Single Focus
- 1. 火花
- 2. Tightrope Dancing
- 3. You
- 4. 抱きしめて欲しい
- 5. そんなんじゃなくて
- 6. ほんの少し先の未来まで
佐々木「これが一番……(笑)。まず“抱きしめて欲しい”っていうタイトルからして、〈男が何を言っているんですか〉って……」
木田「甘えん坊さん(笑)」
佐々木「そう思われることもあるんじゃないかと思うんですけど(笑)、でもこういうテーマだと、自分のダメな部分をいかに歌えるかというか。〈自分ってこうだよね、あなたもそうでしょ?〉っていうことで、ダメな部分をいかに曝け出せるかというテーマがあったんです。その上で、なんでもいいからとりあえず抱きしめてくれよ! ってちょっと自棄になっているというか……。自棄になってもいいじゃないか!?っていうのが、ありますね。男だってたまに抱きしめて欲しいことはあるんですよ(笑)。〈お前何言ってんだよ〉っていう感じもあるかもしれないですけど、この良くわからない自分の感情も、君という絶対的な存在があってこそで、ある意味神様みたいな異性を望んでいるという……何も言わずに自分のことをただ肯定してほしい、っていう曲です(笑)」
木田「好き嫌いはハッキリわかれるんじゃないかって思うんですよね、この曲」
佐々木「物事を白黒ハッキリつけるようなタイプの人からは共感は得られないかもしれない(笑)。そうじゃない人にとっては、ひとつの……抱きしめてあげられる曲になればいいかなって」
木田「僕は、あまり共感はしないんですけど(笑)、ただ歌詞を読んでて、こういう感情があることはわかるんです。認めてほしいっていう。そういう瞬間的な衝動は、みんな共通で持ってるんじゃないかなって。ただここまであけっぴろげに、声を大にして言えるってなると、自分はそうじゃないなって。あと、歌詞に書いていない部分を深読みすると、この主人公の行動も謎が多くて、どうなってるんだろう!?って(笑)。しかも最後、〈抱きしめて 抱きしめてほしい 抱きしめてあげるよ〉って三段活用みたいに……」
大野「最後逆転してるんだよね、立場がね(笑)。僕は、これが佐々木直人さんなんだなって勝手に解釈してて(笑)。聴く人によっては違和感を覚えるような歌詞の内容かもしれないけど、このアルバムのなかのいいスパイスになる曲だって思ってます」
佐々木「もとは4~5年ぐらい前の曲なんですよね。いまの僕は胸を張ってこの曲を歌えるんだろうかっていう自問自答もあったんですよ。めちゃめちゃストレートだし、シンプルな曲なので、最近は歌ってこなかったタイプの曲です。でもストレートだからこそ、言葉をメロディーにのせてみたら、すごく気持ちが良くて。Aメロの歌詞は作った当時のままで、Bメロは新たに付け加えているんですが、当時の気持ちを思い出すところからスタートさせました」
木田「今回のアルバムの中だと、ライブでやった時に一番楽しい曲になるんじゃないかなって。サビ頭で〈そんなんじゃなくて〉って歌っている部分も、お客さんと合唱できたらいいなって考えてますね」
大野「〈そんなんじゃなくて~〉っていう部分だけバシッと歌ってくれるだけでもいいかなっていうぐらい。他の歌詞も覚えてくれたら嬉しいですけど(笑)。〈そんなんじゃなくて〉っていう単語がでてきたら、このメロディーを思い出すぐらいになるといいなぁって(笑)」
佐々木「テーマとしては〈ずっと一緒に居ようね〉っていう言葉に疑問を持ってしまったところから始まるんですよね。字面はいいけど、今までだってずっとなんてなかったじゃないかって思ってしまって。だとしたら、何が二人を繋ぎとめているのかと考えると、いまこの瞬間思いあっていること、言葉より行動で示すことが、二人を繋ぎとめていて、その積み重ねが、結果として〈ずっと〉だったと。そうなれたらいいなって。そういうところから始まった曲ですね。ほんの少し先の未来について話せるぐらいの関係が続いたら、いいよねって。現実そうはいかないかもしれないけど、そういう部分に焦点を当てた曲ですね」
木田「この曲のなかの〈晩御飯ぐらいのちょっとした未来が そこにあればいいんだ〉っていう歌詞が凄い好きで。ずっととか永遠とかって、重く聞こえるじゃないですか。だから、これぐらいシンプルにいま一緒に居ることが楽しい、心地よいっていう未来だけ見ていられるのって、一番幸せなのかなって考えて、この部分はほっこりしますね。演奏面でいうと、イントロを考えるときに、ベースでイントロを考えてみようって思って作った曲で、ベースのイントロだから、派手さはないけれどその素朴な感じがこの曲に合ってるなって思ってて。ぜひ聴いてほしいです」
大野「Aメロだけ見ると幸せなんですよね。でも〈永遠なんて本当はないんだよ〉みたいな、現実的なことほど残酷だったりしますよね」
木田「ひねくれているのは相手なんですよね(笑)」
大野「この曲のなかに出てくる〈僕〉はどちらかというと、ロマンチストで、永遠を肯定したいタイプ」
佐々木「いままで生きてきた上で絶対的なことがなかったりすると、〈ずっと〉とか〈永遠〉みたいなことって信じられなかったりするんだと思うんですよ。だから、そこを自分の中で繋ぎとめられないかなって思って作った曲でもあります。ただ、永遠とかずっとっていう言葉は、本当はどこかで信じたいんだけどね。そこはある種のロマンみたいなものというか。あったら素敵なことだよねっていうのは、ずっとある。だから思い浮かんでるんだよね、言葉が。ずっと一緒に居たいとか、そうだったらいいのにって」
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