2025年12月16日。アーティストを発掘し、早耳音楽をリスナーにレコメンドする『Eggsレコメンライブ Vol.27』が、下北沢近松で開催された。YouTubeで生配信された本公演にはKIRIKABU、アオジャシン、43dB、YURERUKOが出演。今注目すべき4組のステージの模様をレポートする。
シンガロングで一体感を作り上げたKIRIKABU(キリカブ)

1番手に登場したのは、埼玉生まれ埼玉育ちの3ピースバンド、KIRIKABU。ステージには、白縁サングラス姿の古矢音羽(Vo. / Gt.)、田中つばさ(Ba.)、清水美佑(Dr.)の姿が。アップチューン「アインシュタイン」から一気にフロアの空気を掴みにかかる。疾走感あるビートにフロアの熱気が高まっていく。「歌う歌」では「一緒に歌おう」と観客と<ウォ〜ウォ〜>のフレーズを練習。サビのシンガロングで場内に一体感が生まれ、ボルテージが上昇する中、3人はサングラスを外す。「変な元カレの変な元カノに向けた曲です」と次曲の「クレイジーガール」を紹介すると、フロアに笑いが起こる。続く11月28日リリースの新曲「フラッシュバック」は、等身大のリリックにハードロックのエッセンスを滲ませている。「をたく」では観客参加型の軽快なMCでフロアを巻き込み、オーディエンスとの距離を一気に縮める。ファットで力強いアンサンブルと親しみやすさを武器に、トッパーとしてステージを大いに盛り上げた。
setlist
- 01. アインシュタイン
- 02. 歌う歌
- 03. クレイジーガール
- 04. フラッシュバック
- 05. 書けない
- 06. をたく
- 07. シンガロング
繊細な歌声とサウンドで初ライブのステージを飾ったアオジャシン

2025年夏結成の3ピースバンド、アオジャシン。なほこ(Vo.)、ナツメユウタ(Gt.)、アサヒ。(Ba.)の3人と、サポートドラマーの4人編成で、バンド初のライブに臨む。記念すべき1曲目は「おどるドール」。歌謡曲テイストのメロディと、なほこの透明感ある歌声に聴き入るオーディエンス。「Hello Hello」では、軽快なドラムにきらめくギターとソフトなベースラインが重なり、フロアを爽やかに包む。「今日が初めてのライブになるので、最後までみんなで盛り上がっていけたらなと思います」というなほこの言葉の後に、きのこ帝国の「金木犀の夜」のカバーをプレイ。彼らのバンド名の由来であるきのこ帝国は、彼らがリスペクトするアーティストの1つだという。各サブスクリプションサービスで配信中の「猫背」は、情感たっぷりに歌い上げるなほこの歌声が際立つ。言葉とサウンドを1つひとつ丁寧に紡いでいくアオジャシン。きめ細やかな彼らのスタイルによって、今後どのような楽曲が生まれるか楽しみだ。
setlist
- 01. おどるドール
- 02. Hello Hello
- 03. 金木犀の夜(カバー)
- 04. 浮かんだのはあなただった
- 05. 猫背
- 06. 茜色の街
改名後初のライブで43dB(ヨンジュウサンデシベル)が届けた恋の歌

下北沢を拠点に活動する神奈川県発の2ピースバンド、43dB。2025年11月12日に、あのね。から43dBに改名後、この日が初のライブ出演となる。えた(Vo. / Gt.)と、改名と同時にメンバーに加入したのま(Ba.)がステージに元気良く登場。「よろしくお願いします!」と挨拶をした後、「とんだ愛とバイト」「まねっこ」とメロディアスでドライブ感ある楽曲を演奏。勢いのあるステージに、フロアはハンズアップを送る「神奈川から来ました、43dBです。Eggs10周年に呼んでもらってありがとうございます! 次の曲はめっちゃ楽しい曲なので、手拍子を」とオーディエンスに促し、翌日0時に配信リリースの1stシングル「君&中毒」をプレイ。Cメロでは、えたの伸びやかなアカペラが響き、のま(Ba.)はスラップを披露。ミディアムチューン、「あなたに染められて」では、<私と出会ったのはEggsの音源を聴いたからで>と歌詞を変える粋な演出を見せる。「君とバンド」「くだらない」で疾走する勢いでクライマックスを駆け抜け、43dBの新章を近松に刻みつけた。
setlist
- 01. とんだ愛とバイト
- 02. まねっこ
- 03. 君&中毒
- 04. めろい君
- 05. あなたに染められて
- 06. 君とバンド
- 07. くだらない
演奏とトークで魅せたYURERUKO(ユレルコ)のユニークなライブスタイル

トリを飾るのは、Koko(Vo. / Ba.)とKana(Gt.)による2人組バンド、YURERUKOだ。サポートドラマーを迎えた3人で円陣を組み、拳を合わせて気合いを注入。「今日は一緒にキュンキュンしようぜ〜!」とKokoとKanaが声を揃え、ステージは勢いよくスタート。1曲目はロックチューン「ケンカしようぜ!」。ハンズアップするオーディエンス。フロアの熱が一気に高まる。「私たちは揺れる恋心を叫びたいという想いを掲げてバンドをやっています」と述べ、恋バナタイムへ。2人の恋バナは、YURERUKOのオフィシャルTikTokでもお馴染みなのだという。エスカレーターで手を繋ぐカップルを見てキュンとしたり、友達と好きな人が被ったりしたエピソードなどを、寸劇をまじえて披露。観客とコミュニケーションをとりながら、KanaのボケにKokoがツッコんでいくというスタイルで笑いを誘う。「相手に気持ちがないと分かっていても好きをやめられない」という想いを歌ったミディアムチューン「hinataぼっこ」では、Kokoの艶めく歌声が場内に響く。ラストは「またね」。恋バナを話すキュートな装いとは打って変わり、Kanaは骨太なギターサウンドを披露した。30分の持ち時間でわずか3曲を演奏し、恋バナをたっぷり披露したYURERUKO。独自のスタイルでオーディエンスを沸かせ、ステージを後にした。
setlist
- 01. ケンカしようぜ!
- 02. hinataぼっこ
- 03. またね
ステージに立った4組に共通していたのは、恋愛という感情をそれぞれの言葉と音で鳴らしていたことだ。まっすぐな想いも、報われない切なさも、笑いに変えたエピソードも、甘酸っぱい等身大の音楽に替えてオーディエンスに届けられた。この日、さまざまな年代の観客が近松を訪れていたが、きっと多くの人の胸に懐かしさや共感の気持ちが芽生えていたことだろう。
執筆・取材:橋本恵理子
撮影:山田 耕平










.png?w=265)









