Single Focus
- 1. 火花
- 2. Tightrope Dancing
- 3. You
- 4. 抱きしめて欲しい
- 5. そんなんじゃなくて
- 6. ほんの少し先の未来まで
10月17日リリースのリアクション ザ ブッタの新たなミニ・アルバム『Single Focus』の収録曲を、メンバー3人が解説! ヴァラエティーに富んだ6曲を紐解く、全曲紹介をEggs独占でお届けします。アルバムを聴いた後に読むと、より深く『Single Focus』の世界を知ることができるかも? ぜひ歌詞カードを片手にチェックしてくださいね。
佐々木「アルバムのタイトルにもなっている〈Single Focus〉という言葉を、一番表している曲です。自分は何のために生きているのか、自分のいいところって何かなって考えたとき、その答えを一人で見つけられなくても、誰に言われて気づけることもある。そして、見つけて貰う側である自分も、他の人にとって見つけてあげられる存在でもあってほしいなと。自分として聴いてくれる人の力になりたいっていうのもあるんですけど、この曲を聴いた人が、また誰かの力になりたいと思える曲になっていけばいいなって思ってて、そういう連鎖がこの”火花”を通して起こっていけばいいなって思っています」
木田「僕は聴いたときに恋愛の曲だと思ってました。リアクション ザ ブッタの歌詞は全部佐々木が書いているので、詞を読むときに歌の主人公に佐々木を思い浮かべて、アレンジを考えることが多くて。僕は小学校の時から佐々木と一緒にいるので、“火花”を読んだときに、相手がいる歌詞だし、恋愛のことを歌っているんだろうなって思ったんです。特定の場所を見て考えたわけじゃないんですけど……」
佐々木「この中に出てくる〈君〉と〈僕〉の関係性は、その人にとって大切な人であれば、恋人でも友達でも、バンドとお客さんの関係でもよくて。意図的に絞りませんでした。そういう方がこの曲はいいなと思ったんで……。救われた人や、力になりたいと思う人は、どういう関係であれそれぞれの人の中に居ると思うので」
大野「僕は、ざっくりですけど、聴いてくれた人に希望を与えてくれるような曲になっているなって思っていて。リアクション ザ ブッタって、もともとそういう歌詞を書く、そういうことを歌うバンドだって漠然と考えていたので、戻ってきたっていうとアレですけど、これが〈リアクション ザ ブッタです〉っていう曲になってますね」
木田「僕らのアルバムは、毎回ベースのスラップが入っている曲を収録しているんです。例えば『After drama』だと“クローン”、『Wonder Rule』だと“Wonder Rule”、『Fantastic Chaos』だと“Fantastic Chaos”という感じで。今回の『Single Focus』だと、この“Tightrope Dancing”がそのポジションの曲です。今回は曲名に〈Dancing〉って入っているだけあって、ライブをしたときに踊れるような曲になってます。リアクション ザ ブッタのアルバムのなかでは、ある種の定番みたいな立ち位置ですね」
佐々木「“Fantastic Chaos”を作ったぐらいから、スラップの入った曲を意識的に入れるようになって、気づけばリアクション ザ ブッタらしさの1つになっていて。アルバムの中だと、表と裏、みたいな立ち位置になるのが、1曲目の“火花”とこの“Tightrope Dancing”です。歌詞は、生活していくうえでの矛盾や、一筋縄じゃいかないことも、開き直って敢えて危険な道を選んで、楽しんじゃおうよ、っていう内容。ロープの上を歩いて、さらにその上で踊っちゃう、的な感じになってて、ある意味自分とか社会的なものへの皮肉も込めながら書いてます。スリルを感じる瞬間――ドキドキすることとか、いい意味で追い詰められるような状況って、自らそういう場所に飛び込まないと得られなかったりするじゃないですか。だったら、もっと自分から掴んでいったら楽しいかもよって歌ってますね」
大野「2人がたくさん語るから、僕からは一言だけ(笑)。〈背徳感が気持ちいいんでしょ?〉っていう感じの曲かなって思うんですよ。そういうことを歌ってる曲というか。でも行先に何があっても知らないよっていう……。楽しいかもよ、っていう感じはあるけど、保証もないんですよね(笑)」
“You”――ちゃんと背を向けることで、逃げずに前に進もうとする別れの曲佐々木「会話調で始まる曲なんですけど、主人公の2人は、お互いの人生を歩んでいろんなことがねじ曲がっているんですよね。自分を俯瞰できているようで俯瞰できていない、そんな2人が付き合っている、という。割と具体的な描写が混ぜ込んであって、なんとなく情景が浮かびやすい曲だと思います。ふとした瞬間に出る言葉って、触れるか触れないかの問題で、実はめんどくさいことも多いと思うんですよ。最終的には別れに向かっていく曲なんですけど……」
木田「歌詞的なところでいうと、最後の〈ちゃんと背を向けよう 逃げないで〉っていう部分が、あまり他だと聞いたことないなって思ってて。ちゃんと向かい合おう、逃げないでっていうのはたくさんあるし、問題に直面した時に向かい合おうっていうのはあるけど、ちゃんと背を向けるけど、それは逃げることではないっていう表現は珍しいですよね。最初に聞いたときは〈あれ!?〉って思ったんですけど、確かにそうだなって」
佐々木「逃げたんだってことを歌ってきたから、最後逃げない意志が欲しかったんですよね。この2人にとっては、背を向けることが前に進むことだって信じてるというか。後をひくようなものだからこそ、ちゃんと背を向けてお互いが違う道を歩んでいくんだっていうところを最後に書いたんですよね、意識的に。大事なものだったから、でもこのまま立ち止まっていてはいけないから、離れていく。中途半端にしないように、っていう約束があるというか」
大野「演奏的に言うと、この曲が一番難しいんじゃないかなっていう。思っているよりゆったりしてないし、セカセカもしてない。絶妙なテンポ感なので、演奏する側は大変です!(笑)」
佐々木「みんな演奏してるよ!(笑)」
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