3月18日に幕張メッセ国際展示場で開催される「ビクターロック祭り2017」。その出演をかけた「ワン!チャン!!~ビクターロック祭り2017への挑戦~」のライブ審査(二次審査)が東京・大阪の二会場にて行われた。
Text:蜂須賀ちなみ
Photo:鈴木友莉(東京会場)、Saiga-nagi(大阪会場)
各日の冒頭にゲストアクトとして登場したのは、昨年準グランプリに輝いたAUSTINES(ex.kiki)。一際頼もしくなったサウンドで以ってこの1年での成長を見せてくれた。
トップバッターは、メンバー全員2000年生まれのKARMA。地元・北海道との気候の差が原因でゆづき(Vo)は本調子ではなかったが、とはいえ芯のある演奏とフックの効いたアレンジで存在感を残す。
昨年3月に結成されたばかりのユレニワは、引き算のアンサンブルで魅せた「Hello Glow」、スウィングするリズムが心地良い「PLAY」という好対照な2曲を披露した。
ももす(Vo/Gt)のふわふわしたハイトーンと不思議なワードを繰り返す楽曲が耳に残るメランコリック写楽が、普段と同様にフロアと積極的にコミュニケーションをとりながらライブを進める一方、ナツメグバンドは「今日はオーディションだけど敵は自分自身だと思ってます」と宣言。青春感溢れる3ピースサウンドを脇目も振らずに走らせながら、聴く者の胸を昂らせていく。
5組目にはリナリン(Vo)とことちゃん(Vo/Gt)によるフォークデュオ・earthが登場。温かい空気が流れるが、ナチュラルに変拍子を織りまぜる「Earth day」など曲構成も巧さも光る。
そして、行間のあるダンスビートで絶妙なうねりを起こしながら、オーディエンスをじわじわと昂揚させていった群馬発の4ピースバンド・fish in water projectから後半戦へ。
時には激しく、時には繊細に、陰影をも逃さない微細なタッチで心象風景を描くafloat storageは、4人が静かに音を重ねるオープニングから場内の空気を鮮やかに塗り替えた。
酒も呑めない、タバコも吸えない若者の叫びとして鳴らしたkoboreは「賞を獲るバンドがすごいんじゃない。ひたむきにライブをやってるバンドがカッコいいと思う」という言葉通りの熱演。
「ここにいる人に歌いに来ました」と宣言したSentimental boysは、哀愁滲む上原 浩樹(Vo/Gt)の歌を中心とした底の知れないバンドサウンドで空気を塗りつぶす様子が圧巻。
そして宮城・石巻出身のロックバンドとしての誇りとプライドを掲げながら、怒りも喜びも喪失も希望も鳴らしきったRadicalismによる全身全霊のアクトで以って東京編は締め括られたのだった。
この日初めてバンド編成でライブに臨んだというシンガーソングライター・北原ゆかが「誰かにとっての光のような存在になりたい」という言葉通りに溌剌とした歌声を響かせ、大阪編スタート。
続くBlume popoは、ずっしりとした重みのあるバンドサウンドを背負いながら、紅一点の野村 美公(Vo)が腹の底から引っ張り出すようにその声を轟かせる様子が凄まじい。
現在高校2年生だというBye-Bye-Handの方程式は、「マタアシタ」「滴り」と曲調が大幅に異なる2曲を披露したが、SNS世代のリアルな声をそのまま叫んでいる点は共通している。
圧倒的に開けたダンスミュージックを届けたSHIMMERは洋楽のエッセンスも積極的に取り入れているが、例えばコーラスの飾らない感じなど人肌の体温を感じさせる要素も多く、対して、ヒップホップ/ R&Bアーティスト・SILYUSは、「孤独」をキーワードにしながら歌と言葉を届ける。彼からのメッセージを正面から受け取るべく、フロアの空気も終始張り詰めていた。
登場するや否や楽曲に託した思いの丈をまず語り、それ以降は逆に、聴き手をまるごと受け入れるかのようにしなやかで柔らかい演奏を重ねていったのが、広島発のゆるふわリムーブ。
何だか高級感のある鈴木 望世(Vo/Gt)の佇まいが目をひく名古屋発・ペンギンラッシュは、ファンクやジャズからの影響を色濃く感じさせるアンサンブルで華やかかつ艶やかに魅せた。
「結成1周年で幕張メッセ」という快挙を目指すアイビーカラーは、ヴォーカル以外のすべての楽器にも歌心があるため、それぞれのフレーズが有機的に絡み合い、起承転結を描いていく光景が堪らない。
そして、野心で以ってその目をキラキラと輝かせるフロントマン・KAZKI(Vo)を筆頭に、激情のサウンドを搔き鳴らしたNINYOACTのステージを終えたところでついにラストアクトへ。
2009年結成、この日の出演者の中で一番歴史の深いバンドであるSLOWLY BUT SURELYは、今抱く全感情を溢れさせるような、そうしてこれまでの道のりを強く肯定していくような、渾身の演奏を見せてくれたのだった。
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