少女のようなあどけない声と、“本音”を絞り出すように歌う姿で同世代から人気を集めているシンガーソングライター、みきなつみ。今年、高校を卒業して“歌一本でやっていく”と決意した彼女が、Eggsプロジェクトを通して初のワンマンライブを開催した。今回はその模様をレポート。
Text:Eggs編集部
Photo:ノビス内藤
6月に発表された“みきなつみEggsサポートプロジェクト”は、「初めてのワンマンライブをみんなと一緒につくりたい」というみき自身の思いからスタートした。メニューはチケットの他に、彼女がデザインしたオフィシャルグッズやオリジナル楽曲の制作などがあり、ファンにはたまらない内容だ。最終的には、想定をはるかに上回る達成率となり、みきの人気の高さがうかがえる。ライブ当日まで、SNSを通じて練習風景をアップするなどファンの期待を高めていった彼女は、毎日降り続けていた雨がピタリと止んだこの日、渋谷o-crestのステージに立った。
まさに“堂々”といった感じで舞台に登場したみきは、ギターを持つ手も観客に向ける笑顔も自信に溢れていた。「今日誰が楽しみにしてきたかって、私が一番楽しみにしてきたからねー!」と叫び、人気楽曲『リフレイン』でライブを開始。続けてロック色の強い楽曲『もういいかい』でも、無邪気な笑顔を振りまいていた。最初に言っていたように、楽しみだった瞬間を彼女が一番楽しんでいたのかもしれない。一息ついて、集まったファンにオフィシャルグッズのタオルを持っているか確認したが、なんと!本人がステージに持ってこなかったというオチで観客(および関係者)を笑わせていた。しかし「大切な曲です」と、代表曲の日一つ『Dear』を歌い始めると、笑いに包まれていた空間を一気に、みきなつみの世界へと誘っていくのだ。“特別じゃなくて当たり前の日々を 大切にしよう”という歌詞が印象的なこの曲で、“日常”という、おそらく彼女の普遍的なテーマを大切に歌う。続けて『ごめんねって言ったら君はまた許してくれるかな』『アイタイ』を駆け抜けるように歌い、バンドタイムはひとまず終了。いつもは弾き語りなので、誰かと演奏するということは初めてだったはずなのに、彼女を支えるバンドメンバーとは、ずっと一緒に過ごしてきたかのような、本当に息の合ったステージだった。
MCをしながらバタバタと次の準備をしていると、先ほど忘れてきたタオルがマイクスタンドに巻かれて登場。「(マイクスタンドに巻くことを)1回やってみたかったんだよね♪」とゴキゲンな様子でバンドメンバーを紹介してから、『糸』でアコースティックタイムの始まり。バンドセットとは違う優しいアレンジが、彼女の持ち味である“聞き心地のいいメロディ”と“かすれた甘い声”を良く引き立てていた。『月とわたし』は、「特別な時にやる(ってことにする)」と言って、支えてくれた人に向けて書いた曲というエピソードと共に披露。静まり返った場内に歌声が響き、改めて彼女の声に魅了される。その後“じゃんけん大会”が開催され、勝者にはみきがデザインしたサイン入りTシャツが送られた。集まったオーディエンスを自ら盛り上げていくその姿からは、彼女のタレント性の高さをも感じられた。
続いて、彼女の原点である弾き語りで『ダメ人間』『赤裸々白書』を。代名詞にもなっている赤裸々白書は「半年以上歌っていなかった。これを歌うとあの時の自分に負けている気がして」と、先ほどまでのおちゃらけたMCとは打って変わり、本音を口にした。「大学は行かなかった。すごい悩んだ。でも、こんな楽しいのやめられない。今本当に楽しい。ありがとう」と、少し声を震わせながら、あの時の自分へ、悩み抜いた自分へ、未来からメッセージを届けるかのように語っていた。表情は明るいままだったけれど、歌を歌って生きていくという19歳の覚悟を会場にいた誰もが感じたのでは。Eggsにアップされている赤裸々白書とは確実に違う。少女の心情ではなく、一人のアーティストの代表曲として歌そのものも成長していたように思う。
再度バンド編成に戻り後半戦へ突入。「タオルの出番です!」と言い『本気を魅せてやれ』で盛り上げていく。あおりに応えるように観客がタオルを回し続けると、その喜びを表すかのようにみきがステージ間際まで出る。お互い「この日を待ってました!」と伝え合うかのように笑顔が溢れていた。続けて、等身大の切ないラブソング『言えるわけないよ』『もっと』を軽快なサウンドと共に奏で、ラストスパートへ。「残り2曲。最高に心を込めて」と宣言した通り、『your song』はひと言ずつ言葉を紡ぐように歌って涙を誘ったかと思えば、「次でラストですが、この後、手拍子付きのアレ(アンコールのこと)期待してる」と、最後まで観客を笑わせることにも余念がない。そして、『君へ送る唄』へ。終わりを惜しむようにスローテンポで歌い始め、右から左、左から右へと目線を動かしながら会場を余すことなく見つめていた。時々目が合ったファンに対して微笑む度に、彼女の声には艶が増していき、この日一番、綺麗な声を聞かせてくれた。
その後、みきの期待通り会場からは大きな手拍子が響きアンコールへ。「これやってみたかったんだよね♪」と本日二度目の願望達成により、またまたゴキゲンな様子でバンドメンバーと共にオリジナルデザインのTシャツを着てステージに登場。歌い始める前に「年内中にCDをリリースすること」を電撃発表し、本当のラストソング『bye bye』へ。名残惜しそうに“まだバイバイはしたくないから”と歌いながらもこぼれる笑みからは、すでに次を見据えているような力強さがあふれていた。
歌い始めてすぐに大きなステージに立ったみきは「現実は思っていたよりもずっと厳しかった」と、不安で悩み続けた日々を振り返る。それでも、未来の様々な可能性の中からギターを選び、一歩ずつ前に進んできた。個人的な思いを偽ることなく綴り、歌う(そしてMCが面白い)。いつの時代もそんなアーティストは必要とされる。今後大人へのステップを踏む中で、一体どんな“本音”を聞かせてくれるのか。 “ギタ女”では終わらない、彼女が追及した“アーティスト・みきなつみ”が楽しみだ!
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