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作詞:thee last bookstore
作曲:thee last bookstore
失われた日々を嗅覚が嗅ぎ 目の前、端から端まで広がる万緑を見ながら 涙を流した。 smells like teen spiritを 他の少年たちと同じようにあの頃は狂ったように聴いた。 自分のバンドもあった。 カートコバーンに憧れて、ステージでギターを壊した。 他にもいろんなものを壊した。 何かが焼ける匂いがしたこともあったし 弾けて壊れたものからは、果汁のようにやはり何かが匂いたった。 行く先は、真っ白、あるいは真っ黒なままだったが そちらを見ようともせず、 人間が何歳まで生きるかはぼんやりとわかっているはずなのに 自分がそこにたどり着くなど、想像もせずにいろんなものを壊し続けた。 smells like lost days 桜が散り、万緑が満ち、やがて茶色い葉が落ち、冬が来て、全てが枯れる。 乾いた匂いを嗅ぎ、またsmells like lost daysと口の中で転がしてみる。 週末だ。どこに行くというのか。つまらない街に繰り出して薄暗い居酒屋で酒を飲む。 その場で何を話すというのだ。明日には忘れるような戯言。将来の展望。あるいは夢。 無意味な夢想。無意味な自我。人の話など全く聞いていない。 風が吹く音でも聞いていた方がマシさ。ボブディランが言っていたようにな。 酔いつぶれた頭で、暗い部屋に戻り、 蛍光灯をつけ、ああ今日も一人だ。とつぶやく。 「部屋」とはよく言ったものだ。そう、ここは「部屋」だ。 「家」ではない。一人きり、自我を燃やす部屋。 一生どこにも届かなかったら何の意味もない自我を燃やす部屋。 そしてほとんどの人間が、誰にも自我を届けぬまま、「部屋」でのたれ死ぬか、 「家」を持ち、他の人間のために生きるようになる。 「部屋」に一人でいる意味はない。早くどちらかを選ばなくてはならない。 独房 とでもつぶやいてみようか。実際この独房で何をしてきた。 本当の独房、刑務所では、例えば絵を描いたり、詩を書いたりするものではないだろうか。 楽器は奏でられないだろうな。 そう思うと俺たちは、少しだけ独房よりも自由な独房にいるにすぎない。 smells like lost days 桜が散り、万緑が満ち、やがて茶色い葉が落ち、冬が来て、全てが枯れる。 乾いた匂いを嗅ぎ、またsmells like lost daysと口の中で転がしてみる。 絵の具が乾き切り、ペン先は壊れ、 それでもそこに一滴でも水があれば、また何か生み出せると信じてでもいるのか。 俺は独房で、酒で全てを乾かしながら、一滴の水を待つ。 何かが焼ける匂いがする。またsmells like lost daysと口の中で転がしてみる。 「部屋」に一人でいる意味はない。風が吹く音でも聞いていた方がマシさ。
2016サマーソニック出演のレディオヘッドを見て感銘を受け、始動。ソロにて行うポエトリーリーディング。日本のポエトリーリーディングは、いわゆる「熱い」ものが多いが、逆行するようにクールなものを作ることを心がけている。ライブでは、PCから流すトラックに合わせて歌う。本職はグラフィックデザイナーなので、ジャケデザイン・グッズデザイン・HP管理・レコーディングなど全て1人で行っている。
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