FOLKS 岩井郁人「CO-LABO’」 明日友達に自慢できる?!コラム「デモテープ」

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Text:FOLKS 岩井郁人

みなさん、こんにちは。FOLKSのボーカルの岩井郁人(イワイフミト)です。

さて、始まりました!連載コラム「CO-LABO’」。コラボレーションとラボラトリーをかけて『コラボ』です。ゆかりのあるミュージシャンを始め、ファッション、アート、アニメ、映画、旅、学問、文学などジャンルを問わず様々な「人」や「コト」とコラボレーションして、僕を通してみんなに色々な情報や体験をシェアしていくのがテーマ。

最近、僕は「岩ヰフミト」としてソロプロジェクトを開始しました。なかでもEggs SUPPORT PROJECTのクラウドファンディングの仕組みを利用した新しい試みも始めたので、ぜひチェックしてみてね。
(Eggsプロジェクトページ⇒【☆】

今まで以上にフットワーク軽く、様々な体験をシェアしていくので宜しく!

さて今回は、Eggs SUPPORT PROJECTのリターンにも盛り込んでいる、「デモ Verフルコーラス音源」、いわば「デモテープ」をテーマに話そうかな。

僕がデビューするきっかけになったのも「デモテープ」。デモテープには、上手い下手ではない「初期衝動」が詰まっていると思っていて、その「初期衝動」に可能性を感じてくれたのが、当時出会ったレコード会社の人たちなんだと思う。

僕自身も、他のアーティストから初期衝動を感じることはたくさんある。中でも、とびきりの衝撃を受けた海外のデモ音源とデビュー曲を2曲、さらには、デモの衝動が、その後どうやって昇華されたかもみていこう。今回の僕のソロプロジェクトの副教材みたいな感じで読んでもらえると、より楽しめるんじゃないかと思う。

まずは、イギリスはロンドン出身の4人組インディーロックバンド、Bombay Bicycle Clubのデモテープから。

【Jack Steadman - cheating】

未リリースでYoutubeにしか無いボーカルジャックのソロ曲には、ボンベイがイギリスの若手バンドとして1stアルバムをリリースしてから、世界で確固たる地位を確立した3rdアルバムリリースまでの秘密が隠れている。

2009年、1stで“THE STROKES以降”の良質な“ギターサウンド”を聴かせていたボンベイは、そのあと2010年、アコースティックアルバムである2ndで良質な“ハーモニー”を追求する。それと同時にYoutubeで公開されはじめたジャックのソロは良質な“アレンジ力”で作られたエレクトロニカだった。そうした過程を経て、2年後、その集大成とも言える凄まじい作品を上梓する。

【Bombay Bicycle Club - Shuffle】

“ロック”、“フォーク”、“エレクトロニカ”という全く別のジャンルを、ソロ作で身につけた圧倒的アレンジ力で掛け合わせて出来た作品が、世界中に名を知らしめた3rdアルバム「A Different Kind of Fix」。まさに異なる(Different)種類(Kind)を圧倒的なアレンジ力で確固たるものに昇華(Fix)している。リリースされたのは2011年だけど、2017年になった今でも研究しても研究しきれない、本当に奥深いアルバムだ。

デモテープって、習作だから完全じゃないけど、こういうのを聞いて、その過程を探るのも楽しい。

デモテープと言えば、デビューのきっかけになることが多い。次は、アメリカ合衆国ニューヨーク州の生ける伝説の4人組バンド“The Strokes”の、僕が大好きなデビュー曲を紹介しようと思う。彼らは2001年イギリスのラフ・トレード(過去にはザ・スミスやアーケイド・ファイアなども在籍)にデモテープを送ったことがきっかけで、すぐにデビューが決定。

【The Strokes - The Modern Age】

アナログレコードの様な温かいサウンド、ミニマルでチープなリズムトラック、ジュリアン・カサブランカスの挑戦的なボーカルが、ロックをモダンでスタイリッシュに昇華している。

「実際、ロックンロールって古臭い」って思ってた僕も、ストロークスは新しかった。それがモダンなエイジ。新しい世代の感覚って宣言だったのかも知れない。そして同年にリリースした1stアルバム「Is This It」は全世界で大ヒット。US・UKインディシーンで成功したバンド(フランツ・フェルディナンドやアークティックモンキーズなど)は、ストロークスからの影響を公言し、2000年代以降のシーンは“THE STROKES以降””と呼ばれるほど、ロックのスタンダードになった。

僕がデモテープを好きな理由って、「これでもか!」ってヘッドフォンからあふれ出そうなくらいアーティストの表現欲求が詰まってるからなんだけど、彼らのデビューアルバムが大ブレイクしたキーの一つは、良い意味での“初期衝動”=“デモ感”があることだと思う。 ミュージシャンのレコーディングあるあるだと思うけど「デモの時の、あの感じ無くなっちゃったからどうにか出したいよね」とか、結構言ったりする(笑)。

