2026年2月25日、Eggsとmona recordsが共同で企画するアコースティックイベント『Eggs 10th Anniversary×mona records pre「まどか」Vol.13』が行われた。豆粒(みじんこらっく)、ミユえもん(ヨルノピクニック)、三崎れもん(サンサロサンセット)(出演順)の3組が出演。雨の降る下北沢mona recordsとYouTubeの生配信で届けられた、この日のステージの模様をレポートする。
感情の機微をリリックに託し、聴く者の心を動かす豆粒(まめつぶ)

1番手に登場したのは、東京都内を拠点に活動する3ピースバンド、みじんこらっくのギター&ボーカル、豆粒だ。「恋の歌」を歌う豆粒。愛らしく淀みのない明瞭な歌声が場内に響き渡る。「今日はたっぷり時間をもらっているので、ゆったり聴いていってください」と述べた後、みじんこらっくで1推しの曲だという「もんじゃ」を披露。人と比べてしまっても、自分がいいと思える自分でいたい。そんな思いを込めて制作したアップチューンだ。シンプルなアコースティック編成でありながら、力強いギターのストロークがフロアのテンションを高めていく。コロナ禍でギターを始めたという豆粒は、「あの時間がなかったら音楽をやっていなかった」と語り、「無駄だと思っていた時間こそが大切だった」と振り返る。その思いを抱きながら制作したのは「忘れないで」。<つまらないことで怒らないから つまらないことで笑って>という一節が、感情の綾となって胸に残る。みじんこらっくというバンド名には、「みんなの日常のスキマを自分たちの小さな音楽で埋めたい」という願いが込められているという。豆粒という名前にも、きっと同様の意味が込められているのだろう。ラストは「花を買う」。<花を買う余裕はないが、種を買う余裕はまだある>という、心の余白を肯定するリリックが印象的だ。誰もが抱える微細な感情の揺れを、力強いギターとともにまっすぐ鳴らしたステージだった。
setlist
- 01. 恋の歌
- 02. もんじゃ
- 03. 耳鳴り
- 04. 忘れないで
- 05. まって
- 06. ラックミュージック
- 07. 花を買う
明朗な歌声と愛嬌溢れる存在感で観客の心をつかんだミユえもん

続いては、埼玉発の3ピースバンド、ヨルノピクニックのミユえもんが登場。椅子に腰を掛け、たおやかにアコースティックギターを鳴らす。柔らかなギターの音色とは対照的に、紡がれる言葉はパワフルだ。「今日はEggs10周年の『まどか』、特別な日に呼んでいただけて本当にうれしいです。イェ〜イ」と、ハニカミ気味にご挨拶。続くバンド曲「おばけになっても」では、芯の通ったハスキーボイスが伸びやかに響く。「ちょうど2月の初めにバンドでmona recordsさんに出演して、今日は2回目。バンドでやった日も雪で、今日も雨なので、すごい確率だなって(笑)」と、オーディエンスの笑いを誘う。「ここからは元気めの曲を」とヨルノピクニックの「月曜日の朝」をプレイ。ハリのあるロングトーンが場内の空気を震わせる。「コーヒーと日常」ではストイックな表情で歌い上げながらも、時折浮かべる笑みが愛嬌たっぷりだ。オーディエンスの手拍子を誘って演奏されたのは「帰り道」。「普段、あまり弾き語りをしないので、緊張が消えない(苦笑)」と口にしていたミユえもんは、リズムを刻む手拍子を耳にして「めちゃめちゃいい感じです!」と笑顔を見せる。ラストは弾き語りでは初披露となるバンド曲「100万ビート」。弾むようなギターと伸びやかな歌声が、雨の夜に軽快に響いた。
setlist
- 01. エブリデイ
- 02. おばけになっても
- 03. 今日みたいな日は
- 04. 月曜日の朝
- 05. コーヒーと日常
- 06. 帰り道
- 07. 100万ビート
ジャンルレスな楽曲でポテンシャルの高さを示した三崎(みさき)れもん

トリを飾るのは、3人組オルタナティブ・ロックバンド、サンサロサンセットのギター&ボーカル、三崎れもんだ。陽気な空気を醸し出しながら椅子に座り、アコースティックギターを構える。「1年ぐらい前にリリースして、Eggsさんに見つけてもらうきっかけになった曲」と紹介し、1曲目にセレクトしたのは「cream soda!! 」。エネルギッシュなボーカルとギターの音色を響かせる。サンサロサンセットの持ち曲「黄色い電車」では随所で抜け感のある歌声を聴かせ、愛する気持ちを生チョコに込めた「生チョコンクリート」では表情豊かなパフォーマンスでオーディエンスを魅了する。一転、ブルージーな装いの「ムーンライト」ではアンニュイな歌声を披露し、フェスのような内装の場内がバーのような艶を帯びる。「サンサロサンセットは年末のモナレコのイベントで、2026年は8曲リリースしますと宣言しました!」と語り、この日初披露となる新曲「ゾクゾクしちゃいな、ベイベー」を投下。弾き語りで披露する“恋する女の子を応援するレゲエ”という新機軸が斬新だ。「下北沢にいる人が好きだと思う曲」と紹介したミディアムポップな「オレンジに飛び込め」を経て、最後は応援ソング「It's All Light」でテンション高めにステージを締めくくった。歌声、サウンド、パフォーマンスのあらゆる面で多彩な表情を魅せた三崎れもん。音楽に対するパッションと探究心を存分に示した夜だった。
setlist
- 01. cream soda!!
- 02. 黄色い電車
- 03. 生チョコンクリート
- 04. ムーンライト
- 05. ゾクゾクしちゃいな、ベイベー!
- 06. オレンジに飛び込め
- 07. It’s All Light
本公演に出演した3組全てが3ピースバンドのボーカリストである。弾き語りオンリーの楽曲もあれば、いつもはバンドで演奏する楽曲も弾き語りで披露した。バンドよりもシンプルな編成になったことで、歌声と楽曲の魅力をあらためて実感することができた。それぞれのバンドサウンドも、改めて体感してみたくなる夜だった。

■スタッフクレジット
執筆・取材:橋本恵理子
撮影:山田耕平
























