歌詞

作詞：石川

作曲：小手

20年位前のあの頃 何だって出来る 何にだってなれる 世の中なんて甘っちょろい そんな風に思ってた 立ち返り 立ち返り 立ち返り詮ずるところ連れなくてねび行かず 何をしていてもイマイチつまらない毎日 だるいだるいって繰り返すのが流行りの口癖 学校にもろくすっぽ顔を出さず当ても無く徘徊する繁華街 持て余した暇を潰す手段はパチンコか万引き もしくは定番のカラオケで馬鹿騒ぎ ほんの束の間忘れるつまらない毎日 紛れる虚しさ 何かに必死に打ち込み 夢だのなんだの並べてる連中を鼻で笑いながらも心の中では妬み羨む 自分も何かしなければと焦るものの何をしたいかがサッパリ分からず 何と無くで出した結論 学校はソッコーで自主退学 目指すは凄腕厩務員からのカリスマ調教師 安直な発想 勢い任せの一念発起 当然の様にすぐに挫折 行き当たりバッタリの思いつきが通用する程、世の中は甘くなかった それからは苦悩の連続 一向に固まらない人生設計 生意気に仕事を選り好んでは転々とする職場 やれこの仕事は自分に向いてないだのなんだのガタガタ並べ立てる言い訳 本当はただ単純に我慢が出来なかっただけ 次第にまともに働く気も失くし競艇場に入り浸り 勝とうが負けようがお構いなし どちらに転んでもその後は風呂から呑みのフルコース 夜な夜なベロベロになって大騒ぎ ほんの一瞬だけ萎んでいく苦悩 それとは裏腹に膨らんでいく借金 段々と回らなくなる首をくくる度胸も無く 仕方なしに始めたシノギ お巡りの影に怯え 罪悪感を押し殺しながら掴むあぶく銭は手につかず 結局何も変わらず飲む打つ買うを繰り返す そんな簡単に人は変われはしない あれからかなりの年月が経った 気付いたら立派な中年 ぶっ弛んだ腹の肉 漂い始めた加齢臭 一丁前に所帯を構え慌ただしく生活に追われてる 家族の為にと自分に言い訳しながら下げる頭 いつからか上手になった愛想笑いとおべんちゃら プライドをかなぐり捨てて手に入れる僅かばかりの現ナマ 贅沢するには物足りない諭吉の頭数 それでも毎日 朝から晩までガッチリ仕事 慢性的な睡眠不足と体調不良 ちょっとやそっとじゃ出来ない欠勤 目の前の仕事を淡々とやっつける日々 20年位前に思い描いていた未来とはかけ離れた暮らし こんな筈じゃなかったと嘆いていても時間は容赦無く進む あっという間に時は過ぎる 時計の針は決して巻き戻らない 世の中は甘くなかった 結局俺は何も出来なかったし何者にもなれなかった 行き当たりバッタリの思い付きに身を任せながら挫折を繰り返し 悩み苦しんでるうちに気付けば中年 いつの間にか人生もそろそろ折り返し地点 20年位前のあの頃を懐かしんでもとっくに手遅れ 容赦無く進んで行く時間 決して巻き戻らないのが時計の針 そんな事は、分かってる 痛いほど、身にしみてる それでも吐き捨てる まだ何も始まってない 俺もお前も終わっちゃいない まだ何も始まってない 20年位前のあの頃と何にも変わらない そんな簡単に人は変われはしない 何だって出来るし何にだってなれる 世の中なんて甘っちょろい 時計の針は巻き戻せなくても人生はやり直せる 何度だってやり直せる 何遍だってやり直せる 俺もお前も終わっちゃいない まだ何も始まってない あの頃と何にも変わらない 何だって出来る 何にだってなれる 世の中なんて甘っちょろい