リアクション ザ ブッタ Tour2018~Mini Album『Single Focus』 Release Tour~ ワンマン公演直前インタビュー

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10月17日にEggsレーベルより発売したミニアルバム『Single Focus』を携えて行ったライブ・ツアーが、12月1日の札幌公演で終了したリアクション ザ ブッタ。2019年の幕開けは、キャリア初のduo MUSIC EXCHANGEでの単独公演を含む東名阪ワンマン・ツアーだ。Eggsでは、対バンツアーが終わったばかりの3人にインタビューを敢行。自身初の規模感で行われる年明けのライブへの意気込みをたっぷりと語ってもらった。

ライブ力と歌モノを丁寧に届けること、そのバランスがなんとなく見えたツアーでした

——まずは、先日終了した〈Single Focus〉ツアーの感想から聞かせてください。

佐々木「自分たち主催で11本のツアーを組むっていうのは、いままでにない規模感だったんですが、いろんなバンドと対バンをして改めて感じたのは、リアクション ザ ブッタは、他のバンドから結構愛されているんだなと(笑)。主催のライブだから、僕らやこのライブに対しての思いとか、MCで言ってくれたりするじゃないですか。そこから愛を感じたというか。古くから付き合いのあるバンドもいれば、最近知り合ったバンドもいるので、僕らの出会いの総決算のような対バンツアーになったんじゃないかと思います」

木田「今回のツアーは、初日が台風で延期になり……。これは自分たち主催のライブでは初めての経験だったので、まさか初日からそんなハプニングに見舞われるなんて、っていう。ヤバいんじゃないのかっていう不吉な予感もしつつスタートして、何本もライブを重ねていくうちに、その不安は無くなって、充実したものになりました。あと、年によって〈ライブバンドに見られたい、ライブ力をつけたい〉っていう時もあれば、〈歌モノなんだから、丁寧に届けたい〉っていう時もあるんですが、うちのバンドは成立しないなっていうのがあって、そのバランスが最後の方ではなんとなく見つかったというか。対バンで刺激を受けながら、ワンマンの前にそこがわかってよかったです」

大野「さっき2人が話してたようなことではあるんですけど、自分たちの関係値でツアーを組めて、行けば仲のいい人ばっかりで、めちゃめちゃ楽しくツアーを回れました。ライブ感と丁寧さみたいなところのバランスに関しては、3人で話し合って決めたことを、トライ&エラーで繰り返しながら、その時々で変えていくしかないんだなというか。深刻な感じではなく(笑)、フランクにやっていければいいんだなって。演奏に関して決めるのは結局僕ら3人だと思うので。こうじゃなきゃいけないっていうこだわりみたいな部分は、なくなりましたね」

——バランスが見えた話にも繋がりますが、ここ最近のライブを見させていただいたときに、持ち時間が少し長い日でも、体感的にすごく短く感じることが多かったんですよね。具体的に自分たちのなかで何か変化を感じたタイミングはありましたか?

佐々木「僕的には、ツアーの中盤にあった千葉LOOK公演から、意識が少し変わったというか。あのライブはお客さんの熱量も高かったし、箱がそうさせるみたいな部分もあるんですけど、思いっきり行けたんですよね。周りの人の反応もよかったというか。くらいついていくような、挑んでいくようなライブになっていったなって思ってて。そういう予定調和じゃない感じだと、見に来てくれているお客さんも、その日だからこそ感じられることがあったり、何度見に来ても飽きないんじゃないかなと。そういう意味で、よりライブはその日のものとしてやっていく、という意識になりました。そこからは、場の雰囲気に左右されずにいけたし、自分たちの空気で一気に包んじゃう、みたいなライブ運びになったと思ってます。ただ、ちょっと例えが難しいんですけど、無意識のうちに気持ちが勢いで前に出てる時は、人とぶつかったりとか、ドラムにつまずいたりとか、ちょっとしたハプニングが起きがち。この間も広島でベースの音が出なくなって(笑)」

——(笑)。

佐々木「でもお客さんってそういう本気度も見てくれているんだと思うんですよ。やっぱりステージでしか得られないような思い切りがある人を見たんじゃいかなっていう。自分が他のアーティストに対する見方がそうなんですよね。ステージに立ってるところを見て、〈この人普段ちゃんと生きてるのかな?〉っていう人とは異なる狂気じみたものを出してる人をいいなって思ったり」

