青春が過ぎてゆく
- 1. グッドバイ
- 2. 二人の顛末
- 3. 春の海で
- 4. はっぴいな日々
- 5. 青春が過ぎてゆく
2017.04.05 RELEASE
¥1,500 (Tax out) / EGGS-020
4月17日(月)、Shibuya eggmanにて開催された「Live incubeat 12」。計5組のアーティストが出演した中で、今回はEggsでも人気を誇る“Sentimental boys”のステージをレポート!
渋谷区のコミュニティFM『渋谷のラジオ』にて放送している番組「渋谷軽音部 incubeat」。タワーレコード渋谷店の長谷川店長と、Shibuya eggmanの鞘師店長がパーソナリティを担当し、独自の感覚で選んだアーティストや楽曲を紹介している。そして、ラジオと連動して行っているイベントがこのLive incubeat。ロックを中心に、次世代を担う若手アーティストが毎月選出されていて、Eggsアーティストも過去に多数出演している。ブレイクが期待されるアーティストをどこよりも早く見られる、音楽好きには持ってこいのイベントだ。
今回、12回目となるLive incubeatに出演したのは、先日ミニアルバムをリリースしたばかりのSentimental boys。開始早々真っ赤なライトに照らされ、ゆったりと演奏を始める彼らは“勢いのある若手”というよりも、“ベテランアーティスト”のような雰囲気。当日、会場に訪れていた観客も、堂々とした彼らを前に「これから何が始まるのか」といった様子だった。
そして、1曲目の『メトロ』が始まると、徐々に照明が明るくなり「メトロは今宵も沈んだ空を オレンジの光で照らして」という歌詞とリンクするかのように、真っ赤なライトは夕日のようなオレンジ色に変わっていった。そこに、上原(Vo./Gt.)の深みのある声が重なり、彼らの持ち味である“懐かしさ”や“哀愁”を、漂わせていた。
そのまま彼らの代表曲『グッドバイ』へ。風が抜けるようなさわやかな演奏に観客もリズムを取り始め、サビに入ると、どこまでも伸びていきそうな上原の声がライブハウス全体を包み込む。ロックバンド=激しいステージというイメージがいまだ強いかもしれないが、Sentimental boysは、“聴かせるロック”なのだ。
それを証明するかのように3曲目『はっぴいな日々』の陽気な曲調でも、観客は単にリズムを取るのではなく、彼らの音に耳を傾けている。メンバー自身もまた、観客を必要以上に煽ることなく、ただ自分たちのステージに集中し淡々と演奏を続ける。最後は、アルバムのタイトルにもなっている『青春が過ぎてゆく』で彼らのステージを締めくくった。
Sentimental boysは、「歌が上手い」「演奏が上手い」だけではない魅力がある不思議なバンドだ。最初から最後まで、自分達のやるべきことに徹し、途中メンバー同士で顔を見合わせて、音を確認するようなことは一切なかった。自分の好きなようにリズムを刻み、いい意味で勝手に音を楽しんでいる。その分散された個性が、彼らのグルーブ感としてステージに表れていた。それが、先ほども言ったように“ベテランアーティスト”の雰囲気を漂わせている要因なのかもしれない。きっと、彼らが大きなステージに立つ日も近いだろう。
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