タイムカプセル
- 1. タイムカプセル
新潟県出身、20歳のシンガーソングライター「伊津創汰」が、9/1に配信シングル「タイムカプセル」をリリースすることが決定した。 誰もが持つ普遍的な感情を綴った歌詞が印象的な作品となっている。
本人によるセルフライナーノーツも届いたので、合わせて楽曲を視聴して欲しい。
タイムカプセル セルフライナーノーツ
東京。という街にどこか嫌悪感を抱いている。
渋谷のスクランブル交差点には人が溢れ、コンクリートに掛けられたハシゴは今にも崩れ落ちそうで、正体不明の焦燥と不安が強く靴の踵をすり減らしている。
地元新潟に居ても何故か居心地が悪かった僕に、自慢げに彼はこう言った。
何処に行くかじゃ無くて誰と行くかだよな、と。
小説や歌詞から切って貼ったような言葉に少し苛立ちを覚えた。
人はどこに居ても誰といてもひとりである事に変わりはないくせに、トイレまで一緒にいくようなやつらが心底嫌いだった。彼からはその匂いがした。
人は変わる。三ヶ月に一度、体の細胞が入れ替わるなら、四回目はもはや別人である。
ひとクラス三十人程の小さな箱の中で、馴染んで群れる事ができたなら、どこにいたって綺麗に収まれる大人の真似事くらいはできたし、三ヶ月もすれば小さな箱に馴染んだ人間に生まれ変われるはずだったのだが、細胞なんてものは所詮出来損ないの気まぐれな集合体に過ぎず、何ヶ月経っても西日が差す頃には制服とネクタイが鬱陶しくて仕方がなかった。
数十ヶ月後には、呆気なくスーツを身に纏う彼らと、交わす言葉なんてひとつもなかった。
内気な性格をそのまま内側に巻いたようなショートカットが似合うあの子が好きだった。
彼女が上京する事を知ったのは、十八歳の春のこと。我先にとネクタイを締め、履歴書を埋める事に精一杯のやつらにうんざりしている時期だった。
「音楽をやる為に上京するんだ」そのひと言に僕はどれだけ救われたんだろうか…
最近、東京に住む友人と入った居酒屋で、彼女と同じ名前の店員さんを見かけた。
酔っ払った客への舌打ちは、田舎の小さなライブハウスで彼女が鳴らしていたハイハットのように小気味よく僕の鼓膜を揺らした。
紫陽花色に枯れてゆく東京の空を眺めならが、奥歯を強く噛み締めていた。
遠くに見える金星が玉ボケのように目頭に濃く焼き付いて離れない。
現代人は空を見ることが減ったらしい。人知れず雲の形は移り変わり、UFOは姿を消し、繋げ字はゴシック体に変わり、筆箱に隠した手紙も押し入れの奥に消えた。
ガラクタだと思い日々の中に捨ててきたそれらが、猛烈に愛おしく感じる瞬間がある。
無駄に長い電車の待ち時間。手を伸ばせば届きそうな星屑。廃れた商店街の小さな喫茶店。
近過ぎてピントがボヤけていた宝物達は、遠く離れた東京という街で眩い光を放っている。
北の大地よりまたまたいきの良い新人の楽曲(札幌某所「最前線」)が配信リリース
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