——確かに、アーティストはステージ上が一番カッコよくあるのが理想だと思うし、そういった狂気もまた個性で、熱量や勢い含めてのパフォーマンスが好き、みたいなところはありますよね。

佐々木「とはいえ、身を置く環境によって、冷静でいざるをえなくなると思うんですよ。例えばイヤモニを使うようになるとか。イヤモニって聞こえ方が繊細だから。でも、どんな状況であっても、無意識のうちに出る熱量や本気みたいなものは、忘れずにいたい。大きな会場のステージ上だと、意外に冷静にやってるっていう人も多いと思うんですけど、一方でそうじゃない瞬間もずっと持ち続けているはずだし、どっちもなきゃいけないんだなって思ってますね」

バンドが常にフレッシュな状態を保ちつつ、トライ&エラーを繰り返しながら、一瞬一瞬に力を注ぎ続けることが大事だなって

——なるほど。いろんな感情を抱いた対バンツアーを経て、2019年は東名阪でのワンマン・ツアーになるわけですが、意外にも、名古屋と大阪でのワンマンは初めてなんですよね?

木田「通ってる回数からいけば、ワンマンやってそうなんですけど、このタイミングになるまで、大阪や名古屋でワンマンをやるっていう発想がなかったんです。何故か」

佐々木「発想として当時はなかったとしても、次のステップとしての第一歩がこの東名阪のワンマン・ツアーなんだなって思ってます。バンドとしても一つ頑張りたいところだし、今回のツアーで改めて気づいたこともあったので、半年とか1年ぶりにライブを見るっていう人は、印象も違うと思ってて。そういう部分も見せられたらいいなって思います。普段見てくれてる人にとっても、ワンマンって特別な形だと思うので、自分たちが変わったところを届けたいというか」

——先ほどもチラッとお話が出ていましたが、前回の『After drama』のワンマンから今回のワンマンまで約1年のなかで、3人それぞれの中で、具体的な心境の変化はあったんでしょうか?

佐々木「まだまだライブにしてもセールスにしても一筋縄でいかないないことがたくさんあるなと思ってるんですが、それが変わっていくとすると、まずバンドが常にフレッシュな状態を保ちつつ、トライ&エラーを繰り返しながら、一瞬一瞬に力を注ぎ続けることが大事だなって。少しずつでも前に進みながら、チャンスが訪れた時に、準備が万端な状態で居られるよう仕上げていく、という時期なのかなと思ってて。そこは虎視眈々と腐らずに積み重ねていくというか。いまライブに来てくれているお客さんに飽きられてしまうことは、もちろんバンドとしてフレッシュな状態ではないので良くないし、そこは意識的にフレッシュでいられるように、続けていくことで向上していくのかなと」

大野「なんだろう…。歳をとっただけかもしれないですけど(笑)、どんどんいい意味で力が抜けてきましたね。力が入る時も、頑張んなきゃ!って意気込んで挑むような力の入り方じゃなくて、楽しい~!っていう状態です。ちょっと話が変わっちゃうかもしれないですけど、最近、ブレイクする瞬間ってどんな時なのかな?って考えたことがあって。表現する側とお客さんが互いに〈楽しい〉と思えることが合致した時が、売れる瞬間なのかなって。そういう部分を意図して曲を作ったりすることも大事なんですけど、でもいろんな人がいて、いろんな考え方や感覚があるから、その瞬間を待つしかないし、俺らは俺らで〈楽しいでしょ?〉って思いながらやるしかないなって思うようになって、そこからはリラックスして〈楽しいぜ!〉って思うようになりました」

——それは具体的にいつぐらいから思うようになったんですか?

大野「今回のツアーからですかね。(悲しい曲を)聴いててお客さんが悲しい気持ちになることもあると思うんですけど、僕らの出番が終わる頃には楽しかったっていう気持ちで終わるべきかなって。基本的には。だから、感情をバッと出して、楽しかったにつながればいいのかなと。肩肘張らずに楽しくやろうぜっていう感じに変わりましたね」

木田「僕はほんのちょっとなんですけど、メンバーのことをもっとみようと思いましたね。今回のツアーの途中から、この曲ではこんな癖があるとか、どう考えてこの発言が出てきたんだろうっていう、根本の部分をもっと考えられたらなって思って。例えば、バンドとして正解だけを追い求めて、そこに向かう話だけしてても、根本の部分が違ったら、一見正解の方には向くけど、足並みが揃わないというか。何をもって正解だと思うことに向かっているのかを、もっとちゃんと見て考えないと、気持ち的なことも含めて、同じ方向に向かえないんじゃないかなと思ったんです。2019年は、東名阪ワンマンもあるので、日常からもっと2人をみようって思ったツアーでした」

