tossed coin ~supported by Eggs~
- 日程
- 2019年12月20日(金)
- 開場 / 開演
- 19:30 / 20:00
- 会場
- 渋谷HOME
- 出演
- 後日発表
- 料金
- entrance free (※Another:2Drink order & donation)
- 主催
- Eggs / 渋谷HOME
Text:中村圭汰
Photo:ゆうばひかり
10月18日、渋谷HOME。出演予定者が1組キャンセルとなるアクシデントがありながらも、全く異なる世界観を提示する二組のアーティストが濃密でカラフルな空間を築いた。
まるで聖歌のような煌き。厳かな空気。Calum Scottの” You Are The Reason”からYevZのステージは始まった。透明感と重厚感を巧みに織り交ぜながら、コンサートホールのような共鳴が会場を包み込む。
香港人の両親の間に生まれ、フランスで育ったというルーツを持つ彼。「いつか日本語で歌詞を書きたい」と話す彼が披露したのは、徳永英明の”rainy blue”。日本語で描かれた歌詞世界を彼の中で昇華しながら、自分自身の言葉として観客へ投げかけた。
「次の曲は自分に自信がない人に向けた曲です。誰かの為に自分を変える必要はないです、皆さんは今のままでBeutifulです。」
続く、”BeaUtiful”では、その言葉が示すように前向きなメッセージを美しいハーモニーと突き上げるビートで奏でたダンスナンバー。
表現者としての彼の魅力は、人懐っこさや少年らしさが音楽に変換されることで、心のど真ん中にメッセージを突き刺すことのできる点だろう。語る言葉は音楽を以てして、使い古された常套句なんかではなく、一人ひとりに向けられた血の通うメッセージとして届いた。
彼が最後の曲に選んだのは新曲”Celebrate”。序盤はミドルの音域でなめらかにメロディーに乗っかると、終盤では高音域で観客の心を強く揺さぶる。会場から巻き起こるクラップも相まってタイトルにふさわしい祝祭感を漂わせて彼はステージを終えた。
溢れ出る才能と止めどないエネルギーで会場を埋め尽くしたのは、4人組ヒップホップユニットDENYEN都市。
Vo.ASAEとプロデューサーH.O.P.Eの2人から始まったステージは、Vo.MEL(451)とVo.teitarakuが加わり加速度を増す。
“Hey Girl”では、爽やかな夏にぴったりの楽園的景色を映し出すと、”UFO”では尖った個性が四重奏で奏でられたようなアンサンブル生み出した。
「本日初ライブです。記念すべき日に来てくれて嬉しいです。」
照れ臭そうに笑みを浮かべながら感謝を口にすると、その初々しさを取り払うように多彩な手札を切りながらステージは続いていく。
トラックのコントロールを全面的に担うH.O.P.Eは、様々なシュチュエーションを彼らに用意。鍵盤の音色が叙情的な印象を与える”S.B.M”では、トラックのアップダウンではなく、歌い手の個性、温度感によって楽曲に抑揚をつけた。
そうかと思えば、ラスト”FOCUS!!”では、初期衝動のような瞬発力のあるエネルギーを発揮できるアップチューンを投下。有り余るほどの感情は今の彼らにしか表現し得ない。
ASAEが持つ抜群のタイム感、teitarakuのクールかつ研ぎ澄まされた言葉。MEL(451)が推進力を高める起爆剤としての役割を担うと、初ライブとは思えない完成度と、何にも染まらぬ初々しさを感じるステージに幕を閉じた。
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