願い
- 1. 願い
- 2. 音色
- 3. 記憶
- 4. last word
- 5. 大切なあなたへ
販売価格:1,500円(+税)
品番:EGGS-032
Interview&Text:蜂須賀ちなみ
ビッグチャンスを次々と物にし、着実に知名度を上げているシンガーソングライター、琴音。そんな彼女が7月11日、ミニアルバム『願い』をリリースする。一度聴いたら忘れられない透明感のある歌声、そして現役高校生らしいあどけなさと歳不相応の人生観が共存する歌詞によって紡がれる音楽は、このCDリリースを機に、多くの人の胸を打つことになるだろう。
中学生の頃からオリジナル曲の制作を始めたという彼女は、現在16歳だという。いったいどのような人物なのだろうか? 話を訊いてきた。
――なるほど。だから「記憶」には<でも今ならきっと違う形で/「僕」という価値を見出せるだろう>というフレーズがあるんですね。以前インタビューさせていただいた時、高校入学時に人見知りを克服しようとしたと仰っていたじゃないですか。それによって琴音さん自身もまた変わることができたんじゃないかなと、今のお話を聞きながら思ったんですけど、その辺りはいかがですか?
そうですね……。何か、自分の体質なのか分からないですけど、結構個性的な人たちが集まってくるんですよ。
――例えばどんな人がいますか?
例えば、うーん………ものすっごいふざけTシャツを着てきたりとか。
――ふざけTシャツ?
ナポレオンの写真の下に“ベートーベン”って書いてあるんですよ(笑)。でも私はそういう「え、何それ~」みたいなことを笑いながら言える雰囲気が好きなんですよね。あとは携帯が好きな人とかいますね。
――それは高校生らしいですね。現代っ子というか。
いや、携帯をイジることが好きなんじゃなくて、フォルムが好きみたいで。「ほら、ここの形が良いんだよ」って見せてくれるんですけど、私には全然分からなくって(笑)。あとは、ものすごくイヤホンオタクな人とか、めっちゃ女々しい男の子とか、個性的な俳優さんのことが好きな人とか、お猿さんがとにかく大好きな人とか……。高1の頃に仲良くしていたのはそういうふうに個性があって、自分をしっかり持ってる人たちで。その頃が今までで一番友達がいたような気がしますし、そういう人たちと話しながら「面白いな、この人たち」って思うのがすごく楽しかったんです。すごく幸せだったなあ……。
――そんな人たちに囲まれて、琴音さんはどのように過ごしていたんですか?
自分、人に合わせるのがとにかく苦手で。ちゃんとした女の子はグループで行動しているというか、友達に合わせて数人で移動するじゃないですか。でも自分は時と場合によってはそういうのは嫌だなって思っちゃって。
――分かります。私もそうでしたもん。
面倒くさいですよね(笑)。だから嫌になると結構すぐにどっか行っちゃったりするんですけど、一方で、ふとした時に「あ~、やっぱり寂しいな」って思うことがあるんですね。で、さっき話したような個性的な子たちって他の個性も受け入れられるから、自分みたいに気ままに動いている人のことも柔軟に受け入れてくれるんですよ。それが何というか、「いつでもおいで」って言ってくれているような感じがあって。
――「私はこれでいいんだな」と思うことができたと。
そうですね、自由でいいんだなって。周りに合わせたりすることなく、「自分ってこういう感じなんだな」「でもそれを受け入れてくれる人もいるんだな」って自信を持てたこと、そうやって“自分”ができていったことがすごく良かったのかなと思います。
――4曲目の「last word」に出てくる<君>は、まさにそうやって相手のことを受け入れることのできる性格の人ですよね。で、この曲だけは伴奏がギターのみの静かな感じで。
「願い」みたいに華やかなものもあるから、落ち着いた、アットホームな形でやる曲もあるとまた面白いのかなと思って。
――素敵な仕上がりになっていると思います。そしてラストが「大切なあなたへ」。この曲、終盤で転調しますけど、Eggsにアップされているライブ音源ではそれはなかったですよね。これは新しく加えた要素ですか?
いや、実は最初はあったんですよ。元々転調する形で作ってたんですけど、これまではギターと声だけだったので、転調している間を繋ぐ他の楽器がなくって。それで初期の頃のライブでは、唄いながら「転調しま~す」って言ってから最後のサビに入ってたんですよ(笑)。
――斬新ですね(笑)。
でも、最初のうちはお客さんたちも面白がって受け入れてくれてたんですけど、それがお決まりになってくると、「…………」みたいな感じになってきて(苦笑)。それでやめることにしたんですけど、本当は転調したいなっていうふうに思っていたので、こうして音源になるタイミングで元の形のまま作っていただいたような感じですね。
――この曲が最後に収録されているのがまた良くって。初めの方に“子ども”と“大人”、“夢”と“現実”の話をしましたけど、私はこの5曲を聴いて、あなたの音楽は、“子ども”や“夢”に象徴されるような“純粋さ”や“素のまま”の感情を大切にしたいっていう気持ちから生まれた表現なんじゃないかと思ったんですよ。だからこの「大切なあなたへ」が琴音さんの最初に書いた曲であることも、そしてこんなにも素直な曲で以ってデビュー作が締め括られていることも、象徴的だなあと思いまして。
最初の1曲って「前もこんなふうなメロディだったような……」みたいなのがまず無いから、自分の中ではまっさらなんですよ、何もかも。どんな曲でも作ることができたからこそ、ありのまま、思ったことを素直に書いてみようという気持ちになれたというか。そうやってピュアな部分、素の部分を出すことができたからこそ、それ以降のどんな曲でも、自分の思ったことをそのまま書くことができたんだと思います。
――つまり音楽は、琴音さんの素のままを出すことができる場所のひとつで。先ほどの話と照らし合わせると、個性的な友達と一緒にいる時間が心地よいのは、そこもまた、自分の素のままを受け入れてくれる場所だからなんでしょうね。
はい。そうですね。
――もしかしたら、自分もそういう人になりたいって思ってるんじゃないですか? 誰かの素のままを受け入れられるような、懐の大きな人に。
うーん、どうなんですかね? でも、人に迷惑をかけたり傷付けたりしない程度に、自分の世界がある人って魅力的だよなとは思ってて。自分もそうやって、周りに染まらずに個性を持って、それによっていろいろな人に振り向いてもらえるようになれればいいのかなって思います。
――分かりました。このデビューを機に、一緒に仕事をするようになる人の数も増えるだろうし、お客さんの数もきっと増えていくと思います。それによって自分以外の誰かに憧れ、それを通して成長していく琴音さんの歌がどう変わっていくのか。私はそこに興味があるんですよね。
でも多分、根本は変わらないと思うんです。周りの状況や形は変わっていくと思うんですけど、やっぱり自分は音楽が好きだし、その時の精一杯を今まで通りやっていくだけだし。上手くいくかどうかはその日によりけりだと思うんですけど、そういうところも飾らずに、自分の中のより良いものをお客様に見ていただくことが大事なのかなと思ってます。
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