「余剰半」

青ヲヒメル
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楽曲解説

全ての時間の中で 最も暗い瞬間は 夜明け前である。 誰の言葉だったかは思い出せない。 高校生の頃 何かの授業で習ったのかもしれないし 飲み屋で隣に座ったおじさんの 胡散臭いうんちくだったのかもしれない。 それでもその言葉が忘れられない。 目が潰れるほどの輝く何かを 手放した代わりに手に入れた。 中途半端な余剰を持て余しては その言葉が頭をよぎるのだ。 僕は未だ 夜明け前にいる。

歌詞

作詞:リョウスケ

作曲:リョウスケ

大したこともない彼らが 今日も本物語らって街を闊歩する あぁはなりたくないなって 思いながら過ぎていく 今日も自室ベッド上で惰眠謳歌する 気づいたら二十と幾年が過ぎた あの日の情熱はもはや灯火 片手にビール つまみ昔話 要は僕ら何も変われなかったんだ 未だ踏み出せないその理由を とか都合良く言葉並べた そんな言葉でさえも 信じてくれた人が居たのに 置き去ってきたはずの あの日の傷跡が今さら 疼いては消えない また目を閉じてしまう だから差し伸べられた手も気付かず また一人部屋に篭り嘆き歌う 僕の居場所はどこに 夜が明けても 尚暗いこの部屋の 隅で蹲って今日を消化する 踏み場もない わずか四畳半の 余剰の無い様は僕と同じだった 急に暗さを増した影と 雨音が静寂を満たした 僕と僕ふたり世界 掠れた声 君の泣き声 真っ逆さま落ちてく 溢れた涙の行方 ただ地球の重力に 引かれただけじゃないはずだろ 探し求めていた 当てもなくただ手を伸ばした あの日の僕が 見ていた世界は 誰かが描いた 未来 無力故の敗北続き 天井を仰ぐ今日が また ただ ひたすらに時が流れてく ふと1人が寂しくなって付けたラジオから 流れた歌 大した事もないはずの彼らが 歌っていたんだ 笑えるぜ あの日に僕だけが取り残されたようで 何も変わらないままの 四畳半と過去から抜け出せないままの僕だ ここから踏み出せなければ 僕は一歩も前に進めない そんなことはもう分かっていたんだ たった一度切り世界 四畳半を今だ飛び出せ 誰かに祈ってまた繋ぎ合わせた掌を 今 解いてさぁ掴め まだ暗くて前は見えずとも その手に触れた物を 頼りに少しずつ前に進めば いつか 深い夜にも終わりがくるだろう

アーティスト情報

青ヲヒメル (ao wo himmel) は、大阪出身のロックバンド。 時に「青い」と無下にされるすべての感情へ。そしてソレを「秘めた」アナタへ捧ぐ唄。

shea

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