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「言葉を扱う覚悟はあるか?」が2019年の12月30日に投稿された、その丁度1年後にこの曲は投稿された。「遺しておくべき意志はあるか?」はこれまでの1年間で私が積み建てた問題に対する、一つの結果である。データベースを中心とした消費社会に対抗し、いろいろな手段をもった表現を行ってきたこれまでの試みは、「______________?」での主張のように、これまでの蓄積で行ってきたそのすべてが再度データベース消費に回収されてしまう。私たちはどこまでも零度のエクリチュールに至れず、新しい文章はその温度を維持できない。私たちの言語は孤独には決してなれないのだ。
作詞:ukiyojingu
作曲:ukiyojingu
私は、この記録が伝達されることを願う。 たとえただの時間の消費だとしても、消えてしまわないように言葉を何度でも何度でも繰り返している。 1. 私は何者だろうか? それは私にもわからない。何者であるとも言われたくない。 もっとも、私自身が何者であるかをしめすことができるのは、私以外の人がいることで初めてできることだと思っている。 2.私の年齢は? 1994年生まれの25歳である。 3.私の職業は 2020年現在、私は学生だ。 もう何年も学生をしている。 4.貴方の出身地は? 京都市に生まれた。 その後数年間は海外に住み、その後は大阪の郊外都市に住んだ。 今は再び京都で暮らしている。 5.私の最初の記憶は? 公園の遊具で遊んでいた光景と、誕生日を迎えたときのケーキを食べている光景を覚えている。 だがどれも曖昧な記憶であるゆえに、はっきりしたことは幼稚園くらいからしか覚えていない。 6.私は今まで、何をしてきたのか。 文章を書いたり、音楽を作ったり、いずれにせよ何かを作ることばかりに力を注いできた。 それらの全ては人とどう接したらいいのかについての試行錯誤の結果生まれたものであり、その背景には自分の過去の失敗が積み重なって潜んでいる。 7.私の人生で何を得てきたのか? 過去の失敗をもとに、自分が攻撃されないために無数もの理論武装を施してきた。 結果、自分は過去と比べて見違えるほど強くなっていったと思っている。 8.私の人生で失ったものは何か。 力をつけた代償だろうか、人との感情的な付き合いは格段に減った。 昔やっていたバンドもなくなり、今や独りで独白を繰り返している。 9. 楽しかった思い出はあるか? ライブハウスに出て高いノルマを支払いながらもギターを弾き続けた日々は、きっと楽しかった思い出だろう。 忘れることはできない。 10.悲しかった思い出はあるか? 小学校から続いたいじめの記憶はすっかり過去の遺物になってしまったが、その記憶を忘れることは無い。 あの日の感情をいつまでも抱くことはできない。 今はただ、緩やかな事実と確かな恨みだけが残り続けている。 その過去の上に、私は生きている。 11.目標は何か? 私が今まで作り上げてきたものが、後の誰かに影響を及ぼすことである。 昔はいろいろと出過ぎたことも求めた。 結果を残すことに躍起になっていた。 もしかしたらこの自問自答のような朗読も、私の哀れな自尊心の現れなのかもしれない。 だが今はせめて、疲れ切った日々とともに生きるのだ。 12.目標は達成されたのか? 未だに何も達成したとは思っていない。 そもそも、達成されることはないと思っている。 13.私の人生は幸せだったのか? 私は今、この時点の状況にはある程度満足している。 これ以上を求める権利を、私は持っているのだろうか。 14.遺しておきたい意思はあるか? 遺しておきたいものはたくさんある。 この言葉のすべてが私の意志であり、それは正確には伝わららないとしても、残り続けるだろう。 15. 私は、この記録が伝達されることを願う。 この8分間の自問自答がたとえただの時間の浪費だとしても、消えてしまわないように言葉を何度でも何度でも繰り返している。 終わりなき循環の中に、私の救済があると信じているからだ。 語る資格を失いながらも、私はその先の希望を捨てることができなかった。 そうして、言葉は話されていくのだ。 それが、私の希望だから。
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