tossed coin ~supported by Eggs~
- 日程
- 2020年1月31日(金)
- 開場 / 開演
- 19:30 / 20:00
- 会場
- 渋谷HOME
- 出演
- Youmentbay / FUNLETTERS / and more!!!!!
- 料金
- entrance free (※Another:2Drink order & donation)
- チケット
- 予約はこちら
- 主催
- Eggs / 渋谷HOME
Text:中村圭汰
Photo:塚本 弦汰
素朴な佇まいでステージに一人。シンガーソングライター、ylang ylangが今回のトップバッター。 しんと静まった会場に鍵盤の音が鳴り響き、吐息交じりの歌声が絡まってゆく”I Wish I Cloud Swim Like a Fish”。極限まで無駄を削ぎ落としたサウンドに観客は息を飲んだ。
程よい緊張感を保ったまま次曲、”Fit”へ。呼吸を忘れてしまうほど、その音、その歌声に引き込まれていった。透明度の高い彼女の声は鼓膜をすり抜けて胸の奥にストレートに突き刺さる。
アルバム制作の苦悩から生まれたと話し、続く曲は”Air”。思いつめた心と締め切った部屋の淀んだ空気を重ねたナンバーだ。視点を少し変えることで見える世界が変わる。ほんの小さなことで心持ちは変えていくことができる。生きていく上で当たり前でいて見落としてしまいがちな部分を、独特の言い回しで観客へ投げかけた。
最後は、これまで披露した曲の中では最も陽気で軽快な”Sun Shower”。カラフルな印象がありつつも、原色ではなく淡い色を連想させるのは彼女の自然体な雰囲気からくるのだろうか。
彼女は観客の中に心地よい違和感を残して去っていった。名作映画のエンドロール、席で余韻を噛みしめるあの感覚に似ていた。
絡まり合う音がカオティックな世界観を提示する”ect”からseasunsaltのステージは始まった。
緊迫感をもって編み上げられるメロディーが期待感を煽り、エッジの効いたギターサウンドを合図に続く、”next”へ。エネルギーを外に吐き出すというより、内に溜め込んでいくようなイメージをもって曲は進んでいく。
「ありがとうございます、seasunsaltです。」
簡潔に挨拶を済ませたのも、彼女たちのステージは曲単位では無くライブ全てを通して一つの作品であることを物語っているようだった。
止まること無く続くステージ。サウンドスタイルには一貫性がありつつも、その中でフレーズや音のバリエーションで細かく展開が変わっていく。パワフルなドラムサウンドが楽曲の骨組みをより強固なものにしていった。
“hollow”は、彼女たちの実験性のあるサウンドメイクの中に親しみやすい繰り返しのメロディーが耳に残る一曲。Vo.ふじたまゆの歌声は、切なさの中に希望の光を見るように光と影を絶妙なバランスで表現することに長けている。
観客を煽ることも、コールアンドレスポンスを求めることもない。一つの作品として、彼女たちの音を観客の体中に自分たちの音を流し込むこと。その一点に集中しているようなライブを見せてくれた。
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