——改めてメンバーのことを知ろうと思うのは、結構大きな変化なんじゃないかと思うんですが……。

木田「なんか足並みが揃ってる感じがしないなって思ったのは、前回のワンマンが終わってしばらくして、ライブも重ねていっている間で。今回のツアーが始まってからも、なんとなく3人が同じ方向を向いてるっていう実感はあったんですけど、楽しくライブができたとして、その楽しいも3人それぞれ異なる楽しいがあるし、っていう。そこを合わせるというよりは、誰が何を思って楽しいと感じるのかを知っておかないと、結果いいライブもできないんじゃないかって。それをツアー中に改めて考えて。これまでも、なんとなくで出来ちゃってたんですよ。お互いが嫌がることもなんとなく理解してるし、触れたくないところもわかってるから、そこに踏み込まなければそのまま進めちゃう。それはいいことも悪いことでもあって……。何を考えているのかしっかり理解しようって。特に俺自身が視界が狭くなりがちというか(笑)」

——なるほど(笑)

木田「一人の殻にこもりやすい性格なのもあって(笑)。意固地になっちゃうこともあるんですよ。いま俺が2人のことを理解しようとしているように、2人が俺のことを理解してくれようとした時に、俺が殻にこもったままだと、〈何考えてるかわからないな、木田〉ってなっちゃうし。そこを取っ払えるようにならないといけないと思って、ツアー中に意識的に変えようと考えていました。やってることが具体的にガラッと変わったわけではないし、まだまだ途中なんですけど」

——そんな木田さんが、2人のことで新たに気がついたことはあったんでしょうか?

木田「コージローは、意外と努力してる(笑)」

大野「(爆笑)」

木田「考えてないようで、考えてる(笑)」

大野「努力っていうのはね、見せちゃダメなんですよ(笑)。見せないで努力するのがかっこいいんですよ」

木田「って言って茶化すんですよ(笑)」

佐々木「でも、お客さんから見たら、意外な感じでもないかもしれないよね。ドラムを叩いている時のコージローってずっと真顔だから」

大野「でも真顔のときが一番ただただ楽しんでるんだよ。写真とか見てても、ドラムは叩いているものが曲のパートによって違うから、自分で見てもどの曲のどこかってすぐわかるのよ。だから、楽しんでる瞬間とかも自分でわかってて、写真を見て、こういう顔してるんだ〜って。楽しい感じが表情では伝えきれていないのが残念だよね(笑)」

木田「楽しいイコール笑顔とは限らないからね。タワーレコードアリオ川口店に飾ってもらっている写真のセレクトは俺がしてるんですけど、本当に見て欲しいコージローの姿はあれなんですよ。笑って叩いている時よりは、真顔のとき。あれが一番集中してる」

——佐々木さんに関してはいかがですか?

木田「佐々木に関しては……そんなにないですね(笑)。小学校4年?5年?……いつだっけ」

佐々木「5。いっつも忘れるんですよ、5だって言ってるのに(笑)」

木田「そのころから同じ部活で。だから、佐々木に関してはそんなにないですね」

佐々木「なんか悲しいなぁ(笑)。(もし木田が自分の新たな面を見つけるとしたら)違った環境になったときじゃないですかね。結婚するとか。子供にこんな顔するんだ~とか(笑)」

木田「意外に親バカだったり。いや、意外じゃないな(笑)」

DUOは広いから、お客さんが俺らとの距離を近く感じてくれるようなライブができたらいいなと

——さて、年明けからはいよいよ東名阪ツアーが始まりますが、実際にライブの中でやるかどうかは別として、どんなライブにしたいですか?

