2024年に結成されたMiMiNaRe:(ミミナリ)は、現在、正規メンバーとして横井奏人(Vo./Gt.)のみで活動を展開している。ライブも定期的に行っているようだが、サポートメンバーを迎えているのだろう。1人になっても、バンドに対するモチベーションをキープしているマインドこそ、ロックそのものだ。
そんなMiMiNaRe:が2024年にバンド結成に先立ち、初音源となるデジタルシングル「2003」をリリース。この初音源をEggs内でも公開した。
MiMiNaRe:(ミミナリ)の創作衝動を浮き彫りにしたような「2003」
MiMiNaRe:は、横井奏人が作詞・作曲・編曲のすべてを手掛けている。「2003」は、横井奏人の創作衝動を浮き彫りにしたような1曲だ。根底にあるのはオルタナティブロックだが、ノイズロックのざらつきやシューゲイザー的な広がりを孕んでいる。また、サウンドの醸し出す重さに飲み込まれない、メロディーの強さが魅力だ。
注目したいのは曲の構成の少なさだ。ミニマルとも言える展開だが、最後まで耳を離させないストーリー性がある。ギターのノイズはうねり、ベースとドラムは最低限の骨格を描く。途中で無音になるパートがあるが、曲の構成として考えると “あれ、ストップしちゃったかな”と思うほど長い。しかし、この無音がフックになっていて、次のサウンドのダイナミズムをより立体的にしている。音を重ねるよりも、“削る”ことで躍動を宿しているのだ。この大胆な判断が、この曲をただのオルタナ系ギターロックに留めない理由になっていると思う。
ギターの荒々しさも、声の不器用なほど真っ直ぐな響きも、すべてが“彼自身の内部”から直に流れ出ている。シューゲイザーのように滲む音像でありながら、根底には個の切実さがある。その両方が存在しているのがMiMiNaRe:のサウンドだ。
歌詞にも触れたい。テーマはざっくり言えば、葛藤や揺れる感情、そしてその先にある次への切望。<些細なことほど心は揺れ“靡く(なびく)”><肝心なことほど言葉が詰まり“吃る(どもる)”>など、日常ではあまり目にしない表現を漢字にすること、さらに“揺れ靡く”、“詰まり吃る”など、同じ意味の言葉を重ねることで、感情の“揺れ”がより立ち上がってくる。弱さを生きている証として扱われている点にも注目だ。感情の揺らぎが、最後には前に進む力へと変換される。不安定な情緒から逃げずに、肯定して受け止めることが次への一歩だと「2003」は歌っているのだ。
「2003」は、MiMiNaRe:がこれからどんな情景を鳴らしていくのかを期待させるスタートラインだ。
文・伊藤亜希
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