Eggsスタッフが今月の注目アーティストを選ぶ「Eggsマンスリープッシュ」!
2025年3月のマンスリープッシュアーティスト、The カンナクラブ。バンドのフロントマン、ツジマル(Vo./Gt.)へインタビューを行った。The カンナクラブ結成のきっかけとなる出会いとは?
福岡を拠点に活動するThe カンナクラブ。バンド名の意外過ぎる由来とは?
ーーバンド名の由来を教えていただけますか?
ツジマル:僕たちは福岡で活動しているんですけど、同じ福岡出身の橋本環奈さんがとても好きで。そこからつけました。
ーー橋本環奈さんが世に出てきたきっかけ、「千年に1人の美少女」と言われて、SNSで拡散された写真は本当に衝撃的でしたよね。
ツジマル:でしたよね。じつは、千年にひとつのバンドって言われるようになりたいって意味もあったりします。
ーー他のメンバーにバンド名を告げた時の反応は覚えていますか?
ツジマル:反応なかったですね。うちのメンバー無口で普段からあまり反応ないんですよ(一同笑)。
ーーバンド結成の経緯を教えてください。
ツジマル:僕がバンドに興味を持ったのが高校3年生くらいの時。My Hair is Badのライブを観に行ったのがきっかけですね。この時ライブハウスに行くのも初めてでした。彼らのライブを観て、バンドをしたいと思うようになったんです。それまでギターを触ったこともなかったけど、とにかくバンドをやりたいって思ったんですよね。それぐらい衝撃だった。高校を卒業した後は福岡の音楽専門学校に進学して。両親から就職のことも考えろって言われたこともあって、音響コースを選択したんです。でも全然興味がわかなくて。そんな中ギターコースやボーカルコース、照明コースとかと合同でライブを制作するっていう授業があって。その時に“やっぱり俺はステージに立つ側がいいな”と強く思ったんですね。専門学校の2年生の頃は、ほぼ学校に行かずに家でギターを弾いてずっと曲を作ってましたね。それで、このままだと卒業できなくなるって時にある先生に“お前1人で曲を作ってるんやろ?俺が手伝ってあげるから、自分の曲をレコーディングしてCDにしたら卒業単位をあげるよ”って言われて。そこで初めてレコーディングできるレベルまで1曲仕上げたんです。ただ、ギター、ベース、ドラムがいない。僕もギターを弾いてましたけど、リードギターにすごくこだわりたくて。だから“この学校で1番うまい人を紹介して”ってお願いして、メンバーを紹介してもらった。ここで出会ったのがテッペイ(Gt.)ですね。卒業してテッペイと曲を作り始めた。これがThe カンナクラブの結成に繋がっていくんです。卒業の時にレコーディングした曲も、後にThe カンナクラブの曲としてリリースしてます。
ーー音楽のルーツを教えていただけますか?
ツジマル:これまで結構いろんな音楽を聴いてきていて。中学生の頃に初めて買ったCDは確かRADWIMPS。高校に行くとボカロとかK-POP。BIGBANGがめっちゃ好きだったんですよ。専門学校に入って音楽の歴史を授業で学んで、ビートルズやチャックベリーを聴き始めて。特にチャックベリーはよく聴いてました。あとはTHE BLUE HEARTSもよく聴いていました。チャックベリーみたいな(トラディッショナルな)ロックンロールはThe カンナクラブのルーツにもなっているかなと思いますね。
ーー他のメンバーはどんな音楽が好きなんですか?
ツジマル:あんまり知らないですね。テッペイは6歳の時からギターをやっていて。洋楽がメインだと思います。日本だとCharさんとかかな。ベースマヒロは、Ken YokoyamaとかHi-STANDARDが好きですね。ドラムは結構幅広くて。アイドルも聴くし、Janne Da Arcとかも好きだし。THE NINTH APOLLO系(レーベル名)のアーティストもよく聴いてますね。本当、バラバラですね。
音楽で言葉を伝えることは難しい。でもメンバーのイメージが湧くまで粘る
ーー曲作りはどのように行っていますか?
ツジマル:基本僕がギターの弾き語りで作って。の時の僕のこだわり……歌詞やメロディー、コード、ベースラインをこうしたいっていうのはもちろん、特にリードギターへのこだわりはすごく強いので、フレーズをボイスメモに録ってまずはテッペイに渡して、“こういう感じでしたい”って話して、それをスタジオに持っていって、そこから全員で作っていくって感じですね。音楽を言葉で伝えるのって本当に難しくて、僕が言ったことに対して“イメージが湧かない”って言われることも多いんですけど、実際に楽器を弾いてもらったりしながら、わかりやすくして、さらにイメージを伝えていくんです。それを繰り返して仕上げていきます。
ーー歌詞を書く際のテーマやモチーフになるものはなんですか?
ツジマル:まずは感情です。あとは……(しばし考え中)……季節とか。春が好きなので、春の曲は結構多いように思います。春が好きなのは、夏が嫌いで冬も嫌いだから。結果、消去法でもあるんですけど、自分が4月生まれなのでそこも関係しているとは思います。
ーーバンド活動している中で大切にしていることを教えてください。
ツジマル:感情表現ですね。The カンナクラブの曲を聴いてくれたり、ライブハウスにわざわざ足を運んでくれる人に、僕らがどういう気持ちで音楽をやってるかを伝えたい。すべて同じ感情になることはきっとないとは思うんですけど近い感情になって、ちょっとでも前を向けるような……僕たちの曲がそういうきっかけになればいいなと思うんです。
ーー自分たちのバンドを一言で表すとしたら?
ツジマル:「素」ですね。私生活で猫を被ってるわけでもないんですけど、ライブの方がメンバー全員「素」が出ていると思う。
The カンナクラブが福岡でバンドをやる意味を見出していきたい
ーー今後の目標を教えてください。
ツジマル:3月22日に福岡UTEROでツアーの『2nd EP「バンドをやめたら」Release Tour』がファイナルを迎えたんです。今回の全国ツアーで、継続って本当に大切なんだなと思ったと同時に、今後もっと多くの人にThe カンナクラブを知ってもらって曲を聴いてもらうにはどうしたらいいかっていう課題も明確になった。そこをどうしていくのか、今、まさに話しているところなんです。SNSも絶対に必要だと思うんですけど、こう……メンバー全員あまり得意じゃないという(笑)。だから勉強しながらやっていかなきゃなと思う反面、現場主義でい続けたい。僕、受け身が嫌いで、例えばこういうイベントに出たいではなく、こういうイベントをしたいって考えるんです。そこから対バンも自分たちで決めて、自分たちで連絡をとってイベントを作る。例えば福岡以外のバンドでも、カッコいい一緒に対バンしたいって思ったらギャラを払って呼べばいいくらいに思っているんですね。そうやって、僕らが福岡でバンドをやる意味を見出していきたいと思ってます。
ーー最後に今後の予定を教えてください。
ツジマル:じつはゴールデンウィークにずっと出てかった大阪へのイベントの出演が決まっているんです。それがすごく嬉しい。今から楽しみです。The カンナクラブの音楽をしっかり届けてこようと思ってます。
取材&文・伊藤亜希