新機能が試せるβ版サイト公開!
札幌発!nene Is.(ネネイズ)が新曲「DANCE FLOOR」で見せる咀嚼力

札幌発!nene Is.(ネネイズ)が新曲「DANCE FLOOR」で見せる咀嚼力

2024/12/27

Eggsステージに登場!!インディーズシーンで存在感が増しているnene Is.

この数年で、ポストパンクやシティポップ、ネオソウルなど、多彩なジャンルのバンドが台頭し、音楽業界から注目を集めている北海道・札幌のインディーズシーン。その一端を担っているのが、札幌を拠点に活動するディスコロックバンドnene Is.だ。

2023年から活動をスタートさせた彼らは、同年4月に初音源となる「サイケガール」を発表して以降、ハイペースで新曲をリリース。2024年8月までにシングル8タイトルをデジタルリリースしている。そして2024年11月27日にアルバム『OLA』をリリースした。並行してライブ活動も積極的に展開し、2024年12月7日に開催されたサーキットイベント『下北沢にて'24』ではEggsステージでパフォーマンスを披露している。

nene Is.のサウンドは、ファンクやディスコミュージックの影響を受けたダンサブルなナンバーが肝だが、物語性のある楽曲展開、随所で見せる洒脱なメロディ―、こなれたコーラス、独特のアプローチを展開するギター、ベースとドラムの繊細な差し引き、打ち込みの使い方などに、ルーツを咀嚼してオリジナリティーに昇華していることがわかる。

ルーツと多彩なファクターのミラーボール「DANCE FLOOR」

今回紹介する「DANCE FLOOR」は、先述したアルバム『OLA』のオープニングを飾る1曲だ。フィーリーソウルのど真ん中といえそうな華やかなコーラスとスムースなグルーブに、ロック然とした細かい譜割りの歌が絡んでくる、非常に斬新な幕開けを見せる。

これだけでもこのバンドの実力がわかるのだが、驚くのは、この後だ。柔らかな発声で声をゆらしながらトーンを繋げるように浮遊感あるメロディーを聴かせた後、ラップのフロウのように言葉を刻む。さらには、刻む中で一音をファルセットを使って抑揚を見せるなど、ボーカルコントロールが非常にうまい。子音と母音の強弱のつけかたも独特で、このボーカルアプローチが、間違いなくバンドのグルーブの一旦を担っている。

エンディングで、トラックのリズムで畳みかけるような表現を、転調と “ダンスフロア ダンスフロア ダンスフロア”とコーラスを繰り返すことで人力でやっているのが、個人的には超ツボでした。90年代以降のディスコ、例えば、クリスタル・ウォーターあたりが好きな人は、きっと大好物だと思います。