名古屋CLUB UPSET(アップセット)
- 住所
- 愛知県名古屋市千種区池下1-4-23 アミュゾン池下ビル5F
- アクセス
- 地下鉄東山線 / 池下駅1番出口から徒歩1分
- キャパシティ
- スタンディング 約250名
- TEL
- 052-763-5439
- 問い合わせ
- http://www.club-upset.com/home/contact/
- 公式HP
- http://www.club-upset.com/home/
2025年7月で開店20周年を迎える名古屋CLUB UPSET(以下、アップセット)。開店1年目からブッキング担当として勤務し、今も店長と兼務してブッカーを続ける中井俊輔氏。数多くの有名アーティストたちが慕う“アップセット”というライブハウス。中井氏が語る、名古屋音楽シーンの変遷、ブッキングのこだわりとは?
――中井さんがアップセットで働き始めたのはいつ頃ですか?
中井:お店ができてから1年後くらいです。もう19年くらいになりますかね。入った当初からブッキングをやっていました。そこから現在まで店長をしながらブッキングもやってますね。
――アップセットでブッカー(注:ブッキング担当)をやり始めた当初、意識したことなどはありますか?
中井:以前に勤めていたお店で、多少はブッキングに関わっていたんです。だから、アップセットでは、それまでの経験を活かしつつ、違うジャンルやアーティストを呼ぶように意識しました。スタートしたばかりのライブハウスだったこともあり、地元の他のライブハウスと被らないように、自分たちなりの色を出すようにしたいなと。当時は、ギターロックのバンドが出始めた頃で。地元のシーンを盛り上げるのはもちろん、まだ知名度の低いバンドにもスポットを当てるように、独自のブッキングを意識していました。
――ブッキングを進めていく中で、特に印象に残っているエピソードや、アップセットの個性が形成されていったきっかけなどはありますか?
中井:最初は地元の若いバンドからスタートしていったんですが、だんだん県外からもバンドが来るようになりました。特に、パンクやスカのバンドが多くて、そうしたジャンルがアップセットのカラーにもなっていったように思います。それから、当時のブッキング方針としては、他のライブハウスでやらないようなジャンルも積極的に取り入れて、少し違った面白さを提供するように心がけていましたね。
――名古屋のライブハウスシーン全体の特徴はどう分析されていらっしゃいますか?1990年代後半~2000年代にはヒップホップ、2010年代以降はメロコアなど、名古屋出身のビッグアーティストがたくさん出て来ていますが……。
中井:名古屋は、ハードコアやパンク、メロコア、ヒップホップなどが盛んですが、ヒップホップに関してはクラブ文化が強くて、ライブハウスでやることは少ないですね。ただ、ハードコアとヒップホップは、当時(25年くらい前)は若者の間で繋がりが強く、一緒にイベントを開催することも多かったんですよ。バンドとヒップホップ、つまりライブハウス文化と、クラブ文化ですよね、そこを一緒にブッキングしたこともありましたけど、あまりこう……うまくマッチングしなかったんですよね。
――その理由はなんだと思いますか?
中井:ライブハウスとクラブの客層の違いだと思いますね。ライブハウスに来るお客さんは、音楽をしっかり“観る”“聴く”という意識が強いので、クラブとは違う雰囲気になりますね。海外とはそこが少し違うかもしれませんね。
――確かに、おっしゃる通りかもしれないです。では、地元や県外のバンドに対して、どのようにアップセットへの出演をアプローチされているのでしょうか?
