夏だ!海だ!I SCREAMだ!~夏をシャウトで乗り切ろう特集~

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Text:agehasprings Open Lab.

皆さん夏は好きだろうか?
ちなみに私は嫌いだ。

嫌いな理由としては、そもそも暑いのが苦手とか汗を掻くのが嫌とか事細かにあるが、一番の理由は夏だからという理由でハシャいでいるお前らを見るのが嫌だからだ。毎年毎年いい加減にしてほしい。無駄にBBQに行くな、祭りは地元のだけにしろ、テラハは夢の世界の話だ、皆早く目を覚ませ。

さて極端に個人的な理由で夏を嫌悪する私にも好きなものはある。それはスクリーモとかポストハードコアとか呼ばれるジャンルの音楽だ、日本で言う所の「ラウドロック」と認識して頂いてとりあえずはOKだ。そんな私のこよなく愛するPHC/Screamoにも夏を感じる楽曲は少ないがある。実際に夏は全く関係ないが今回はあくまでも「夏っぽさ」で押し切っていく所存だ。もう思い切って夏っぽさのあるスクリーモを便宜上「夏リーモ」と呼んでいく事にしよう。そんな大嫌いな夏(もといお前ら)を乗り切るには好きな音楽を聴くのが一番!という事で、今回は私がセレクトした選りすぐりの「夏リーモ」5曲を、夏に対する一方的な文句と共にレコメンドしていきたいと思う。書いてみた結果かなり文句の割合が多くなったのはご愛敬だ。二回目にして特殊過ぎる記事を書いてしまって関係者の皆様申し訳ありません。では早速紹介していこう。それはそうと夏早く終われ!!



Breathe Carolina「Wooly」

「夏=EDM」といういかにもウェイでパリピな方程式は、この季節に限ってはあながち間違いではない、むしろ大正解と言える。「夏は楽しんだもの勝ち」って田舎の婆ちゃんも言ってたしな。しかしながら中々パリピにはなれない控え目な人も多い事だろう。何しろここは日本だ。そもそもパリピみたいな人種がいる事が真っ当におかしいのだ。そんなザッツ奥ゆかしい勤勉日本人の皆を救ってくれるのがEDMとスクリーモをマッシュアップした、踊れて叫べるこのナンバーである。EDMをベースにしたアゲアゲなサウンドながらもポスコア譲りのエモいメロディーと強靭なスクリームパートが何とも硬派だ。聴いてるだけで強くなった気がしてくるぞ。夏を楽しみ切れない諸君は、これを聴いてパーリーピーポーにガンガン中指を立てていこう。



Deaf Havana「Friends Like These」

もう夏だ。全力の夏。全力でモテない夏。夏休みだけど全員彼女いないし、する事無いからイキオイで海行くか!っつって、楽器担いで鈍行を乗り継いで海に来て海辺で演奏すっか!って感じの夏。私の中で「夏のポスコア」と言えば、先ずDeaf Havanaのこの曲で、Memphis May Fire等を筆頭に、一時期流行ったサザンロックを取り入れたスクリーモサウンドはまさに男の夏そのもの。変声期前の少年っぽさが残るクリーンヴォーカルも、気合だけで叫んでいるようなダミ声スクリームも、サビの爆発力も、痛快なまでにモテない男の夏。そして何よりこのMV、メンバー全員モテなさそうなのに演奏始めたら一気に夏のヒーローっぽくなってる感じマジで最高。海の家でバイトをするモテない戦士に捧げるサマーアンセムだ。



Dance Gavin Dance「Summertime Gladness」

ワンランク上の夏だ。無駄にサングラス掛けて無駄にオープンカーで海に来るタイプの夏。お前とは絶対に仲良くなれない。Dance Gavin Danceが先日ドロップしたサマーチューンは、そういう糞モテ野郎のカーステレオから流れる事にも十分耐えうる強度を持ったオシャレサウンドに仕上がっている。ポストハードコアをベースにマスロック、プログレ、ジャズ、R&B、Hip Hopを呑み込んだ、洒脱で徹底的に洗練されたDGD節は健在で、更にスクラッチ的なギターフレーズやホーンアレンジを取り入れて、その徹底したオシャレ感には抜け目がない。何処のサマーリゾートだよここは。オープンカーを持ってない男子でも、気になる女子と海に行った際には、十分に活躍してくれる強力なサマーチューンになっているので、安心して海辺で流してくれて構わないぞ。君の評価がワンランク上に上がること請け合いだ。



Eskimo Callboy「Is Anyone Up?」

夏だからといって必要以上にハシャいで、毎日酒ばっか呑んでるお前たちそのものではないだろうか。そこの大学生たち。お前たちの事だぞ。おい目を逸らすな。下ネタオンパレードの下品な歌詞や、頭の悪そうな派手サウンドから日本では“チャラリーモ”と称され、当時台頭したばかりのFear, and Loathing in Las Vegas達と共にいわゆる“ピコリーモ”シーンを席巻した、ドイツ産エレクトロコアバンド・Eskimo Callboyのご存知この曲。ご存知と言ったが普通の人は別に知らなくていい。この「ネタ感」すらブッチギリで振り切った「悪ふざけ感」はまさに“夏休みをいい事に間違った方向に全力でハメを外す大学生”そのもので、見ていてイライラするのと同時に「あぁ~俺もこんなんだったなぁ~」とか何とか言って、若かりし頃に思いを馳せる大人の皆様も往々にしているのではないだろうか。いや「あったなぁ~」じゃねぇよ。うるせぇ、ちゃんと反省しろ。



Issues「The Realest」

ダメだ。完全にモテてる。完全に毎晩ナイトプールとかクラブとか行ってる。完全にギャルを複数人はべらせてる。別次元過ぎてグゥの音も出ない。初期メンバーであったDJの脱退と同時に、更にブラックミュージックに接近する方向に舵をとったIssuesのサウンドは、Vo.タイラー君のR&Bシンガー顔負けの甘いクリーンパートも然る事ながら、Djentと呼ばれるザクザクした縦ビート主体の奏法をグッとレイドバックさせたグルーヴ感が持ち味になっていて、サンセットビーチや夜のBBQなど、あらゆる夏のロケーションに対応できるモダンでアダルティーなメタルコアになっている。メタルコアのソリッドさとR&Bのメロウさを併せ持った同楽曲は、さながら昼は仕事をバリバリこなし、夜2人きりの時は思い切り甘えてくるイケメンそのもので、ここまで来るともうモテる以外の選択肢がない状態だ。完敗が明らか過ぎて尊敬でしかない。兄貴と呼ばせて欲しい。そう我々が目指す究極の「モテ」はIssuesにあったのだ。



さて私がセレクトした「夏リーモ」5曲、いかがだっただろうか。 私の夏に対するヘイトが迸り過ぎて、途中から自分でも何の記事を書いているか分からなくなった感は否めないが、レコメンドさせて頂いた5曲はどれも素晴らしいバンドによる素晴らしいナンバーばかりで、果たしてこれが「夏」なのかどうかはこの際全部ぶん投げるとしても、この5曲は君がこれから過ごす残りの夏を十二分に彩ってくれるはずだ。そしてこのスクリーモやポストハードコアというジャンルの音楽は、中々吐き出す事が出来ず溜め込んでしまっているモヤモヤを代わりに叫んでくれる救済の音楽でもある。遣り切れない想いは全て音楽に託して夏を思い切り楽しもうじゃないか。パリピになれない全てのミュージックラバー達へ、愛を込めて。


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