12月6日(火)、渋谷LUSHにてEggs主催イベント「LIVE BOOSTER vol.0」が開催された。Eggsアプリ内で人気を誇る4組のアーティストが出演し、インディーズ好きの観客達を沸かせたイベント当日の模様をお届け!
Text:松山 優(東放学園音響専門学校)ぱるらどーる。/ Absolute area 記事担当
Text:池田 有花(東放学園音響専門学校) YUMEGIWA GIRL FRIEND / peco 記事担当
Photo:塚本 弦汰
Eggs presents「LIVE BOOSTER」vol.0
日時:2016年12月6日(火)
開場:18:30 開演:19:00
会場:渋谷LUSH
出演:YUMEGIWA GIRL FRIEND / Absolute area / ぱるらどーる。 / peco
料金:1,000円 (ドリンク代別途)
★Eggsアプリをインストールしてリスナー会員に登録、出演アーティスト1組以上をFollowすると無料!
主催:Eggs / 株式会社フジパシフィックミュージック
制作:Zokkon lab.
協力:渋谷LUSH
「LIVE BOOSTER」の記念すべきトップバッターを務めたのは4人組バンドの「ぱるらどーる。」。”こんばんわ!ぱるらどーるです。今日はよろしくお願いします”という挨拶でライブは始まった。
スタート直後のせいか、ステージ真ん前のスペースが空いており、篠﨑(Vo.Gt)が”なんで空いてるの?”と尋ねると、高山(Ba)から”お前のことが怖いんだよ”という突っ込みが。会場を笑いに包んだ後、2曲目「太陽のマーチ」へ。”ワンツー!ワンツー!ワンツースリー!”と、ポップで陽気なメロディーに合わせてフロアに降りた篠崎。観客一人ひとりの手を引き中央に集めると、会場全体がバンドのペースへとハマっていった。
その後、廃品回収車から聞こえてくるセリフが......。その名も「廃品回収」という3曲目へ。空気がガラッと変わり、真っ赤な照明の中、激しめのギター、ベース、ドラムの音がライブハウスに鳴り響く。次第に大きくなっていくと手拍子とサウンドに、観客の肩も揺れ動く。
MCでは、コールアンドレスポンスの練習が繰り広げられ、ノリの良い観客にメンバーのテンションはMAXに。そのまま最後の曲へ。最初はガラ空きだった前方も気付けば観客で溢れ、彼らの視線はステージに釘付けだった。耳に残るキャッチなメロディーに観客の心を掴むパフォーマンスは、記念すべき1回目に恥じないステージだった。
2組目は"イマ風"なルックスが魅力の「Absolute area」という3人組バンド。"はじめます"のひと言で彼らのステージがスタートした。
1曲目の「日々の中で」は、ゆっくりめのバラードかと思いきや、激しめのサウンドでいい意味で驚かされた。周りを見渡しながら、一人ひとりに伝えようと歌う山口(Vo.Gt)の姿が印象的だった。”楽しんでいきましょう”とひと言挟み、2曲目の「会社員」へ。明るいメロディーと、ストレートな歌詞が自然と耳に入ってくる。今にも踊りたくなる様な曲調に、会場も温まってくる。3人が目を合わせて笑いながら演奏する姿が、とても楽しそうだった。
”絶賛テスト期間中ですが、そんなん知るかって感じでここに来ました!”とMC中に叫んだ山口。会場からは暖かい笑いが溢れ、そのまま3曲目の「ひと夏の君へ」に突入。ゆっくりしたテンポだが力強さが伝わる、そんな曲だ。
すでに観客の心が掴まれているのがわかった。その空気感のまま、ラストソング「まだ名のない歌」へ。彼らのライブは迫力があり、心に届くものがある。ロックなメロディーにストレートな歌詞を乗せた彼らの曲は、音源だけでは感じられない熱い想いを感じることができる。ぜひ1度ライブハウスで見てもらいたいバンドだ。
三組目に登場したのは、スリーピースバンド「YUMEGIWA GIRL FRIEND」。
SEもなくギターを鳴らし始め"ギターロックが好きだ"と気持ちいいくらいにまっすぐ、高らかに、一曲目「ギターロック」を歌う。"ギターロックの好きなYUMEGIWA GIRL FRIENDです。よろしくどうぞ!"と短く挨拶をして、"季節は冬だけど全部春のせいだ"とテンポよく、二曲目「全部春のせいだ」へと続けた。勢いよく始まった演奏はギターリフが印象的で、一曲目とはまた違った迫力があり引き込まれてしまった。
MCは、演奏中の堂々とした勢いのある姿とは違い和やかな雰囲気で、イベントに出られたことへの思いを話し、"これでEggsの人の評価が上がればいいなと思います(笑)"と、会場の笑いを誘った。1月に初のミニアルバムを出すことを発表し、音楽をやること、バンドをやっていることへの思いを、ゆっくりと言葉を選びながら話す。そしてバンドを続ける意味、歌い続ける意味を彼らなりに込めたという曲「夜になって」を最後に演奏した。
結成して1年半だという「YUMEGIWA GIRL FRIEND」。彼らのライブを見たのは初めてだったが、すごく気合が入っているのだろうなと感じたステージだった。まだ少し不安定で、荒いところも感じられるが、鷹觜(Vo/Gt)のまっすぐに届く声と、勢いのあるサウンドはよくまとまっていて聞き心地がいい。ギラついている気合いの入り方ではなく、静かに、ふつふつと燃えるようなエネルギ―を感じた。どの曲も、歌だけでなく演奏にも感情がこもっていてまっすぐに響いているのが聞いていて気持ちがいい。どこまでも折れることなく、まっすぐ進んでいってほしいと思った。これからの彼らの活動が楽しみである。
最後に登場したのは、今回唯一のシンガーソングライターであるpeco。"pecoです。今日はお願いします"と明るく挨拶をし、恩師に向けた曲だという「笑って」を歌い始める。
先ほどまでバンドサウンドで盛り上がっていた観客たちを、優しく染みわたるような声と1本のギターで、自分の世界へと引き込んだ。二曲目は中島みゆきの名曲「ファイト!」のカバーを披露。不安定な箇所もありながら、目を閉じ、ひと言ずつ呟くように自分の中から歌う姿はとても力強く、綺麗だった。
"ゆったりとした曲が続きましたが、ちょっと楽しい曲をやりたいと思います。手拍子とかできますか?元気ですか?"と観客を盛り上げる。手拍子を煽りつつ、自身の20年間の思いを詰めたという「キスの予定もないもんで」を披露。恋人ができない切ない心情をキャッチーなサウンドで歌った。明るい雰囲気のまま、最後新曲の「最終バス」を披露。緩やかな曲調にのせて、物語のような優しく切ない歌詞を歌う。ゆったりとした暖かな空気を残し、今日の公演を終了した。
彼の歌は、甘く優しい声ながらも力強く、思わず聴き入ってしまう。観客全体が、一音たりとも聴き逃すまいと、いい意味で、フロアにシンと空気が張っていたように思えた。また、前方のお客さんが、歌詞に合わせてくるくると表情を変えながら聴き入っていたのが印象的だった。今日一番観客を引き込んだのは彼ではないだろうか。そう思ってしまうようなライブだった。また彼のライブをみられる日を楽しみにしたい。
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