「特集・ライブハウスの中の人」vol.9 〜東京・渋谷編 / 渋谷 Milkyway(ミルキーウェイ)〜

share

2ef25233-c3ce-47cc-a43b-2f123289431b_1_102_o

2025年に開店15周年を迎える渋谷 Milkyway(以下、ミルキーウェイ)。ライブハウス、マネージメント、レーベルと多角的にアーティストを応援する仕組みを作っているミルキーウェイの斎藤久典氏に話を訊いた。彼が考えている新たな仕組みとは?

ミルキーウェイは日々成長し続けてきたライブハウス

ーーミルキーウェイという名前の由来を教えてください。

斎藤:ミルキーウェイは、2010年7月7日の午後7時7分に渋谷にオープンしたライブハウスなんですね。7月7日、七夕=天の川。天の川を英語で言うと「Milkyway」ということで、オープンした記念日を店名にしているんです。オープン以来、目まぐるしく変わり続けている音楽シーンの中で、東京を代表するライブハウスのひとつとして日々成長し続けることができている、それがミルキーウェイというライブハウスだと思ってます。2025年7月7日で15周年を迎えるんですが、これもミルキーウェイに出演してくださったアーティストの皆さんを始め、足を運んでいただいたお客さん、そしてスタッフのおかげだと思うんですね。本当にいろいろな出会いに感謝していますね。

ーー齊藤さんはいつ頃からミルキーウェイに?

斎藤:2015年12月からです。入っていきなりブッキングを任されました(笑)。12月28日に開催されるイベントのブッキングをやって、と。それまでは、音楽の仕事はしていて、ミルキーウェイにも何度もお世話になっていたんですが、ライブハウスでは働いたことがなかった。でも、今までに出会ったバンド(財産)が自分には、沢山ある!もちろん前もってバンドさんたちには、ミルキーウェイで働くことを事前に伝えてましたが(笑)。周りのバンドは、みんな斎藤さんの初企画にぜひ出演したいとありがたいことに連絡をたくさんいただき、なんとかブッキングできましたね。
ミルキーウェイは、マネージメントやレーベルも運営しているので、今はいろいろやっているんですが、勿論ライブハウス運営が主になるのでブッキングは変わらずやってます。他のブッキング担当スタッフの相談にのる場合もありますね。

インディーズ・アーティストにとっての駆け込み寺的な存在でありたい

ーーブッキングする際のこだわりを教えてください。

斎藤:出演してくれるすべてのアーティストにとって必ずプラスになる1日にしたいと思ってます。対バンしたバンドと話をして刺激を得るとか、次はもっとこういうライブにしようとか。活動をしていく中で、次へのなにかを1日を通して掴んで欲しいと思ってます。また、イベントを通してアーティスト同士が繋がって、ネットワークを広げることがすごく大事だと思うんです。お互いを高め合っていけると思うので。ライブ後の打ち上げとかも、そういう場になるように心がけていて。アーティストが今、なにに悩んでるのか、汲み取りそこを改善して、さらにワンランク上のステージに行けるようにサポートができたらいいなと思っているんですよ。

milkyway_%e6%96%8e%e8%97%a4%e6%a7%98

ーー今お話を伺っていて、斎藤さんの考え方に、マネージャーのスタンスを見出したんですが、ご自分でもそう感じられることはあります?

斎藤:僕自身、元々、色々なアーティストのマネージメントやプロモーションをやっていたんで、そういう視点でアーティストを見ている部分は確かにあると思います。それもあって、アーティスト本人たちに、自分たちをマネージメントするっていう視点、能力をつけてもらいたいと思ってるんです。が絶対に、活動を続けていく中で自分たちのためになるから。
それで悩んだ時は“ミルキーウェイの斎藤さんに連絡してみよう!なにかヒントをくれるかもしれない!”って、そんな駆け込み寺的な存在でありたいですし、そういうスタンスをずっと続けていきたい。それが僕自身のずっと変わらない気持ちだし、続けていくことがひとつの目標でもあるんですよね。

アーティストがもっと飛躍できるように。今考えている新しい仕組み

ーー先ほど、ミルキーウェイはレーベルやマネージメントもやっているというお話がありましたが、そこも含めて、今後、なにか新しい展開を考えているんでしょうか?

斎藤:もう少し組織について詳しく言うと、ミルキーウェイを運営している、株式会社ケーアンドエーには、現在、ライブハウス、マネージメント、レーベル部門があるんです。自分の中で、今後、新しく立ち上げたい、今後の取組みたいと思っているのがライブ制作部門だと思っています。まず、ライブハウスっていうライブができる場所がある。そこに紐づく形でアーティストをマネージメントして、音源もリリースできる。そうすると次は、ライブ制作部門だと思ってるんです。

