灼熱のシンガポールから冬の欧州へ。3カ国3000kmを駆け抜ける、11日間の旅路。
2025年11月3日(月)
我々mouse on the keysは、シンガポールの音楽フェス『Baybeats Festival』での余韻を背に、一路、ヨーロッパ大陸へと飛び立った。シンガポールからドバイを経由し、フランスへ。その総移動距離は1万kmを超え、実に地球の4分の1周分に相当する。18時間にも及ぶ長旅を経て、11月4日、我々はフランスの地を踏んだ。

今年2回目となるEU・UKツアー。11日間でフランス、ベルギー、イギリスの3ヶ国、7都市を巡る旅だ。その移動距離は約3,000km。地図上でいえば「東京からマニラまで」とほぼ同等である。改めて数字にすると気が遠くなるが、この道を乗り越えた先には、ライブを心待ちにしてくれる人々の笑顔がある。その再会を思えば、長距離移動の疲れも吹き飛び、俄然やる気がみなぎってくるのだ。
ツアーの全体像については、添付のルート図の通りである。

11月4日(火)パリ・フランス、シャルル・ド・ゴール空港(CDG)からスタートし、フランス4ヶ所、2回の休憩日を挟みつつ、ロンドンとブリュッセルを経て11月13日(木)最終日のパリ公演まで走り切る。
フランスはピンク、イギリスはブルー、そしてベルギーはグリーンと、各国を色分けした。この地図を道しるべに、11日間の旅路を詳細に綴っていこうと思う。
2025年11月4日(火) 10:00 am
フランス、シャルル・ド・ゴール空港(CDG)に到着。

マネージャーの金谷と音響エンジニアの山下君と合流。ヨーロッパ・UKツアーは、二人を加えた5人体制で廻る。
今回のツアーバンも、メルセデス・ベンツ・スプリンター。日本では高級車の代名詞だが、欧州ツアーにおいては、重い機材を積んでも揺るがない剛性と、長距離移動でもメンバーの腰を守るシート設計が安心。
移動の疲労や痛みをステージに持ち込まないよう、コンディション維持にはしっかりコストをかけるべきだと考えている。
念のため、積まれた機材が指定通りか確認したところ、ドラムセットの一部に変更の必要が生じた。そこで、バックライン(レンタル機材)業者の『NEWLOC BACKLINE』へ向かうことに。

『NEWLOC BACKLINE』社に到着。巨大な機材庫には、所狭しと楽器が並び圧巻。多くのバンドがここでツアー用の機材をレンタルしている。


対応してくれた社員さんが、流暢な日本語で話しかけてくれて驚いた。聞けば奥さんと娘さんが日本人とのこと。異国の地での温かいやり取りに心が和む。
こうして、旅の「船」となるバンと、「相棒」である楽器を携え、ヨーロッパ・イギリスツアーの幕が切って落とされた。
パリからシャトールーへ
海外ツアーにおいて、移動行程のシミュレーションは生命線だ。ブッキングされた日程を睨みつつ、メンバーやスタッフのコンディションを最優先に考える。その両者を天秤にかけ、最適なルートとペース配分を導き出すことが何より重要である。
そのため今回は、初日の公演が行われるフランス・トゥールーズまで(パリから700km)を一気に移動せず、300km地点のシャトールーで宿泊し、翌日400kmをかけて現地入りする計画を立てた。
途中、予期せぬトラブルに見舞われた。西部警察ばりの白バイやパトカーに囲まれ、車体を叩かれ怒号を浴びせられたのだ。ツアー初日にして交通違反かと身構えたが、実際は政府要人の移動に伴う交通規制で、単に道を開けるよう促されただけであった。運転はマネージャーが担当しつつ、メンバーも適宜交代に入り、チーム全体で体力を温存しながら距離を稼ぐ。
そんなこんなで、シャトールーの宿に到着。明日の移動とライブに備え、早めの就寝。


執筆:川﨑昭(Dr. / Leader)
撮影:新留大介(Key)、川﨑昭、金谷佳弘
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