8月の初め、南の夜空

わたなべよしくに
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歌詞

作詞:渡邉義邦

作曲:渡邉義邦

1977年9月5日 僕は飛び出した  少しずつ軽くなっていく身体  このスピードでは大気すら肌を傷付ける 何も見つけられなかったらどうしようとかそういう不安はあの時は無かった  たくさんの真剣な眼差しの隅に 置いてもらえたことを誇らしく思います 大気圏を抜けて 呼吸を整える  計画は順調に遂行された  心臓がまだバクバクいってる  急激に体温が冷めていくのがわかる 我慢できなくなって初めて後ろを見た  あの青いのが地球ってやつか! 僕は最初の歌を歌った  この星の青さを早く伝えたくて  聞く耳持ってくれる人を信じて 僕は最初の歌を歌った 届くのにまだ時間はかからなかった  受け取った人からの返事も届いた  「いい歌だね」って  嬉しかったな 2012年8月25日 僕は太陽系圏を抜けた  この先にあるのは彗星のふるさと  皆んならしいその名前の付け方に  僕は僕が生まれ育った場所の酸素と 窒素という気体の割合を思い出し  もうその匂いを嗅ぐことができないということを時間の経過から読み取った  ふるさとに帰るだけの体力が  無いということを僕は知ってる なんか暗い話になっちゃたけど もし宇宙人に会ったらこんな歌を歌うよ   僕は地球人 酸素が大好き  2本のあんよで散歩に出かけて  あーいい天気やな とか言う 僕は地球人 食事が大好き  3食を満足に食べられたなら あー幸せやなー って言う ご先祖様の名前も知らないし  耕す畑の一つも持たないし  収穫を待つ穀物も  それを祝う血族もいないから 外に出て見てくるということ  そしてそれをまた伝えるということ  それが僕にできるたったひとつの 役割だと思うから できるだけ遠くまで行こうと思ってる  身体が止まるまで行こうと思ってる だんだん持ち物が限られてきて  大切なものを捨てないといけなくなっても この歌のひとつくらいならさ  持っていくのに困らないからね 僕は地球人 酸素が大好き  2本のあんよで散歩に出かけて  あーいい天気やな とか言う 僕は地球人 食事が大好き  3食を満足に食べられたなら  あー幸せやなー って言う 2019年 例えば日本なら  8月の上旬午後8時頃  南の夜空の231億㎞先のとこで 僕はこんな歌を歌っているよ  これからの人とこれまでの人に 伝えたい約束があるから  聞く耳持っていてくれるのならば 僕は地球人 酸素が大好き  2本のあんよで散歩に出かけて  あーいい天気やな とか言う 僕は地球人 食事が大好き  3食を満足に食べられたなら  あー幸せやなー って言う

アーティスト情報

先人たちが作り上げた型枠に街頭の吹き溜まりのゴミとポップイズムを流し込み「自分の表現」を形成すべくトライアンドエラーを繰り返している。

shea

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