FOLKS 岩井郁人「CO-LABO’」明日友達に自慢できる!?コラム Vol.1 転機

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Text:FOLKS 岩井郁人
Photo:Toshiaki Adachi

みなさん、はじめまして。北海道、恵庭市発のFOLKSのボーカル/コンポーザー/プロデューサーの岩井郁人(イワイフミト)です。 4月からここEggsでコラムを始めることになりました。タイトルは「CO-LABO’」。と書いて「コラボ」と読みます。これはですね、コラボレーションとラボラトリーをかけてみました。隔週で更新していく予定なので、みなさん、よろしく!

タイトルの通り、コラムの大きなテーマは『コラボ』。ゆかりのあるミュージシャンを始め、ファッション、アート、アニメ、映画、旅、学問、文学などジャンルを問わず様々な「人」や「コト」とコラボレーションして、僕を通してみんなに色々な情報や体験をシェアしていくから、宜しく!学校で友達に自慢したくなるような(笑)そんなコラムにしたいと思っているので、お楽しみに!

まずは、自己紹介も兼ねて、僕の来歴を話そうかな。

僕が生まれたのは北海道の恵庭市という、札幌のベッドタウンと呼ばれる新興住宅地。札幌市内から車で40分ほどの「恵み野」という小さな町なんだけど、今もその町で暮らしながら、音楽を作り、恵庭から音楽を届けている。

そんな僕にとっての大きな転機は、5つ。
・中学校2年生の時にギターに出会ったこと
・Galileo Galileiに加入して2ndアルバム「Portal」を製作したこと
・「Portal」がきっかけで、ガリレオを脱退し、僕自身のバンドFOLKSを結成したこと
・昨年、自主レーベル「FOLKS RECORD」を立ち上げたこと
・海外を旅したり、高校をまわったり、モデルの経験もそうだし、今回始まったコラム連載などの個人活動を始めたこと

みんなにとっての転機はいつだった?きっと誰にでもそんな人生の転機があるはず。今回のコラボテーマは「転機」をキーワードに話そうかな。第一回目なので、スペシャルverということで長めに(笑)。

音楽業界にも、もちろん「転機」はたくさんあって、 調べてみると、僕の好きなアーティストも、様々な「転機」を迎えていて、面白い。

僕は、映画『はじまりのうた』が凄く好きで、そこからインスピレーションを貰って「まちのうた」という活動をしているくらいなんだけど、そこに出演しているアダム・レヴィーン。カーラズ・フラワーズというパワーポップ系のロックバンドでデビューしたものの、商業的に失敗。その後、なんと一旦大学に戻ってしまう。ところがそこで、R&Bやソウルミュージックに触れ、ロックとR&B、ソウルを融合させたオリジナル・サウンドを見出し、これが「転機」となり、後にマルーン5として成功する。

そういえば『はじまりのうた』も、キーラ・ナイトレイ演じる売れない女性シンガーが様々な「転機」を経て、成長していく映画だった。監督のジョン・カーニーの最新作は『シング・ストリート』。これも、ロックを目指す少年・少女の「転機」の話とも言える。

僕の父は、僕のアーティスト活動を昔から応援してくれているんだけど、ビヨンセの父のマシュー・ノウルズは、娘を熱烈に応援する余り、自分が「転機」を迎えてしまった人だ。8歳から従姉妹とガールズ・タイムというグループで活動していたビヨンセ。なかなか日の目を見ず、あるオーディションに落ちたことで、ビヨンセではなく、父親のマシューが一念発起。当時勤めていた会社(大手企業のゼロックス!)を辞めて、娘たちのマネージメントに専念する。これが「転機」となり、その後デスティニーズ・チャイルドとして成功したのはご存知の通り。

だけど、音楽業界で極め付けの「転機」は、オーディションに来たビートルズを不合格にしたデッカレコードの責任者、ディック・ロウなんじゃないだろうか。ディックに不合格にされた(諸説あり)ビートルズは、直後に弱小レーベルのパーロフォンに採用され、空前絶後の大ヒット。彼は、20世紀最大のミスと叩かれ、失意の中、ビートルズのライバルを必死に捜し求める。その話を聞いたジョージ・ハリスンが、ディックに薦めたバンドが、ローリング・ストーンズだった。20世紀最大のミスを乗り越え、今や世界最強のロックバンドを手に入れた。これはメチャクチャ、スケールの大きい「転機」だよね(笑)。


