新機能が試せるβ版サイト公開!
3月のマンスリープッシュ!DAYBAGに取材

3月のマンスリープッシュ!DAYBAGに取材

2025/03/15

「感情に寄り添う音楽を作りたい」大阪発DAYBAGがバンド名に込めた想い

ーーバンド結成のいきさつを教えてください。

宗風(そう・Vo./Gt.):僕ら4人とも地元が一緒で同じ中学の友達なんです。最初、ギターの宇翔(たかと)が「バンドをやりたい」ってメンバーを集め出したんですよ。ベースとドラムが集まったんですけど、ギターの宇翔が「歌うのは嫌や」って言って僕が誘われたんです。東京事変さんとかMrs. GREEN APPLEさんとかOfficial髭男dismさんをカバーしたいってなった時に、「キーボード呼ばなあかんよね」っていうことで、こたにに声をかけました。

ーー歌に興味のなかった宗風さんが歌うことになって、どんな気持ちだったんですか?

宗風:僕、中学生の時に初めてカラオケに行って「歌うまいやん」って周りからちやほやされ出して(笑)。で、中学2年生か3年生ぐらいの時にバンドに誘われて「俺、歌うまいらしいし」と思ってやってみようと思いました(一同笑)。

じん(Ba.):たぶん、僕が宗風とカラオケに行った数が1番多い。中1で出会ってすぐにカラオケに行った頃から「ほんまに歌うまいな」って思ってて、宗風の歌声のファンですね。僕と宗風、他の人を加えてカラオケに行った後は「宗風、歌うまない?やばない?」みたいな会話になってました。

ーーバンド名の由来を教えてください。

宗風: DAYBAGは「日々」と「鞄」という単語を合わせた造語です。毎日行く場所とか目的によって鞄に入れるものって違うじゃないですか。人間も毎日違う感情で生きているので、その時々に合った感情に寄り添う音楽を作るという意味があります。

ーーそれぞれの音楽のルーツを教えてください。

じん:インストミュージックです。僕はファンクが好きで、ボーカルが入ってないサウンドからベースの役割を探していって今に至ります。最近はもっぱらJ-POPがメインですね。Official髭男dismさん、藤井風さんVaundyさんを特に好んで聴いてます。

こたに(Key.):私はピアノの入りがクラシックなので、幼少期からクラシック系のピアノとかオーケストラを聴いていました。あと嵐も好きです。もちろん楽曲も好きなんですけど、ライブの演出も本当に素晴らしくて憧れです。

宇翔(Gt.):僕は、B'zの松本孝弘さんのギターを初めて聴いた時の衝撃でギターを始めたんです。高校の時はジミ・ヘンドリックスやナイル・ロジャースのギターにも衝撃を受けながら、R&Bとかジャズ、ソウルとか、洋楽を聴いてましたね。でも一貫して小さい頃から聴いているJ-POPのキャッチーなメロディーに1番影響を受けてるかなって思ってます。

宗風:最初に音楽を聴こうと思ったのはボーカロイドなんですよ。小学生の時にボーカロイドを聴き始めて、中学生の時にギターを始めたんです。ギターを始めたきっかけは、YouTubeでMrs. GREEN APPLEさんのMVを見て、「ギターかっこいいな」「バンドかっこいいな」と思ったから。ボーカロイドとMrs. GREEN APPLEさんが僕のルーツですね。

ポジティブな感情を曲にするのは難しい。それでもDAYBAGが「喜」を曲にする理由

ーー曲作りはどうやって行っていますか?

宗風:ほとんど僕が作曲をしています。メンバーのパートまで打ち込むこともあれば、僕の弾き語りを持っていってメンバー全員で曲を作る時もある。大きくは2パターンの作り方でやってます。皆で考えて曲を作りたい時はメンバーとスタジオに入って「ちゃうなあ」「いいかも」みたいな話をしながら作っていきますね。曲作りは今の僕を投影するものとして捉えていて、喜怒哀楽の中でどれか1つが昂ったときに、そのまま衝動で書いてしまうことが多いですね。

ーー例えば、喜怒哀楽の中で「喜」と「楽」が昂ったときも曲を書きたいと思いますか?

宗風:ネガティブな感情はいっぱい出てくるんですけど、嬉しいことを曲にするって意外と難しくて。でも、今が嬉しいと思う気持ちを曲に残しておけば、1つひとつの感情を取っておけると思っているんです。DAYBAGの曲を聴いた人が上手に生きられるようにって気持ちもあって「喜」はよく曲にしますね。

ーー作詞をする際のテーマやイメージも教えてください。

宗風:僕の場合は先に歌詞が出てきて、その後にメロディーをつけます。人に言われたことや僕が言ったことが記憶として根強く残ってる部分があって、それを歌詞にしているんです。その言葉のやりとりを思い出しているうちに、歌詞がポンポン自然に出てきますね。

ーー今、活動している中で最も大切にしていることは?

じん:これからDAYBAGを知ってくれて好きになってくれる人たちに曲を届けるためには、どうしたらいいかを考えて動いてますね。最近だとTikTokに力を入れているんですけど、僕ら全員陰キャタイプなんでTikTokは見るけど投稿はしないんです。でも、コンテンツの勉強とか今の話題とかを頑張って探って取り入れるようにしています。

目指すは熱量の高いワンマンライブのソールドアウト

ーー自分たちのバンドを一言で表すとしたら?

宇翔:「キャッチー」ですかね。メロディーもそうですけど、歌詞の伝わりやすさ、各パートそれぞれのフレーズのアプローチ。全員J-POPという意識でやってるからこそ出せるキャッチーさがバンドの1番の魅力だと思っています。

こたに:「愛情」です。バンドって、家族や友達みたいに愛情を注いでるものだと思いますし、楽曲に対しても愛情を込めて届いてほしいと思っているので、リスナーの皆様にも愛情を持って聴いていただけたらなって思います。

じん:「繋がり」ですね。バンドができるまでの間に多くの人と繋がって、バンド仲間やお客さんとの繋がりもできていって。逆に今まで一緒にやってきた人との繋がりが消えていくっていうこともあるけど、それも含めて全部バンドの糧になって音楽になっていくっていうのがすごくいいなと思います。

宗風:一言でいうと「お守り」ですね。音楽って、たぶんなくても生きてはいけるものだと思うんです。でも、音楽で生活が豊かになったりとか、自分の将来やこれから行く先の場所において、心持ちを軽くしてくれるものであったりする。僕の人生の中で、バンドがなかったらもういつ死んでてもおかしくなかったんじゃないかっていうタイミングが結構あったので。僕自身、すごくDAYBAGに助けられているし、DAYBAGが昔の僕みたいな人のことを救えたらなって思いますね。

ーー今後の目標を教えてください。

宗風:ワンマンライブのソールドアウトです。ただ人数を集めてソールドさせるのではなく、DAYBAGの音楽を求めている人たちがたくさん集まったライブハウスの中でお客さん1人1人とハイタッチするぐらいの熱量でワンマンライブをすることが、今の目標です。

ーー今後の予定を教えてください。

じん:東京と大阪でミニアルバム『Focus』のリリースツアー『GreenCheese』があります。3月19日が下北沢MOSAiC、3月29日に大阪・LIVE SQUARE 2nd LINEです。今回、自分らが全力を出して作ったミニアルバム『Focus』が、リリースツアーによってどこまで届くのか楽しみですし、最大限にDAYBAGを届けに行きたいと思ってます。

取材・伊藤亜希/構成&文・橋本恵理子