こうやって、アーティストの初期衝動が秘められているデモテープやデビュー曲を、より深く探ることで、アーティスト本来の表現欲求や魅力が浮き上がってくる。音楽を聴く楽しみが、また一つ増えるかもしれないね。

そして最後は、北海道恵庭市発の4人組ロックバンド、僕たちFOLKSのファーストデモテープを紹介しよう。

【FOLKS- Replica】

Galileo Galileiから独立して新しいプロジェクトを立ち上げようと思った時にはじめて書いた曲、“Replica”。自分の中に渦巻いていた表現欲求すべてを注ぎ込んだ1曲。その時はまだFOLKSを組むかどうかも決めていない時で、これから自分はどんな音を奏でるのか?どんな歌を唄っていくのか?模索していました。(よくよく考えると、今も変わらず悩んでるな。笑)

そして見つけた答えがこの曲、“Replica”。フォーキーでセンチメンタルなコード進行、煌びやかなシンセサイザー、チルウェイブ的なアナログテープサウンド、ブラックミュージックからインスパイアされた16ビート。そして一つの物語が終わり、新しい物語が始まる寂しさと胸の高鳴りを綴った歌詞。

僕が今まで影響されてきた音楽や体験してきたことすべてが、初期衝動によって混ざり合っていった。そんな僕を作ってくれた音楽や人に対してリスペクトを込めたこの曲のタイトルは、「Replica」=「模造品」がぴったりだと思った。初期衝動をギュウギュウに詰め込んだこのデモテープがFOLKSを作るきっかけでもあり、デビューのきっかけになった。

みんなにはどう聴こえるだろう?

なかなか、楽曲のデモ段階をみんなに聴かせる機会もないんだけど、今回、Eggs SUPPORT PROJECTを通じて、作品を作っていく過程を一緒に体験してもらえるように、初のソロシングルのリード曲「メリーゴールド」のデモ段階の楽曲を、サポートしてくれた皆んなにシェアすることにしました。僕の「初期衝動」をみんなにも届けられたら嬉しいな。

そして、7月23日から初の全国ツアー『岩ヰフミト ソロツアー2017「キョウカヰセン」』が決定!ソロ活動初の全国ツアーです。これこそ初期衝動を目撃できるはず!ぜひ、ライブでの「初期衝動」を体感しにきてください!

それでは、また会いましょう。


バックナンバーは【コチラ】から


◆岩ヰフミト ソロツアー2017「キョウカヰセン」

2017年7月23日(日)札幌REVOLVER 
OPEN/17:30 START/18:00

2017年8月4日(金)名古屋 spazio rita 
OPEN/18:30 START/19:00

2017年8月5日(土)金沢social 
OPEN/18:00 START/18:30

2017年8月6日(日)京都 GROWLY 3F 
OPEN/18:00 START/18:30

2017年8月7日(月)大阪 CONPASS 
OPEN/18:30 START/19:00

2017年8月11日(金)東京 WEEKEND GARAGE TOKYO 
OPEN/18:30 START/19:00


◆sunrise garden vol.1 supported by FRESH!

日時:2017年8月13日(日)OPEN/13:30 START/14:00
場所:日比谷野外大音楽堂
出演:I Don't Like Mondays./WONK/Official髭男dism/GRAND FAMILY ORCHESTRA/セレイナ・アン/羊文学/FOLKS/ものんくる
料金:自由席 2,800円
チケット:2017年7月15日(土)発売
チケットは★コチラ

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profile

FOLKS 岩井郁人(ボーカル/コンポーザー/プロデューサー)
2010年、ロックバンドGalileo Galileiのメンバーとしてメジャーデビュー。
やSUMMER SONIC、ROCK IN JAPAN FESなど全国主要フェスに出演するなど、北海道に住みながらも全国的に活動している。2016年にはFOLKS RECORDを立ち上げ、韓国フェスに出演。個人活動では、“まちのうた”プロジェクトを発足し、高校への体験授業や特別講師などに招かれるなどソロ活動の幅を拡大し、台湾にて初のソロライブ、その他、ニューヨークにも活動を広げ海外にも進出している。
2014年には、北海道恵庭市出身の4人組ロック「FOLKS」を結成し、キューンミュージックよりデビューアルバムをリリース。RISING SUN ROCK FESTIVAL

今年は、FOLKSとファッションブランドのLITHIUM HOMMEとのコラボリリースも決定し、日本最大級のファッションショー「東京コレクション」にもモデルとして出演。4月から北海道にある専門学校の特別講師として就任されるなど多分野で活躍中。今後もバンド活動、ソロ活動、両方の活躍が期待される。

event info

2017.08.13
sunrise garden vol.1
supported by FRESH!

PLACE
日比谷野外大音楽堂
OPEN/START
13:30 / 14:00
ADV./DOOR
自由席 2,800円
TICKET
2017年7月15日(土)発売

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