「特集・ライブハウスの中の人」vol.10 〜栃木・宇都宮編 / HEAVEN'S ROCK(ヘブンズロック) 宇都宮 VJ-2〜

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2000年6月 に、前身となる宇都宮VOGUE(ヴォーグ)としてオープン後、HEAVEN'S ROCK宇都宮VJ-2(以下、ヘブンズロック)に改名してから20年。栃木県と埼玉県で4店舗を展開する中、宇都宮の2店舗を統括する店長の佐伯和彦氏にインタビュー。彼が一貫して大事にしてきたものとは?

ヘブンズロックを通してインディーズバンド同士が繋がるのが楽しい

ーー佐伯さんが担当されているお仕事は?

佐伯:2003年にヘブンズロックに入って、2005年ぐらいから店長になりました。今はヘブンズロック宇都宮 VJ-2と、ヘブンズロック宇都宮 VJ-4の両方でやってます。ブッキングをやるようになったのは、2005年からです。

ーーブッキングのこだわりやポリシーを教えてください。

佐伯:いろいろ考えなきゃいけないことはあるんですけど、バンドのサウンドと、それと同じくらい人間性が大事だと思ってます。バンドの子たちと話していく中で、バンドそれぞれの人間性を垣間見た時に、このバンドとあのバンドは合うかもしれないな……って思うんです。

ーーそれは日々、佐伯さんが多くのバンドの様子を見ながらコミュニケーションを取っているからこそのブッキングですね。

佐伯:そうだと嬉しいですね。知らないバンド同士が対バンすると、最初はお互いよそよそしい。でもライブが終わって、打ち上げで知らないバンド同士の距離が近づいていく。その様子を見るのがすごく楽しいんです。その後、そのバンド同士が自分たちのツアーで呼び合ったりしているのを見ると、ニヤッとしています(笑)。

ーー佐伯さんがお声かけをして打ち上げをやるんですか?

佐伯:僕が声をかけるときもありますし、バンド同士がやろうってなって、そこに呼ばれるときもありますね。打ち上げでは、くだらないことばかりを話すんですけど(笑)、たまに音楽の話をしたり、これからどうしたらいいか相談されることもあります。たまにですけど(笑)。

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バンドには解放感のあるライブを味わってほしい

ーーヘブンズロック系列のライブハウスのある宇都宮や熊谷は、関東ではありますが、東京から距離がありますよね。少し地方感も強い、北関東のライブハウスとしてなにかアクションをしているのでしょうか?

佐伯:集客目的とまで行かないですけど、バンドを呼ぶための施策は常に考えていますね。出演するバンドやジャンルにもよりますけど、来てくれるお客さんは、首都圏の方たちも多くて。恐らく、全体の6割ぐらいは占めているんじゃないかと思います。例えば東京のライブハウスではチケットが取れないけど、栃木だったらチケットが取れるから行けるみたいなところはあると思います。悔しいですけど(笑)。宇都宮は車社会なので車で来る方も多いですけど、新幹線が通っているので、都内からも、逆に福島や仙台などからもアクセスはいいと思うので、それがお客さんの割合にも現れていると思いますね。もっと地元、近くの人に足を運んで欲しいと思っていて、そこはずっとライブハウスとしての課題だと思うんですけど、どうしても気軽に行ってみようとはならないと思うんですね。だから魅力的な……例えば好きなバンドが出ているから行ってみようって思うとか、そういうブッキングをしていきたいと思ってます。

先輩ブッカーの背中をみて学んだ、自分のあるべき姿

ーー今のお仕事をしていて1番嬉しいと思う瞬間は?

佐伯:お客さん、演者、演者スタッフ、ライブハウススタッフ、終わった時に皆んな笑顔だったら嬉しいです。今の仕事では、そういう嬉しさを日常的に感じることが多い。最初は全然ブッキングのことが分からなかったんですけど、仲良くさせてもらっているライブハウスの店長さんたちの姿を見て、いろいろ勉強になりましたね。しっかりとバンドと向き合っているし、打ち上げもしっかりする。右も左もわからないまま進んでいく中で、先輩方の背中を見て教えてもらったことも多かった。今でもすごくありがたい存在だと思ってて。

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ーー今、おすすめのアーティストを教えてください。

佐伯:宇都宮のSHIT HAPPENINGというバンド。でも、残念ながら解散してしまいまして……。サブスクでぜひ、聴いてみてください。ほかではKiNGONS。彼らは毎月10何本ライブをやって、ずっとツアーをしている。全国をくまなく回っていて、すごいなと思います。ライブも良いので、ぜひ足を運んでみてください。若手だとBlue Mash35.7ルサンチマンもいい。ライブもいいですし、楽曲も好きです。

ーー最後に、インディーズシーンの“Eggs(卵)”たちにアドバイスやメッセージをお願いします。

佐伯:全員が全員そうじゃないんですけど、頭で考えてライブをやっているようなタイプの子が増えている印象があって。まずは、その場に身を委ねて、肌で感じて、頭で細かく考えずにライブをやってみるのがいいと思います。考えるのは、その後でいいんじゃないか、と。バンドを続けていく中で、考えることは絶対に必要ですし、真剣にバンドと向き合って音楽をやっていたら、どんどん出てくると思うので。なので、お客さんは1度置いておいて、自分たちが最高に気持ちいいと思える独りよがりなライブをまず1回してみる。 毎回はダメです(笑)。ただ、その(独りよがりな)1回のライブでわかることがたくさんあると思っています。ライブに来るお客さんはCDを聴きに来ているわけではなくて、目の前にいる生身の人間の演奏を見に来ている。表情とか汗とか動きとかも含めてライブなんですよね。ライブが終わった後にはたいていバンドと精算の時間がありまして。無い場合もありまりますが。で、その時にライブを見て感じたことを素直に言うようにしています。で、ライブが終わった後は打ち上げをやりましょう、と。これは僕の考え……というか、仲良くさせていただいているライブハウスの店長さんの背中を見て学んだことなんですけど、打上げまで含んでライブというか。バンドのメンバーに打ち上げも含めて、今日はいいライブだった、楽しかったって思ってもらえるように。リラックスしてなんでも話してもらいたい。そういう空気を作るのが、自分の仕事だと思ってます。

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livehouse info

HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2

栃木県宇都宮市宮園町5-33
アクセス
東武鉄道宇都宮線 東武宇都宮駅/徒歩1分、JR宇都宮駅 西口/徒歩25分
キャパシティ
スタンディング 300 名
TEL
028-639-0111
公式HP
https://www.heavensrock.com/utsunomiya

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