ーーアーティストの活動をもっと多角的に応援していきたいという気持ちがある、と。

斎藤:それはすごくありますね。特に最近多く感じるのですが事務所に所属することを現在考えてなくマネジメント、リリース等は、自分たちで行いたいなど、活動していく中で足りない部分のみを補いたいと考えているアーティストからも、たくさん相談を受けます。例をあげると、プロモーションの強化、ツアー制作、規模を上げた大きな会場での自主公演などですね。
この時点で自分たちの活動についていろいろと先に先に考え、さらに自分たちが大きくなるには、今なにが足りないのかを明確にわかっているのは本当に凄いと思っています。
マネージメントやレーベルに所属してないアーティストでもそのアーティストがなにに悩んでいて、今どんなことを求めているかを把握し、向こうからの相談に対して、様々な依頼を受けいれられる窓口を作ることができれば、これまでの自分のネットワークと経験と実績も活かして、例えば各地のイベンターさんに協力をお願いしキャンペーンを展開することもできる。その時の動員の規模感やアーティストが今いる位置に合わせて、予算も相談しながら、全国各地のイベント主催者へのプレゼンもできると思うんです。よくあるリリースツアーにて東名阪のライブハウスを周るだけのツアーじゃなく、せっかく名古屋に行くなら、このイベントにも出てみようとか、ラジオに出演したりしてみようなどそういう提案ができると思うんですね。
アーティストがもっと飛躍できるサポート、きっかけを作ることができるんじゃないかなと思っているんです。まだ構想段階ですが、実現できるようにアクションを起こしていきたいと思ってますね。

milkyway_stage_la_b

アーティストが成長していくのを見られるのが嬉しい

ーー今の仕事をしていて1番嬉しさを感じる瞬間は?

斎藤:ミルキーウェイでライブをしていたアーティストが、大きく成長して、またライブハウスに戻ってきてくれた時です。どんどん大きなステージに登っていくアーティストを見ていると嬉しいですね。お客さんが3人位で頑張っていたアーティストが、今度Zeppクラスでワンマンライブをやるとか、もっと大きくなってホールでライブをやるとか聞くと、それだけで嬉しいんですよ。なんか親心じゃないですけど、もっといけるから頑張れって気持ちになっちゃうというか(笑)。そうやって成長していったアーティイストがふらっとミルキーウェイに寄ってくれたりすることもあって、いろいろ話を聞いたりして。この仕事じゃないと得られない喜びがあるなと思います。

ーー今、注目しているバンドを教えてください。

斎藤:まずはNELKE。信じれないくらいどんどん成長しているバンドですね。元々はシンガーソングライターとして活動していたRIRIKOが、2024年の4月にNELKEを結成して。既に全国各地で主催のワンマンライブをやっていて、全箇所ソールドアウトさせているんです。2025年にどうなるのか楽しみすぎて、ワクワクが止まりません。他にも本当にたくさんいて……絞るのが難しいのですが……ミルキーウェイに出演してくれたバンドはレコメンドプレイリストにまとめてみましたので、ぜひチェックしてみてください!

一緒に高め合って行けるような同世代のバンドと繋がって欲しい

ーー最後に、インディーズシーンの“Eggs(卵)”たちにメッセージをお願いします。

斎藤:これから活動を始めたい、始めたばかりっていうアーティストには、楽しくやるのがまず第一歩。それから次はライブに……って話になると思うんですね。でも勇気がないとか、どうしたらいいかわからないって時には、ぜひ、ミルキーウェイに相談してください。
で、ライブ出演が決まったら、イベントの1日をとことん楽しんで、他のバンドのメンバーとたくさん話をして欲しい。ブッカーやスタッフと話しアドバイスをもらうのも、もちろん大切なことだと思いますが、出演をしたアーティスト同士でできる限り長い時間いろいろ話してもらいたいんです。
そういう中で、あのバンド頑張ってるからこっちも頑張ろう、このバンドはどんどん新曲発表しているから、もっと俺たちも新曲作ろうみたいな……同世代のライバルというか……一緒に高め合って行けるようなバンドと、繋がって欲しいと思うんです。練習を重ねるのもとても大事なことですが、どんどんライブをやって、たくさんの人と出会って欲しい。自分たちの知らない場所に行って、知らない人たちにライブを観てもらって、人と繋がっていくことの楽しさを知って欲しいと思いますね。

recommend playlist

渋谷 Milkyway・斎藤さんのおすすめを集めたプレイリストはこちら!

渋谷Milkywayレコメンド!fromライブハウスの中の人

livehouse info

BACK NUMBER

最新記事

Eggs
すべてのインディーズバンド・インディーズアーティストと、すべてのリスナーをつなぐ新しい音楽プラットフォーム。
▼免責事項
掲載されているキャンペーン・イベント・オーディション情報はEggs / パートナー企業が提供しているものとなります。
Apple Inc、アップルジャパン株式会社は、掲載されているキャンペーン・イベント・オーディション情報に一切関与をしておりません。
提供されたキャンペーン・イベント・オーディション情報を利用して生じた一切の障害について、Apple Inc、アップルジャパン株式会社は一切の責任を負いません。

アーティストとリスナーを繋ぐ
新しい無料音楽プレイヤー

page top

ログイン

利用規約およびプライバシーポリシーを確認し、
同意のうえ登録・ログインしてください。

利用規約およびプライバシーポリシーを確認し、同意のうえ登録・ログインしてください。

or
or

アカウント登録は

アカウント登録

or