さらに、音楽以外の別な角度から考えてみよう。

「転機」とは、僕たちが日々、生活する上で、自分の人生に大きな変化をもたらす出来事を『転機』と呼ぶんだけど、入学、卒業、就職、転職などの、日々の出会いと別れ、どんな人の人生にもあるはず。もっと身近なものだと、クラス替えや引越し、失恋や恋の瞬間…などがあげられるかな!転機はある意味、今までの自分ではいられない状況のこと。何かが変化することを、認識するポイントとも言えるよね。出来事の受け止め方によっては、乗り越えるための変化が面倒だし、あまりの辛い現実を直視できず、逃げ出したくなったり…、苦しく、辛かったりして。僕も経験あるから、すごくわかる(笑)。

ナンシー・K・シュロスバーグという、アメリカを代表する理論化・実践家がいて、シュロスバーグは「転機」についてある理論を述べているんだけど、少し難しいから、簡潔にわかりやすく説明するね。

転機がもたらす変化の分類としては4つ。
・役割の変化
・人間関係の変化
・日常の変化
・自己概念の変化

まずは、今起きている転機が自分にとって、どの変化に分類されるかを客観視して理解する。それが、乗り越える手助けに繋がるという。

さらに、人生の転機を乗り越えるノウハウには、3つのステップがある。
1.変化を見定める
2.乗り越えるために使えるリソース(アイテム)を点検(確認)する
3.受け止める(戦略を立てて、行動計画を立てる=変化を生かす)

なかでも、乗り越えるためのリソース(アイテム)を4つの「S」としてまとめているのがこちら。
1.状況・・・転機が自分にとってどのようなものかを評価する。(客観的視点)
2.自分自身(自己)・・・自分の性格や価値観を理解する。強みと弱みやクセなど
3.支援・・・家族や友人・公的機関など外的リソースからの支援の把握。
4.戦略・・・上記3つを踏まえて、具体的にどう変化に取り組み、乗り越えてくかを考える。

色々、つらつらと書いてみたけど、簡単に言うと「転機をどう前向きに捉えて、どう乗り越えるか」。転機とはいわば、変化できるチャンス。変化できるチャンスが人生で何度も起こるなんて、ワクワクしない?「変化を生かす」ことで、新たな自分が加わり、結果的に成長する。新たな転機が訪れた時に、以前より精神的にも体力的にもほんの少しラクに乗り越えられる気がする。

すごい前向き(笑)。

もっと知りたい人は、シュロスバーグという学者が転機について研究しているから、機会があったら読んでみてね!

4月は入学、就職など多くの人に転機が起こる時期。このコラムを通じて、転機を乗り越えるためのヒントになれば嬉しいかな。

それでは、また会いましょう。

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profile

FOLKS 岩井郁人(ボーカル/コンポーザー/プロデューサー)
2010年、ロックバンドGalileo Galileiのメンバーとしてメジャーデビュー。

2014年には、北海道恵庭市出身の4人組ロック「FOLKS」を結成し、キューンミュージックよりデビューアルバムをリリース。RISING SUN ROCK FESTIVALやSUMMER SONIC、ROCK IN JAPAN FESなど全国主要フェスに出演するなど、北海道に住みながらも全国的に活動している。2016年にはFOLKS RECORDを立ち上げ、韓国フェスに出演。個人活動では、“まちのうた”プロジェクトを発足し、高校への体験授業や特別講師などに招かれるなどソロ活動の幅を拡大し、台湾にて初のソロライブ、その他、ニューヨークにも活動を広げ海外にも進出している。

今年は、FOLKSとファッションブランドのLITHIUM HOMMEとのコラボリリースも決定し、日本最大級のファッションショー「東京コレクション」にもモデルとして出演。4月から北海道にある専門学校の特別講師として就任されるなど多分野で活躍中。今後もバンド活動、ソロ活動、両方の活躍が期待される。

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