TOONICE
- 住所
- 香川県高松市亀井町8-8 森崎ビル B1F
- アクセス
- 琴平線/瓦町駅 西口徒歩6分
- キャパシティ
- スタンディング 約120 名
- TEL
- 087-802-1069
- 問い合わせ
- ikawa@guitar.ocn.ne.jp
- 公式HP
- https://impulse-records.main.jp/toonice/

2013年にオープンした高松TOONICE(以下、トゥーナイス)のオーナー井川晃里氏。レコードショップを併設しているトゥーナイスは、高松の音楽好きが集う場となっている。井川氏は同ビル内でイベントもできるBAR & CAFE燦庫(さんこ)も運営している他、地元のバンドのためのインディーズレーベル『Kill Your Sounds Record』を立ち上げるなど、高松の音楽シーンの活性化に多角的に情熱を注いでいる。そんな井川氏が語る、地方でバンド活動を続けるための大事なこととは……?
ーートゥーナイスの名前の由来を教えてください。
井川:15年前ぐらいだったと思うんですけど「TOONICE」っていうZINE(註:同人誌のこと。ファンジンが由来。椎名林檎やマキシマム ザ ホルモンなどのMVを手掛けた映像監督・大関泰幸氏らが制作・発行していた)があったんですよ。BREAKfASTやYOUR SONG IS GOODのサイトウ”JxJx”ジュンさんのインタビューやコラムが載っていて(制作者の)好きなものだけが詰め込まれたものだった。それがすごく好きで、自分が20代半ばぐらいのとき、楽しみに読んでいたんです。そのZINEの「TOONICE」っていう言葉のキャッチーさがいいなと思って、そこから名前をつけました。
ーー今、どのようなお仕事を担当されてますか?
井川:オーナーですね。トゥーナイスと同じビルの3階に燦庫っていうライブハウスもやっていて、両方ブッキングをやらせていただいてます。スタッフが足りないときは照明もやったり、トークイベントのときなどはPAをやることもあります。
ーーブッキングをする上でのポイントやこだわりとは?
井川:香川県の高松市は小さい町なんですけど、キャパが350人くらいのライブハウスがいくつもあり、その上になると500人~600人ぐらいになる。トゥーナイスのキャパは120人前後なので、高松では小さいライブハウスなんです。だからこそ、大きい会場でライブができないバンドを断らずに受けたり、自分から誘えるバンドに声をかけていってます。対バンできる地元のバンドがいて、初めてツアーができるようなバンドをどんどんブッキングしていくことが、トゥーナイスとして1番重要なところかなと思います。
ーーブッキングで大変だなと感じることはありますか?
井川:正直に言うとやっぱり、イベント毎の集客の差ですね。そこを埋めることに1番苦労します。地方レベルで集客をどう底上げしていくかっていうのは、ずっと課題ですね。
ーーそのために打ち出している施策を教えてください。
井川:田舎なのでSNSやネットを使うよりは、日々ライブが行われているかどうかが大事だと思っているんです。だからできる限り毎日イベントをやって、自分の目当てのバンドじゃないけど、知らなかったいい音楽に出会えたと感じてもらいたい。それから、音楽を聴く人を間接的に増やすことには限界があるので、いかにプレイヤーを増やしていけるかが大事だ、と。演奏する人間が増えれば、自然に人の繋がりが広がっていくと考えていますね。
ーートゥーナイスで行われているイベントの内容を具体的に教えてください。
井川:いろんな人が繋がりやすいように、あえてジャンルをぐちゃぐちゃにしたイベントをやっていますね。イベントを通して、できる限りいろんな人にたくさんの繋がりを持ってもらいたい。高松は狭い町なので、音楽が好きであればジャンルとか年代とか関係なく繋がろうと思えば繋がることができると思うんです。

ーー今のお仕事で1番嬉しさを感じる瞬間はどんなときですか。
井川:めちゃくちゃあるんで、1番ってなると意外と難しいんですが……県外から来たバンドたちと地元のバンドたちが仲良くなって、トゥーナイスがきっかけで次の新しい活動に繋がっていくことが、すごく嬉しいですね。
ーー今注目をしているバンドを教えてください。
井川:地元のバンドだとKinderwalls。トゥーナイスを始めたときからずっと一緒にやってくれているバンドです。UniTONE、GIVE ME BACK!、BASEBALL PITCHER、THE CLOUDもすごくいいバンドです。僕、自分でもずっとバンドを続けているんですけど、先々月、僕のバンドと一緒に台湾ツアーに行きました。それから、THE MAYTHっていうメロディックなハードコアバンド、トゥーナイスを始めたときからずっと出てくれている古墳シスターズもすごくいいバンドですね。地元のバンド以外で個人的に思い入れの強いバンドでいうとSAKANAMON。お店を始めて4~5年目ぐらいから、ほぼ毎年トゥーナイスに来てくれているんです。あとはDYGLとKOTORI。KOTORIが最初にトゥーナイスに出てくれたときは、ハードコアのバンドばかりが出演するイベントだったので、KOTORIのメンバーが「この次、僕らがやるんですか」って、ビビリながらライブをやっていた気が(笑)。今ではKOTORIも高松のもう少し大きい箱でライブをやるようになって。それでもライブ終わりで打ち上げが終わってから、メンバーがトゥーナイスに遊びに来てくれるんですよね。

ーー地方でバンド活動を続けるために必要なこととは?
井川:いろいろあると思いますけど、常に自分たちにどれだけ刺激を与え続けられるかっていうことですかね。誰かにパスしてもらって自分たちの感度を上げるのではなく、自分たちで好きなバンドを高松に呼んでイベントをやるくらい……のモチベーションを持ち続けて欲しい。地方は熱量を落とさずにやり続けることがとても難しいと思うので、いかにバンド自身が自分たちの熱量をコントロールしていけるかが最も大事なことですね。
ーー最後に、インディーズシーンの“Eggs(卵)”たちにメッセージをお願いします。
井川:練習をたくさんするのも大事ですが、どんどんライブをやっていって欲しいですね。自分たちの知らない場所に行って、知らない人たちにライブを観てもらって、人と繋がっていくことの楽しさを知って欲しいです。

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