3 Tone Sunburst pre.「愛はまほろば」
- DATE
- 2024年8月24日(土)
- PLACE
- CLUB CRAWL(東京・渋谷)
- OPEN/START
- 未定
- ADV./DOOR
- ¥ 2,500(別途ドリンク代¥600)
- LINE UP
- 3 Tone Sunburst、LUVPOLIS、Wang-Wang(旺旺)
都内を中心に”未だ見ぬ景色にとびきりの愛を”を掲げ、活動するロックバンド、3 Tone Sunburst。4月「境界線」5月「ペーパータウン」6月「Euphoria」と3カ月連続リリースを決行。
リリースされた楽曲は、彼らのバンドのキャッチコピーにもある通り、”未だ見ぬ景色”を届けるように、自分たちが、あるいはリスナーが見たことのない新しい景色と出会えるように、楽曲を作成している。
3曲、それぞれ全く違う制作経緯があり、制作時期も異なるため、3か月連続でのリリースではあるが、それぞれがまったく違う景色をみせてくれる作品となっている。
現在、3作品にちなみ、彼らの各種SNSにて『愛はまほろば』と題し、短編小説を公開、第一章が、全公開となり、伴ってリリックビデオも公開となったのでぜひ、まだ追えてない人はチェックしてほしい。
合わせて、同タイトル自主企画イベント『愛はまほろば』も、8月24日(土)に渋谷CLUB CRAWL にてLUVPOLIS、Wang-Wang(旺旺)をゲストに呼ぶ3マンイベントとして開催も決定している。
チケットはTIGET、または各出演者取り置きにて受付をされている。
https://tiget.net/events/333828
以下、公開となった小説の第一章「ひとつめの物語①」全文となる。
月明かりの下、屋敷から抜け出すふたつの影が森の暗がりに溶ける。
片方の影がもう片方の影に引っぱられるように進んでいる。
後ろを走る影から何やらつぶやく声が聞こえた気がしたが、それよりも大きな歌声が風にのって森じゅうをかけまわったせいでほとんどかき消されてしまった。
ふたつの影が通るとき、そこにある木々や動物たちは慣れた様子で歌声に伴奏をつける。
やがて森のしらべは一本の道をつくり、それをなぞるようにして、ふたつの影はさらに深い闇の中へと消えていった。
今夜もまた、手筈どおりの逃避行であった。
少年のほうが先を行く影に向かって相変わらず何かつぶやいているようだが、視界の悪い中で道を探すのに集中しているせいか、受け答えがどうにも空返事になってしまっている。
その繰り返しははたから見ればもどかしい事この上ないが、お互いそれで満足しているようだ。
頭上に輝く黄金が、凪いだ水面に映る。
時折また風が吹き、鏡はぐにゃりと形を変える。
二人にとって、手持ちの灯りに照らされた小さな小さな空間の外はすべてが取るに足らないもののようであった。
ほんの少しの罪悪感も、二人がつけた足跡とともに暗闇に飲み込まれていった。
二人だけの秘密は、森を抜けたあとにも続いていた。
髪留めが外されるのを合図に二人はその場に倒れこむ。
頭上の黄金が少女のもとに影を落とす。その闇に覆われた少年は、婀娜な目に息を呑み、沈んでいく時間から抜け出せないままでいた。
いまの二人には、二人だけの秘密を、森を抜けた先に全て隠しておくことしかできなかったのだ。
はじめて屋敷を抜け出したときから、こうなることは決まっていたのかもしれない。
過ごした時間の長さに比例して、二人がきっかけを掴む可能性は増すばかりであった。
タイミングはいつでもよかった。
たまたまそれで、その時だっただけなのだ。
相手の目に自身が映るのを見ながら、二人は深くまで沈んでいく。
光に透かしたふたつの手のひらには、同じ藍色の血が流れていた。
---
母親が幼子の頬を撫でている。
慈愛にみちたまなざしに、その手がなぞる輪郭を見ながら、何度も我が子の存在を確かめる。
先長い旅が愛にあふれるものになるようにと祈りながら、何度も。
幼子の方も、自らに重なる体温の意味を無意識のうちに受容する。
---
《あの時、あなたがかけてくれた言葉は何だっただろう。》
少年は、自分の頬に手を伸ばす少女のまなざしからいまだ目が離せないまま、そんなことを考えていた。
愛がかたちを持って二人を呑み込んでいく。
天国へ至るための隠し通路が見つけられたとき—彼らがそれに意識的だったかは置いておいて—、人々はそれを守り隠し通すだろうか。あるいはなかったものとして土に還すのだろうか。
少女の髪が風になびく。つい先ほどまで彼女が座っていた地面には数枚の花びらが散けている。
いっそ死んでしまおうかと思えるほど澄んだ空の下、何度目か、振り向いた少女と少年の目が合う。
お互い何を言ったでも、言われたでもない。
彼の目に映る彼女の美しい立ち姿はだんだんとぼやけていき、目に焼き付けたはずの服の模様もにじんでその形を保てなくなってしまっていた。
月明かりの下、屋敷から抜け出すふたつの影が森の暗がりに溶ける。
金属どうしの当たる音がふたつの影の後ろを走る。
森を半分ほど進んだ矢先、湖のほとりで歩みを止めた少女。顔色がみるみるうちに青くなり、肩で息をしている。
彼女は引いていた少年の手を放し、代わりに持っていた荷物をつかませると自身の先を走るよう告げる。
はじめは怖気づいていた少年も、しばらくして意を決したような表情で森の反対側へと走り出す。
無我夢中で進むしかなかった。彼は振り返ることができなかった。
はたしてその小さな背中に向けられる最後の視線に気付くことはなく、いつのまにか白んできた空に連れられ、月は姿を消していった。
彼が見る夢の中で、少女—もはや少女とは呼べないくらいに成長していた—の腕には小さな命が抱えられていた。
迎えるべき未来と迎えるはずのなかった未来、その間に迷い込んでしまったわけはもう思い出せない。ただ、澄んだ空の下、黄金の月の晩に、二人は確かに繋がっていた。
どれだけ時間がたっても変わらないその事実が、今日を生きる糧であり、また大きな枷となって二人を森の奥に閉じ込めたままでいる。
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