだと、改めて、ぞくりと実感させられた。……そういえば、年末の歌番組を家族とともに眺めていた折のことだ。 母が突然、画面を指さして、まるで憑かれたように声を荒げた。 「あの娘たち、キャンディチューンじゃなくてキャンドルジュンじゃないのかい! どうしてキャンドルジュンが出てこないのじゃ!」 私はそっと「キャンドルジュンは服を縫う者だと思うが……」と呟いたが、もちろん届かぬ。 最近の若い者たちの名は、私の頭の中でとっくに溶け合い、混沌の底に沈んでしまっている。 どれがどれだかわからぬ。 知らなくとも生きていけることは、この世に無数にあり、知らねばならぬこともまた、無数に潜んでいるのかもしれぬ。ところで、ふと遠い記憶がよみがえった。大学生の頃、漫画『NANA』が世に広く流行っていた時期があった。 知り合いの伝手で、ただ流し読みしただけだったが、ほとんど何も覚えていない。 ただ一つ、異様に強く刻み込まれた記憶がある。単行本の冒頭、キャラクター紹介の頁に、主人公の一人である小松菜奈――いわゆるゆるふわと愛される方の少女――について、こう記されていたのだ。「日々恋愛に生きるフリーター」……なんと、なんと恐ろしい言葉であろうか。 自称してみたいものである。高齢者に席を譲った折、落とし物を拾い上げた折、見知らぬ者と交わす一期一会の言葉の最中に、ふとこう言ってみたらどうだろう。「ありがとうございました。あの……あなたは?」 「お気になさらず、日々恋愛に生きるフリーターです」その瞬間、中年男がにこりと微笑めば、相手はきっと「何を言っているのだ、この男は」と眉をひそめ、ぞっとするに違いない。 あるいは自暴自棄の暴漢が銃を乱射していたなら、「ついでにこいつも殺しておこう」と、迷わず引き金を引くかもしれない。そう、この言葉は、中年が、俺が、口にしてはならぬ、禁忌の響きなのだ。 少女漫画の主人公であり、実写版では可憐な女優が演じるような、ルックスで世を渡れる女でなければ、決して許されぬ、妖しい呪いの言葉なのである。この文章を読んで、もし誰かが私に対して「あっ、日々恋愛に生きるフリーターだ」などと思ってしまったなら、どうかその考えを即座に捨てていただきたい。 事実、私はそうではない。むしろ「NANAを穢すな」と憤る方が、よほど自然であろう。そんな、どこか薄気味の悪い思い出に浸りながら、 大都会での出張は、今日も静かに、ねっとりと、続いていくのであった。
アーティスト情報
アルバム配信リリース開始しました。 https://t.co/qkd5x2ufij。よろしくお願いします。 #ブルーフラワー #カオルギター #K&Tmodernvintageguiter #WARDEAIREN フォロー返し100% 相互フォロー リフォロー100%









