「ライブハウスに行っても、いつも同じようなメンツばかり」こういう経験をした人は、少なくないのではないだろうか。やむを得ないことではあるのだが、ブッキングライブというものは同じようなジャンルや年代で固まりがちだ。それゆえに“界隈”なんて呼ばれ方をされたりもする。そういうライブイベントが悪いわけではない。しかし、得られにくいものもある。それは、“新しい出会い”だ。
来たる10月、ジョゼが面白い企画をする。その名も7th Gradation tour東名阪企画『to Fantastic city』。イベント名を見ただけだと、一般的な企画となんら変わらない印象を受けるかもしれない。しかし、この企画はいつもの彼らと一味違う。なんとライブに“ゆくえしれずつれづれ”といったアイドルや、“大地(ダイノジ)”といった芸人が出演したりするのだ。今回は、この企画を記念して行ったジョゼと大谷(ダイノジ)との対談の様子をお届けする。
Text:坂井彩花
Photo:塚本弦太
大谷:曲は割とコンスタントに作ってるんですか。
羽深:今はコンスタントにできてるんですけどスランプに陥っていた時期もありましたね。昨年の11月に『honeymoon』というアルバムを出して、2、3月くらいまでツアーを回ってたんです。いつものサイクルだと夏ごろにはレコーディングをするんですけど、今年は次の一歩をどう踏み出すかすごい迷って。その状態から、やっと抜け出せてます。
大谷:俺は好きですけどね『honeymoon』、すごく聴きやすくて。前作の『YOUNGSTER』もいいんですけど、人懐っこさがあんまりないと思ったんですよ。でも『honeymoon』は、めっちゃいい音してる。“ポップ”というより“人懐っこい”。
羽深:ありがとうございます!
大谷:『honeymoon』の中で僕がいいなと思ったのは、1曲目の「モラトリアム・ラヴ」と2曲目の「Carnival end」。あー、でも「サイダーは煌めいて」も好きだなぁ…。曲やアルバムは、具体的な完成像を想定してから作るんですか。
羽深:『honeymoon』に関しては、プロデューサーの根岸さんとスタジオで一緒に作っていった部分が大きいですね。もちろん作り込んでる曲もあって「サイダーは煌めいて」は僕がガッツリ。でも、他の曲は瞬発力勝負のジャムで生まれたものが多いです。
大谷:そうやって曲が生まれるのいいよね。ジャムりながらリフができて、その上からメロディが乗っかる曲のほうが俺は好き。
羽深:最近だと打ち込みも使いこなせるようになってきたので、ジャムで曲を作ってから、打ち込みでドラムやベースを完成させてデモを作る、っていう流れがきてます。
大谷:できることの幅は広がってるみたいだけど、作品自体は過去作と比べて引き算してる感じがあるよね。今の方がダイレクトなバンド感があるというか…、ちゃんと隙間がある。
羽深:前はオーバーダビングしまくってたんですけど、もっと3ピースの良さを出せたらいいなと思うようになったんです。隙間を出すのは、本当に難しいですね。作って、引き算をして、いかに太さを出すかって感じ。『honeymoon』は、そこに結構こだわって作ってます。
大谷:アルバムを重ねるごとに、ちゃんとバンドがハイブリットされてる感じがする!ちなみに、DJでジョゼの曲をかけるならどれがオススメ?
羽深:やっぱり「Carnival end」じゃないですか。これを聴いて、みんなにピョンピョンしてほしい!
吉田:曲が流れた時のお客さんを一番想像できるのはこれだよね。
大谷:ライブの展開的にいうとどうなんですか。お客さんがワーッてなる、いわゆるアンセムみたいなものってどの曲?
羽深:『honeymoon』の最後に収録されてる「バイタルサイン」ですかね。愚直でストレートな曲ですよ。
吉田:実際のライブだと、前半で乗りやすい曲をやったあとに「バイタルサイン」への繋ぎとしてよく演奏するのが「Carnial end」。だからDJの時にも「ここから盛り上げたい!」って時のブーストに使ってもらえるんじゃないかなと…。
大谷:なるほど! 本人たちに聴くのは、やっぱり面白いですね。
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