Text:FOLKS 岩井郁人
みなさん、こんにちは。FOLKSのボーカル/コンポーザー/プロデューサーの岩井郁人(イワイフミト)です。
さて、始まりました!連載コラム「CO-LABO’」。コラボレーションとラボラトリーをかけて『コラボ』です。ゆかりのあるミュージシャンを始め、ファッション、アート、アニメ、映画、旅、学問、文学などジャンルを問わず様々な「人」や「コト」とコラボレーションして、僕を通してみんなに色々な情報や体験をシェアしていく。
前回は、エレクトロニクスとオーガニクスの融合や、米・仏、大物同士のコラボ。職種としてプロデューサー、エンジニアなど、お互いの強みを組み合わせた形態として、音楽の世界のコラボで強みを活かしている例を僕なりに掘り下げてみました。
今回のコラボテーマは「強み」の後編ということで、「ストレングスファインダー」を元に話そうと思います。
皆さんは、「ストレングスファインダー」を知ってるかな?
ストレングスファインダーとは、アメリカのギャラップ社が「人は自分の弱みを改善するよりも、自分の強みに意識を向けそれを活かすことで最大の魅力を発揮する」という考え方に基づき開発したツールのこと。ストレングスファインダーによると、人の才能分野=資質は34種類に分けられると発表されていて、心理テストのように、177個の質問に選択制で答えていくことで、自分の強みを知ることができます。
診断結果で現れるのは34種類の中から、最も強く現れている5つの資質。ただし、この上位5つの資質は「自分の傾向」。いわゆる自分固有の思考や行動パターンであって、“強み”そのものではありません。しかし自分にとって当たり前の傾向を、日々の活動や人間関係の中で意識して活かしていくことで、誰にも真似できないたったひとつの“強み”になります。
つまりストレングスファインダーは、“強み”の源泉である自分の“才能”を発見するツールなんです。実際にストレングスファインダーをやるには、Webでコードを購入する方法と、書籍に一回限り使用できるコードが付いていて、Web上で診断テストを受けることができます。
今回、同じような診断ツールとして、リクルートが開発したグッドポイント診断というツールがあったので、僕もやってみました!
結果は「継続性」「独創性」「感受性」「慎重性」でした。
改めて自分を振り返って、なるほどなぁって思うことがたくさんあるんだけど、今回はさらにCO-LABO’的視点で、これらについて僕が思い浮かぶアーティストや曲を紹介することで、その強みの特徴を掘り下げてみよう。
まず「継続力」で思い浮かぶアーティストは、フランスのハウス/ディスコ/エレクトロ・デュオである“Daft Punk”。Daft Punkといえば、前回のコラムで紹介したThe Weekndともコラボレーションしていたね。
何度も大好きだと言っているフランスのベルサイユ出身のPhoenix(新作も必聴)とも、昔一緒にバンドを組んでいたことでも有名。何故Daft Punk?というと、答えはボコーダーにある。ちなみにボコーダーとは、ボーカルのリズムや旋律に反応させて鳴らすシンセのことを言って「ヴォイス」(voice)と「コーダー」( coder)を合わせた言葉。
ボコーダーがポピュラーミュージックに使われはじめたのは1970年代で、Daft Punkはデビュー当時から今までずっとボコーダーを使い続けている。そのためどんなアーティストとコラボしてもボコーダーが出てきた瞬間「あ、Daft Punkっぽい」って感じるんだよね。 そんな彼らのボコーダー全開の代表曲はこちら。
【Daft Punk - Around The World】
まさに「継続は力なり」。続けたからこそ、彼らにとっての最強の強みになっている。僕の憧れでもある。
「独創性」といえば、アイスランドが誇る神格的なバンド“Sigur Ros”(シガーロス)のボーカルのソロプロジェクトである“Jonsi”(ヨンシー)。2010年にリリースされたヨンシーのソロアルバムである「Go」の中の「Boy Lillikoi 」を聴いた時は“ジャンル分けできないほど新しく、かつポップ”で、本当に衝撃を受けた。
セオリー通りのビートを刻まずに、まるでたくさんの動物たちが目の前を猛スピードで駆け抜けたかの様なドラミング。人間の声とは思えないピッコロのような(ナメック星人のほうじゃないですよ。笛のほうです。笑)切り貼りされたヨンシーのファルセットボイス。 湖に太陽の光をポーリング(ジャクソンポロックという抽象表現主義の代表的な画家の表現方法)された様な不規則なチェレスタ(もしくはトイピアノ)。他にもLとRからどんどん飛び出してくる聴いたことない音に衝撃を受けっぱなしだった。
【Jónsi - Boy Lilikoi (Full Studio Version)】
共感するメロディって“どこかで聴いたことあるようで、実は聴いたことないメロディ”だと思っていて、ヨンシーのメロディも聴いたことないのに「美しい!」って思える。まるで圧倒的な絶景を目の当たりにしたような感覚になるんだよね。人間の遺伝子にある原始の記憶に語りかけてくるような感覚(笑)。そのヨンシーだけど、なんと今年の7月に、“Sigur Ros”として来日公演が決定!行きたい!
さて、次に「感受性」と言って思い浮かぶのは、アメリカ合衆国シカゴ出身の“Kanye West”(カニエウエスト)。外界の刺激を受け入れる能力って、コラボレーション力とも取れると思う。ヒップホップって他アーティストとフューチャリングすることって多いよね。最近はEDMやポップスの世界でも流行っている手法だけど(Calvin Harrisの新作は要チェック!)、カニエは、数多く、しかも幅広くフューチャリングしてきた先駆けだと思う。ポールマッカートニー、ダフトパンク、リアーナ、Coldplayのクリス・マーティン、Jay-Z、アリシア・キーズ、T-Pain、アダム・レヴィーン、ボン・イヴェールなどなど、数えればキリがないほどビッグネームとのコラボを実現している。
僕の中のカニエといえば、この曲。
【Kanye West - All Of The Lights ft. Rihanna, Kid Cudi】
最近は様々な自己診断ツールが出ているので。みなさんも、自分なりの“強み”と“弱さ”の関係を探して見るといいかもしれません。
それでは、また会いましょう。
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