【“青春”で脇腹をガンガン殴ってくる現役高校生バンドと踊れる劇場型ロック】 Catch up Eggs vol.1 【プランクトン】

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30歳・独身・男性。唯一の趣味が音楽ディグの【agehasprings Twitter】の中の人が、上司の確認なしに独断でおすすめアーティストをご紹介。

第1回目の今回、私がピックアップするのは愛知県立旭丘高校の軽音楽部3年生によって結成された4ピースバンド“プランクトン”だ。

なるほど高校生だけあって何処かあどけない感じを残したアー写がなんとも初々しい。初々し過ぎてもはや胸焼けがスゴイ。文化祭終わりのノリで教室で撮ったようなアー写や、授業中にノートの隅に書き殴ったものを採用したようなバンドロゴ、集合写真によく見られる高校生男女特有の微妙な距離感など、その一個一個が鋭いボディーブローのように効いてくるのだ。止めろこれ以上青春で私の脇腹を殴るな頼む。彼女達の青春を余す事なく可視化したビジュアルは、日陰をひたすら歩くような仄暗い高校生活を送ってきた私にとっては直視するのも辛く、不可抗力とはいえ青春を過剰摂取してしまった私の心中は、さながら飲み過ぎた挙句揚げ物ばかりを食べ過ぎてしまった次の日の体調の如しである。しかも帽子の有り無しで綺麗に男女2組という構図に分かれているのは既にカップルが2組出来ている事のメタファーなのか、心が汚れきった下世話な私はもうそこしか気にならないぞ、許せ!前述(邪推)が無駄に長くなってしまったが、そんな男女4人組バンド“プランクトン”を早速レコメンドしていこう。あとお前たち黒板をちゃんと消してから帰れよ!

さてこちらのEggsには彼女達の音源として「Plankton」と「Lily」という2曲がアップされているが、ここから導き出される彼女達のサウンドのキーワードは「シアトリカル」だろう。読んで字の如く、一つの劇を観ているかのような独特な展開や癖のあるラインを有するこの手のサウンドは、兼ねてよりロックに取り入れられる事も多くご存じの方も多いかと思う。彼女達はそこに独自のエッセンスを取り入れ、オリジナルのものへと昇華させているのだ。


自然と体が動いてしまうような肉体性を持ったダンサブルなビートで幕を上げる「Plankton」。そのビートと交差する独特な音色のシンセリフは、Panic! At The Discoの1stアルバムにしてシアトリカルエモの名盤『A Fever You Can't Sweat Out』を彷彿とさせ、イントロから数秒でリスナーを引き込む力を持った強力なナンバーだ。高揚感溢れるダンスロック全開のサビにも驚くが、個人的に特筆したいのは2コーラス目のAメロ。それまでの縦のビートからガラッと転調し、グッとレイドバックしたグルーヴを聴かせる展開がやけに渋い。彼女達のセンスと確かな演奏力の高さを感じさせる。LIVEキッズの皆様は絶対に好きでしょこの感じ。



そして「Lily」。Vo.はなの妖艶な吐息から始まるこの曲は、月並みな表現で恐縮だが椎名林檎の楽曲を彷彿とさせる歌謡曲テイストが強いロックナンバーになっていて、クラシカルなピアノのフレーズや、男子メンバーの笑い声や台詞がフックになっているコーラスなど、高校生らしからぬアレンジが何とも憎い。要所要所でリズム隊のフレーズが立っているのも好印象だ。間奏のキーボードとベース、ドラムによるフレーズの応酬には思わず唸ってしまった程。


総じて見れば粗削りな所は多分にある。しかしながら多彩なアレンジや演奏力の高さなど、抜きんでたポテンシャルを感じるのも事実だ。ただポルカドットスティングレイや緑黄色社会などの強いキャラクター性を持った女性Vo.バンドが続々と台頭している今のシーンの動向を鑑みれば、まだまだ本人たちのキャラクター性が薄いというのも弱点として顕著と言えよう。劇場型の新世代Rockを鳴らすニューカマー“プランクトン”、これからどうシーンにアクションを起こしていくのか、今後の活躍に期待したい。


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プランクトン
愛知県立旭丘高校軽音楽部3年生の4ピースバンド。
Gt&Vo.はな、Key.にの、Ba.りさ、Dr.TK
オリジナル楽曲の作詞・作曲をにの、TKが担当している。

2016年5月 結成
2016.12.26 大学生バンドFESTIVAL2016 campus∞campus in Zepp Nagoya 優勝
2016.12.27 中部地区高等学校軽音楽部対抗バンドバトル2016 3位&ベストボーカリスト賞&ベストベーシスト賞 受賞
2017.3.25 TEENS ROCK IN AICHI 2017 オリジナル曲の部 グランプリ受賞
2017.8.9 TEENS ROCK IN HITACHINAKA 2017 本戦出場決定

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