中井:SNSを使って、地元だけでなく県外のバンドにも連絡を取っています。最近では、Twitter(現X)やInstagramなどを通じてDMで直接コンタクトを取ることも増えました。うまく連絡が取れない場合は(連絡を取りたいバンドと)共演しているバンドに声をかけて、このバンドに連絡を取りたいんだけど……とお願いすることもありますね。地元に限らず、遠方のバンドも積極的に呼んでいます。
――SNSの普及によって、ブッキングのスタイルも変わってきたんですね。例えば、連絡したバンドの中で、特に印象深いリアクションがあったバンドは?エピソードなどがあれば教えてください。
中井:THE ORAL CIGARETTESの(山中)拓也くんが1番印象的でしたね。彼とは地元のイベントで出会い、その後、自分たちの企画をやりたいと連絡があったんです。(アップセットに)毎月呼んでくださいと言われて、そこから毎月ブッキングしたんですよね。その年の末にはワンマンでソールドアウト。本当に短期間で卒業していきました。非常に意欲的で、ぐんぐん成長していったバンドでしたね。
――素敵なエピソードありがとうございます。では、中井さんがブッキングにおいて面白いと感じるバンドには、どういった特徴があるのでしょうか?
中井:やっぱりリズムやメロディーが独特で、そのバンドらしさが感じられると面白いなと思います。自分の主観になるんですが“このバンドは他とは違うな”と感じられる時があるんです。僕、すべての音楽に価値があると思っているんです。だから、気になったバンドには全部声をかけて、まずはライブに来てもらいます。
――そういう新しいバンドをブッキングするために、意識していることや工夫はありますか?
中井:リサーチがすごく重要ですね。だから、ネットやSNSでどんなバンドが活動しているのか、どういう雰囲気の音楽をしているのかを常にチェックしています。音源を実際に聴いたり、ライブ映像を観たりして、これは面白いかもと感じるものには、積極的にアプローチします。ブッキングの際は、地元バンドと県外のバンドと組み合わせて、1日を面白いイベントにできるよう工夫しています。
――そうやって声をかけてアップセットに出演したアーティストで“このバンドは大きくなるだろう”と思ったバンドは?
中井:さっき紹介させていただいたTHE ORAL CIGARETTES、他にはSUPER BEAVERやクリープハイプ、ここ数年だとマカロニえんぴつとかフレデリックのように、ここで育って大きなステージに飛躍していったバンドも多いですね。
――この仕事をしていて1番嬉しいと感じる瞬間は?
中井:やはり、お客さん、出演者、スタッフが皆楽しんでくれている1日を作れた時が1番嬉しいです。この三者が揃って満足している日というのは本当に少ないんですが、そうした一体感が得られると、充実感がありますね。この組み合わせで組んで良かったと思えるような日ですね。
――そこにいる全員が嬉しそうにしているってことですよね。
中井:そうですね。
――そういう1日の中ではどういう瞬間に嬉しさを感じるんですか?
中井:ライブが終わってからですね。お客さんの嬉しそうな顔、バンドの子たちの嬉しそうな顔。スタッフもそう。ライブ中も嬉しそうではあるんですけど、やっぱり終わった後の表情ですね。
――そういう嬉しそうな表情を見て中井さんはどんなことを考えてらっしゃるんですか?
中井:シンプルですね。またこういう1日を作れたらいいなぁって思ってます。それが自分の目標ですから。これはブッカーを始めた時から変わってないです。本当、なかなかそういう1日を作るって難しいことなので。今でも意識して目標にしてますね。
――わかりました。ありがとうございます。では、今、注目しているバンドを教えてください。
中井:もう何回もうちに出てもらっているんですけど、Conton Candy。あとはyutori。彼らは若いのに本当に肝が据わってて、かっこいいバンドだと思います。それから三四少女(サンスーガール)も、これからもっと面白い感じになっていくじゃないかなって思ってます。KOTORIもライブを観て、若いのにこういうこともやってるんだ、面白い、いいなと思いましたね。
――最後に、インディーズシーンの“Eggs(卵)”たちにメッセージをお願いします。
中井:まず大切なのは、他のバンドのライブを観に行くこと。特に先輩バンドやビッグネームのライブを観ると、その完成度やステージの観せ方から多くのことを学べます。それから、対バンライブもただ参加するだけでなく、他のバンドのパフォーマンスを観察することで、自分たちの立ち位置や成長点が見えてくると思います。音楽を楽しみつつ、自分たちをどんどん磨いていって欲しいですね。
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