佐々木「演出みたいなところはシンプルで、メリハリのあるライブができたら。お客さんがフッと力を抜いて笑ってくれるような瞬間も欲しいけど、勢いがあってあっという間だったなっていうライブになればいいなと」

木田「アコースティックやりたいですね、2曲ぐらい。アコースティックコーナーです!っていう感じじゃなくて、流れでアコースティックにいって、演奏し終わったら暗転してセットチェンジしてる間にバッと照明ついてドラムソロはじまって、そこでお客さんが盛り上がってる間に俺と佐々木が戻って曲がはじまる、みたいな」

大野「僕は……。やりたいことっていうか、楽しんでいるところを見てもらえたらと思います(笑)」

——(笑)。先ほど、名古屋大阪は初めてのワンマンという話も出ましたが、初めてでいうとDUOというこれまでとはまた違った雰囲気のライブハウスでワンマンを行うことも、一つの挑戦ですよね。

佐々木「DUOは天井も高いし広いから、お客さんが俺らとの距離を近く感じてくれるようなライブができたらいいなって思ってます。物理的な距離を冷静に感じてしまうととても現実的な感じになってしまう気がして。より密着感のある狭めの箱でのライブって、ちょっと現実から切り離された、非現実空間みたいな感じがありますよね。それをDUOで表現できたらと。そこが難しいところではあるんですけど。物理的に距離が生まれてしまうような大箱でのライブをやられている方って、そのあたりをすごく意識していると思うんですよね」

——だから、これまでの対バンツアーや、出演してきたイベントもそうだけど、大阪、名古屋のワンマンと東京のワンマンだと、また違った見方ができるかもしれないですよね。箱の規模も違うし。

佐々木「全然違うと思いますね」

——実際、この夏にいろんなフェスに出たり、作品を出して、ツアーを回って、リアクション ザ ブッタをこのタイミングで知った人もたくさんいるだろうし、一方で昔ライブに通ってたけど今は少し足が遠のいてるっていう人もいるかもしれない。ワンマンはフェスや対バンとは曲数も箱の感じも違うし、いままでライブを見たことのない人はもちろん、これまでにブッタを見たことがある人も、ぜひ見ていただきたいですよね。

佐々木「そうですね、ぜひ来てください!」

大野「お待ちしております!」

リアクション ザ ブッタ Tour2018~Mini Album『Single Focus』 Release Tour~ 

■2019年1月19日(土) 愛知・名古屋ell. SIZE
17:30開場 / 18:00開演 | お問い合わせ:サンデーフォークプロモーション 052-320-9100 (毎日10:00-18:00)
■2019年1月20日(日) 大阪・2nd LINE
17:30開場 / 18:00開演 | お問い合わせ:キョードーインフォメーション 0570-200-888 (毎日10:00~18:00)
■2019年2月11日(月・祝) 東京・shibuya duo music exchange (ツアーファイナル!!)
17:30開場 / 18:00開演 | お問い合わせ:キョードー東京 0570-550-799 (平日11:00-18:00 / 土日祝10:00-18:00)

●チケット料金:前売スタンディング¥3,240円(税込) 整理番号付・入場時別途ドリンク代
●年齢制限:未就学児入場不可
●チケット一般発売開始!詳しくはURLをチェック↓
CNプレイガイド http://www.cnplayguide.com/rtb_cn/
Yahoo!チケット http://r.y-tickets.jp/rtb180
イープラス http://eplus.jp/rtb18/
チケットぴあ http://w.pia.jp/t/rtb-tour/
ローソンチケットhttps://l-tike.com/rtb/
●受付期間:2018年12月22日(土)10:00~

links

profile

リアクション ザ ブッタ
2007年 Vocal佐々木直人と、Guitar木田健太郎を中心にバンドを結成、2016年にDrum大野宏二朗が正式メンバーとして加入し、現在のメンバーに。
これまでに数々のオーディションで優勝を果たし〈ROCK IN JAPAN FES.〉や〈COUNTDOWN JAPAN〉、〈ap bank fes〉をはじめ、SKY-HIのライブツアー青森会場でのオープニング・アクト、〈MORNING RIVER SUMMIT 2016〉、Silent Siren主催「サイサイフェス 2016」、〈イナズマロック フェス〉(無料エリア風神ステージ)や、見放題、NIGATA RAINBOW ROCKなど様々なフェス、イベントに出演。
CDは、自主制作盤含めて、過去4枚のミニ・アルバムをリリース、最新作『After drama』を題材とした同名のMVは、20周年を迎える米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア( SSFF & ASIA) 2 0 1 8 」の「ミュージックビデオ部門」に入選、ノミネート作品に選ばれ大きな話題に。

release

mini album

Single Focus

リアクション ザ ブッタ
  1. 1. 火花
  2. 2. Tightrope Dancing
  3. 3. You
  4. 4. 抱きしめて欲しい
  5. 5. そんなんじゃなくて
  6. 6. ほんの少し先の未来まで
2018.10.17 RELEASE / ¥1,574 (Tax in) / EGGS-035

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