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ニューメキシコ州アルバカーキ、イースト高校の季節はスクールイヤーの最終日、時計が15:10になろうとしている。秒針の音はタイムリミットが近づいているという切迫ではなく、数々の「良いこと」に満ちあふれた、そしてセンチメンタルな神話の予感をちょっぴり匂わせる夏休みへのカウントダウンを表している(チャイムと共に皆有無を言わせず席を立って最高だ)。 00年代(特に9.11から距離を置いた00年代半ば〜後半)の享楽を傍目に20年代の我々は、ここ数年、夏の到来をどう捉えていただろうか。「こんなに晴れているのに」と、外に出れない逆説的なもどかしさが、嵌め殺しの窓に伝わる熱に溶けて消えていった。雪の季節でもないのに、外の世界では目に見えない結晶が降っていて、出歩くには苦労と心配が絶えなかった。 --- 1816年、タンボラ火山の噴火によってもたらされた「夏のない年」は、凶作だけではなくて文化的な影響をも生んだ。夏なのにメランコリック。メランコリックな夏の気候はメランコリックな芸術を生み出す。夏のない年に家に閉じ込められたメアリー・シェリーが描いた「フランケンシュタイン」の舞台がしばしば嵐を伴う悪天候に見舞われているのは、噴火と無関係とは言えないだろう。 "Summerless"は、まだ厭世観に満ち溢れていた2020年に制作された。根拠こそないが最高の、(もしくはベターな)夏になりそうな2022年の今に比べると、やはりネガティブさを感じる。この曲は、アルバムでは終盤でやっと厭世から抜け出せそうな"Pains"よりも前に位置する。
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