Text:木部数也、奥泰正
Photo:秋山勇次、小笹竜馬、内山凌、高村勇一郎、市川芽
映像編集:木部数也
2017年3月5日、八王子北口駅前周辺で開催されたサーキット型ミュージックフェス「HACHIOJI ROCK DREAM」(通称:HACHIDORI)。2年目の開催となる本フェスは、昨年より大幅に会場数を増やし、全18会場での開催となった。パンフレットを片手に早朝から街中を練り歩くオーディエンス、そしてバンドマン。街全体が遊び場のようになっていた。
HACHIDORIでの最大キャパとなるMatch Voxのトップを飾るのは2年連続で【ピアノゾンビ】。11時という早い時間の中入場規制となった会場は既に激アツパンパン。ホネヌキマン様が客を煽り3本指でオーディエンスが応える。この一体感がピアノゾンビのライブの醍醐味である。その頃、papaBeatでは【ソライアオ】がトップを飾る。昨年は充電期間だったため出演できず、今年は新体制で臨んだHACHIDORI。実行委員でもあるVo.木部はこのイベントに対する想いをこれでもかというくらいにぶつけていた。その想いに「待ってました!」と言わんばかりにオーディエンスが応え、会場がひとつになっていた。
間髪入れずにRIPSでは地元バンドの【ハルカミライ】がトップバッターで登場。こちらも入場規制がしっかりかかり、かなりの熱量である。地元の生え抜きバンドという事で、このイベントの思いも強いのかグッと来すぎるライブを展開。会場全体が朝一で感動に包まれていた。昨年、復活を果たした【DATSUN320】はCINEMA CLUBの2番手に登場。こちらも会場はパンパン。普段はロックのライブをやっていないライブハウスだが、このイベントの時はロックにも対応出来るように会場のレイアウトをしてくれていたようだ。(ステージの端にはグランドピアノが!)鵜沼ハルカ(Ba.)は八王子出身、新加入のOP豊臣も八王子と関わりが深いらしく、ある種の凱旋ライブとなったようである。
Live Bar X.Y. Z→AではHACHIDORI実行委員長の09(奥)率いる【THE WELL WELLS】が3番手に登場。もはや入場規制どころの騒ぎではない。人が居すぎて最終的にはよくわからない家具の上でライブをしていた(笑)。実行委員長として「いくつになってもおもしろいことをして、八王子を盛り上げていきたい。協力してください!」とオーディエンスに呼びかけていた。来年が楽しみである。
Match Vox4番手に登場したのは【HOTSQUALL】。2年連続の出演となり、昨年もなぜかリクエスト制(お客さんがやって欲しい曲を叫ぶとバンドが演奏を始めてくれるスタイル)だったのだが、今年もなぜかリクエスト制で進んだ会場は笑顔笑顔笑顔で最高の空間に。ぐっちゃぐちゃのフロアの中でも皆が最高の笑顔だった事が印象に残っている。HOTSQUALLとはそういうバンドなのだ。TRUEの5バンド目に登場したのはあの【INFIELD FLY】。奇跡の復活だ。往年のメロコアファンなら知っている人も多いのではないだろうか。TRUEも普段ライブでは使用していないようだが、雰囲気のある内装の中で行われるライブは最高の一言!INFIELD FLY自体はこれからも時々ライブをやっていくという情報も。今回見逃した人も是非、こまめに情報チェックすることおすすめする。
今年初会場となった生涯学習センター(クリエイターホール)ではガールズバンド、【バイバイサクラブルー】が6番手に登場。かほ(Vo.)が跳び跳ね、ポップなナンバーで会場を盛り上げ、すっかりライブハウスと化していた。普段はライブをやらないような施設をライブハウスに変えてしまう、それもHACHIDORIの醍醐味である。タワーレコード八王子店では6番手の【津久井恒仁】(2q1)がアコースティックライブを展開。おしゃれなコーヒーをステージドリンクにし、ゆったりとした空間で徐々にオーディエンスとの距離を縮めていった。久々にammoflight時代の楽曲を披露しファンを驚かせる場面もあった。
その頃Kayo’s barでは【助っ人集団石井ジャイアンツ】が6番手に登場。ライブ会場に合わせ、カヨに扮したDr.THE普通こうすけのコントから始まり、一気に会場を巻き込みボルテージマックス!もう、どこがステージでどこが客席だかわからないくらい、そこにいる全員を巻き込んでいた。そんな彼らが一番見たかったという【ガガガSP】は同時刻、Match Voxに登場。本当にボーカルのコザック前田から発される言葉は胸を打つ。途中持ち時間を確認するシーンから曲を増やすシーンも(その分喋っていたが…笑)晩秋や線香花火という名曲が演奏された瞬間会場中の感情が爆発。お客さんだけではなく、この日の出演バンドのメンバーもたくさんフロアで楽しんでいる姿にフェスの成功を確信する瞬間でもあった。
Rinky Dink Studio 8stの7番手に【THE SKIPPERS】登場。パンパンぐっちゃぐちゃの会場はTHE SKIPPERSの真骨頂。中に入るだけでメガネが曇り過ぎて何も見えず気付いたら持ち上げられの強制ダイブ。これぞスタジオライブの醍醐味を濃縮した空間となりました!ライブ後は全員完全にお風呂上がり状態。それでも次の会場に走って行くKIDSの姿は美しい!
Grooving mamagonのトリに登場は【おおはた雄一】。今となっては日本を代表するギタリストだが、八王子に住んでいる頃はずっとこの会場に出演していたそうで、その頃から知っているという方からの声もちらほら。持ち時間を大幅に越えるサービス精神で(笑)、懐かしい会場でのライブを終えた。
Match Voxの最後は【花団】→【フラチナリズム】→【ニューロティカ】の八王子3バンドで締め。常に入場規制がかかり続け、地元の人達からの信頼度も高い3バンドなだけに、振り付けやかけ声も会場内が完璧で一体感が素晴らしい時間となった。バンドやアコースティックだけでなく、八王子のご当地アイドル【8princess】を筆頭にブッキングされたアイドルステージや、お笑いライブも展開し、更には周辺店舗を巻き込みクーポンを使って食事を楽しむことができたりと、類を見ない形のサーキット型ミュージックフェスHACHIDORI。
音楽の力で地元を盛り上げたいという八王子だからこそできたミュージックフェスは大成功のうちに幕を閉じた。 今後も八王子の音楽シーンから目が離せない。
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