歌詞

作詞：東　真司

作曲：東　真司

「ねぇ　少しだけ 目を瞑ってみてよ」 運ぶ秋の香が オレンジに染める 「ねぇこれ何の匂い？」 秋が来る度　小首を傾げて 訊ねてくるけど 「さぁ何だっけかな」 惚けたフリして　答えを濁して 線路を跨いだ 音も無く　鼻に届く香りは 言葉にすれば粗末にも枯れてしまいそうで 貴方の匂いには似付かない甘い匂いが 香るほど　今更思い出す 気付けば終わってしまう季節に 残る香り　今年はそばに居ないのに 遠く吹く　風が運ぶ香りは 今年も貴方の街にも届いていますか 貴方の匂いには似つかない甘い匂いに 愁う秋　忘れさせる気はないでしょう 貴方が思うより深く残った匂いが 人知れず　思い出を彩って 気付けば終わってしまった恋の 一節を　本棚にしまっておくよ また開いてしまうだろう　きっと 「ねぇ　少しだけ 目を瞑っていてよ」 香りより先に 触れた唇