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作詞:thee last bookstore
作曲:thee last bookstore
もしも言葉がないなら 絶望 とか 希望 とか そんな言葉さえないなら この70年か80年の人生は、 何もなく過ぎたのかもしれない。 雨の日に、路傍の雑草を見て 雫が降り積もり、うなだれている雑草を見て ふとそんな文章を昔読んだことを思い出したが それが何の本だったのかは思い出せない。 あるいは、それは昔、自分が考えて、 何かに書き留めた一節だったのかもしれない。 昨日知り合いが死んだ。 友達と言うほどの仲ではないから 知り合い というのが正しいだろう。 葬式に行ったが、 当然のように涙は出なかった。 37年。 人生としては短い。 だが、十分に生きたと言えなくもない。 何も持たない者なら、そう思うだろう。 何も持たない者なら、そう思うだろう。 両手がいっぱいに塞がっている者だったら まだまだ、後その倍は生きたいと 思ったのかもしれないが。 ふと羨ましくなった。そのままどこまで生きるか、 ずっと死ぬことを考えなくてはいけない人生よりは 突然、途切れる方がいいかもしれない。 雨の日に、自動車に跳ねられて、 黒い濡れたコンクリートに叩きつかられるような 死に方だったとしてもだ。 一瞬でぶっつり途切れるなら、その方が、 まだいいのかもしれない。 喪服のまま、小雨の中を歩き、いつもの飲み屋に入る。 客は少ない。 くたびれた感じの地味な、 たいして器量の良くない女の子に 「今日は葬式だったよ」と話しかける。 「見たらわかりますよ」 女の子は私の喪服を見てそう言う。 私は今日の薄寒い気候とは相性が良いとは言えない 冷たいビールを一口飲み 「何もわかっていないんだな」と心の中でつぶやいた。 両手がいっぱいに塞がっている者だったら まだまだ、後その倍は生きたいと 思ったのかもしれないが。 ふと羨ましくなった。そのままどこまで生きるか、 ずっと死ぬことを考えなくてはいけない人生よりは 突然、途切れる方がいいかもしれない。 雨の日に、自動車に跳ねられて、 黒い濡れたコンクリートに叩きつかられるような 死に方だったとしてもだ。 一瞬でぶっつり途切れるなら、その方が、 まだいいのかもしれない。 喪服のまま、小雨の中を歩き、いつもの飲み屋に入る。 客は少ない。 くたびれた感じの地味な、 たいして器量の良くない女の子に 「今日は葬式だったよ」と話しかける。 「見たらわかりますよ」 女の子は私の喪服を見てそう言う。 私は今日の薄寒い気候とは相性が良いとは言えない 冷たいビールを一口飲み 「何もわかっていないんだな」と心の中でつぶやいた。 俺は喪服やあるいは普通の服を着て 家に住み、車に乗り、会社に通い、 会社では同僚と笑いあい 週末は誰かと飲み食いしたり、 たまにはふとしたことで出会った女性と 映画に行ったりする。 だが、心の中ではもう十数年も 死ぬときのことを考えている。 先のことはわからない と言う者を 楽天的だ と笑いながら羨ましいとも思う。 両手いっぱいに何かを持ちながら それを鬱陶しいと愚痴る者を羨ましいとも思う。 ずっと一人で生きていけると思っていた。 そして、実際にそうして生きている。 ただ夜寝るときには死ぬときのことを思う。 たまに、実際に自分が死ぬ夢を見る。 あるいは、死ぬことなんて考えたこともなかった 若い頃の夢を見る。 4時に目が覚める。 外は雨が降っていて真っ暗だ。 ガラス戸のほんの少し先も見えない 光など一つもない。 ふと、この窓の外には 何もないのではないかと思う。
2016サマーソニック出演のレディオヘッドを見て感銘を受け、始動。ソロにて行うポエトリーリーディング。日本のポエトリーリーディングは、いわゆる「熱い」ものが多いが、逆行するようにクールなものを作ることを心がけている。ライブでは、PCから流すトラックに合わせて歌う。本職はグラフィックデザイナーなので、ジャケデザイン・グッズデザイン・HP管理・レコーディングなど全て1人で行っている。
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