千葉県発のTHE RED OF CITYは、Hiroto Miyakawa(Vo./ Gt.)、Shun Yamazaki(Ba.)、Tomoya Uehira(Dr.)による3ピースバンドだ。“TEEN AGE ROCK'N'ROLL POWER TRIO”を掲げる彼らは、結成以降ライブを中心に活動を展開してきた。2024年には拠点として活動しているライブハウス、稲毛K'sDreamで初ワンマンライブ『THE RED OF CITY 1st ONEMAN LIVE』を開催。2026年5月には『THE RED OF CITY ONEMAN LIVE IN TOKYO LIVE HAUS』を銘打ち、下北沢LIVE HAUSでもワンマンライブを行っている。2024年から音源もマイペースでリリースしているが、2025年にドロップされた初アルバム『grunge blues beat crush』がLIVE音源であるのが興味深い。彼らがライブを活動の軸に据えていることを象徴するリリースと言える。
THE RED OF CITYの最新曲となる「Dynamite Kick Out Monster」は、既述した“TEEN AGE ROCK'N'ROLL POWER TRIO”を体現したロックンロールだ。注目すべきは、各メンバーの演奏や歌そのものにロックンロールの衝動が宿っていることだ。そして、それらがひとつの塊となった瞬間、楽曲はさらに大きな熱量を獲得する。
千葉発3ピースが体現する――ライブで鍛え上げた熱量と推進力
まず印象的なのは、ギター、ベース、ドラムという最小限の編成で、楽曲全体を一気に前へ押し出していく力である。音数を増やして空間を埋めるのではなく、3人の演奏が同じ方向へ加速することで迫力を生んでいる。ギターはざらついた質感をまといながら前面へ迫り、ベースは低域を支えるだけでなく、楽曲を下から突き上げる推進力として機能している。ドラムも一打一打の輪郭が際立っており、鋭いアタック感によって演奏全体に前のめりなテンションを加えている。ここで鳴っているのは、音圧処理で膨らませた迫力ではない。バンドの演奏そのものが持つ圧力である。その感覚は、The SonicsやMC5、The Stoogesといったガレージロック / プロトパンクの系譜にも通じる、ロックンロールが持つ破壊力を彷彿とさせる。
この楽曲を熱量を決定づけているのが、Hiroto Miyakawaのボーカルだ。整ったメロディーを丁寧に聴かせるのではなく、掠れた声を前へ放り投げるように歌う。言葉をリズムと一体化させながら叩きつけていく。かといって、完全なシャウトに振り切るわけではなく、メロディーの輪郭を残したまま、声の荒さや息の勢いをそのまま楽曲の熱に変えているところが素晴らしい。語尾も伸ばさず、短く切るアプローチを徹底しており、演奏のスピード感を加速させている。
そしてこのバンドの最大の魅力は、今この瞬間に鳴らすことの衝動を優先している点が音源にしっかり刻まれていることだ。サウンドのエネルギーがそのままパッキングされており、聴いていて彼らのライブのすごさが脳裏に浮かぶ。
「Dynamite Kick Out Monster」は、ロックが獰猛であることを思い出させてくれる1曲だ。
文・伊藤亜希
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