歌詞

作詞：宮本豪

作曲：宮本豪

国道の呼吸に急かされて さびついた自転車 漕ぎ出した いつもの街の昼下がり 稚内の初雪の報せ 行ったこともないまちのことを想う 並木道は赤黄色 夏は死んでしまったことを 話題にすらされなくなってたせいで さみしそうに春とならんで空を見てる 今日も又 誰かは誰かと笑いあって 誰かは誰かを傷つけていく 知ってる 僕も当然その一人だから 何食わぬ顔しながら 街を通り抜けた ふいに涙 溢れてくるのは欠伸のせいにした 帰り道はやさしいけれども やっぱ ちょっと他人行儀なんだ いつもの街の夕止まり 僕が死んでしまったとしても 僕以外には同じ朝がくる 「それならばいいか」と割り切れるその日までは そばにいてくれないか 笑っていてはくれまいか ぽつぽつと町明かり 灯り始めれば 僕らの孤独は忘れ去られて 繋が〈りたい，れない〉の狭間で浮き沈み 「誰かのため」と言って 下手な嘘をついて いつも 涙かくしてしまうのは 誰の為でもなく　僕のため 今日も又 誰かが誰かとかばい合って 誰かは誰かと抱き合って日は落ちる 眺める暇も無くペダルを漕いでた 叫びたい想いは人波 飲まれて 風が吹いて 見えなくなって 欠片、小声で口ずさんだ