
古傷
F/VE楽曲解説
久しぶりに地元に帰ると変わらないものもあれば変わるものもあって。 懐かしくて近所を散歩してみたら思い出がいくらでも出迎えてくれて。 ふと気がつくと空は暗くなる前の最後の悪あがきに綺麗なオレンジ色に染まっていて。そこに冷たい風が吹く。 少しだけ切なくて、寂しくて、人肌恋しくて。でも思い出にいる誰もがもうこの場所にはいなくて。よく遊びに行った友達の家もおつかいに行った八百屋さんも、空白を埋めるための駐車場やコインランドリーに変わっていたりして。 また、冷たい風が吹く。良かった思い出たちを引き裂くように、自分がもうひとりぼっちなのだと分からせるように、服の隙間から心の隙間へあっという間に吹き抜けて、大切な何もかもを癒えることのない古傷へと変えてしまった。 もうない。帰る場所は、ない。
アーティスト情報
歌います。曲作ります。歌詞も書きます。 1人で活動中。大事なことって多分それくらい。 あとは……聞いてください。










