DEAR FRAME
- 1. スクロール
- 2. Hair Make
- 3. みんな同じ恋の歌ばっか つまんない
- 4. Dialogue
- 4. 普通
- 4. おいてきたもの
アフタークリスマス、ビフォアニューイヤーな数日間は妙にそわそわします。あれは終わったか、このまま新年を迎えて大丈夫か、駄目だもう間に合わない、さようなら!せいぜい3日間ほど、世間がいつもの勝手じゃないだけで、何を焦ってるんでしょう。何はともあれこのコラムは第二回目を迎え、いきなり年を超えます。
さて、今年最後に取り上げるのは「CLOW」という1993年生まれの女性シンガーソングライター。この投稿時点では未発売ですが、2017年1月18日に発売する初の全国流通盤『DEAR FRAME』を基に歌詞を仕分けたいと思います。
今日 僕が大好きなバンドが解散するらしい
今日 遅刻が原因で彼はバイトをクビになった
今日 人気女優の不倫愛が発覚した
今日 ある国で内戦が勃発したらしい
今日 札幌では初雪が降ったらしい
あぁ スクロール
誰かの「日常」が スクロールされ消える
あぁ スクロール
誰かの「人生」が スクロールされ消える
『スクロール』より
アルバムの冒頭を飾る『スクロール』はこんな歌詞から始まる。スマホでSNS見てる時に感じる矛盾や、違和感のようなものを歌った内容。いいですよね、こういう2016年を感じられる歌詞。1995年、オリックス・ブルーウェーブがリーグ優勝した年にLINDBERGが発表した『もっと愛しあいましょ』って曲の、"たしかイチローが満塁ホームラン打ったあの日以来、会ってないわよね" という歌詞に感銘を受けて以来、時代の見える歌詞は好物です。
タイトルが目を引く『みんな同じ恋の歌ばっか つまんない』をはじめ、多くの歌詞は自分対世間を俯瞰していて、とても孤独な視点で歌われてる。自分以外を気にしすぎてしまう、これはもう若さだと思うんです。変じゃないか?上手くやれてるか?なりたいようになれているか?公衆トイレで、俺が隣にいてもお構いなしに屁をぶっこきながら用を足す、そんな中年オヤジには知る由もない心持ちですね。でも、同世代や彼女よりも若い人にとっては言葉にして歌われることは何よりの拠り所になるんじゃないかな。
上手くやれてる気もしないけど、悪くもない。満更でもない。とりあえずやろう、そんな気にさせてくれる「ぼっち系ハウトゥー」そんなジャンルの音楽はいかがでしょうか。
良いお年を。
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