前回の下北沢近松の5周年を兼ねたイベントに引き続き、今回は渋谷CRAWLの17周年を兼ねての開催。
フィルフリークのメンバーが熱望していた「男女混合メンバーで活動しているバンド」との4MANでの開催となる今回は、演者はもちろん来場された方々の表情からもスタートが待ちきれない高揚感で開場内は包まれていました。
「WALTZMORE」のステージよりイベントは開幕。
WALTZMOREが1番手での出演という構成に対して、このイベントの贅沢感を感じずにはいられない注目ポイントでも有るだろう。
心地よいタイム感で響くSEの中ステージに上がるメンバーの姿。
サビから始まるスタートの1曲のメロディーと歌声の美しさは、僅か10秒足らずで会場内をWALTZMOREの世界へ包み込んで行った。
2曲目となる「SWAN DIVE」のUPなリズムと爽やかなメロディーで会場内の心音は急上昇。
観客は自然に体を揺らしていた。
この「急上昇」は1曲目で完全に会場内の空気を支配出来ないと産み出せない反応感だ。
そして繊細なリズムとLyricで綴られる「アイの映画」へと続くのだが、この楽曲の幅広さと緩急の作り方、アンサンブル力はバンドとしての実力はもちろんWALTZMOREというブランドに対する自信の現れであろう。
セットリスト全てに魅了される中、ラストの「from 1995」でバンドとしての強さを見せ付けきっていた。
もし音楽に偏差値が有るとしたらWALTZMOREは圧倒的に高い数値を有しているバンドだと僕は思う。
「明くる夜の羊」
ライブスタート前のライトダウンからの静けさの中、彼らのリード曲の1つで有り疾走感の強い「燈した先に」を披露。
WALTZMOREが支配した会場内の空気感から自身のライブへ最速で引き込むとしたらこの曲が1番と僕も思う。それ程にメンバーのこの1曲への信頼感と自信の強さを感じた。
この日のCRAWLでのライブは彼らにとって1年と3ヶ月ぶり。1本1本のライブ、出演会場に対する思いと共に緩さも感じる河野唯のMCでの言葉で観客も一息付かせて貰えている感覚だ。
彼らのライブは各曲が引き込む力が強い為、この空気の作り方も大事なポイントで有る事を彼らは理解している。
MCを終えて披露したのは「リプレイ」。
ここまでUPテンポの楽曲を連発している事でこのライブをどういうセットリストで終えようとしているのかを僕は少し考え初めていた。この流れはじっくりと歌を届ける楽曲で引き込み切るのかな、、と。
「ステージに立って歌う事、観客がそこに居てくれる事で自身の存在、弱さも肯定して貰えている」「皆にとっての日々の中での弱い気持ちを自分の歌や言葉で強さへと返える1つで居たい」
そんな言葉を届けたラストが「シネマを抜け出して」
彼らのもう1つ疾走感の強いリード曲である。
この楽曲を新たに産み出しているからこそのセットリストだったのだ。
ライブ力はもちろんセットリストとしても強さを増している事を実感させられるライブ。
明くる夜の羊は「更に1ステージ大きな存在のバンドになった事」をこの日のステージで証明した。
そして3番手は「YENMA」がステージに。
YENMAは今回のイベントの主軸でも有るフィルフリークと最も関係値の高いバンドでも有り、今回のイベントへ出演に対する気持ちは誰よりも強いバンドで有ろう。
1曲目にPOPでメロウな「炎天下のサイダー」を披露。
その大サビ前でのブレイクでフィルフリークの代表曲にもなっている「ホワイトストロベリー」をカバー演奏した。
この瞬間にもその想いの強さを感じられる。
2曲目の「Blue Monday」はVo,Gt/池田光とKey,Vo/深澤希実とのツインボーカルが印象的な1曲。
今回の出演バンドのWALTZMORE、YENMA、フィルフリークはバンドの編成がとても近い事で今回の4バンドでのイベントとしてのバランス感の高さが思い返された。
YENMAのステージのレポに戻りますが、Vo,Gt/池田光とKey,Vo/深澤希実の声のバランスが心地良い。
Vo,Gt/池田光の安定した歌唱力にプラスして、Key,Vo/深澤希実の歌は女性Voの中でも綺麗で心地良い響きが印象的だ。
2曲目の「Blue Monday」はその印象を着実に観客に植え付けた様に確信。
その後のMCでも語られるフィルフリークとの繋がりの強さと程よい緩さの有る言葉は今回のイベントの成功へと導く想いが込められていた。
3曲目の「ロン・ロン・ロマンス」でのUPテンポな楽曲よりYENMAは自分たちのライブへと完全に引き込みを懸ける。
YENMAの魅力な何よりもリスナーに対して楽曲を通してポジティブな感情と高揚を届け導く事に特化している。
アレンジや構成もそこに注力している楽曲に仕上がっており、その願いに対して着実にライブで見せ付けられる事こそが彼らの実力が確実な力で有ると思い知らされる。
トリとして登場したのは今回のホストの一角を担う「フィルフリーク」
彼らの願いが叶った対バン陣、彼らと関係値が深くて高い我々主催陣、そしてライブハウス「渋谷CRAWLの周年」を兼ねた1日。
この環境は何よりも彼らがライブで爆発力を放てる事を僕は知っている。
1曲目は彼らの自信のキラーチューン「ホワイトストロベリー」
この楽曲に対しての感想や反応を僕自身も多く目にして来ているのだが、思う事にそこまで差異は無く、リスナーの方々の感受性の高さを実感した事を覚えている。
個人的に感じている事は歌詞のワンフレーズの強さ。サビのメロディーからスタートするこの楽曲の序章はAメロに当たるのだが、その冒頭のAメロから圧倒的なフレーズを綴っている。
この言葉の綴りに感銘を受けない方は邦ロックをもっとたくさん聴いてみて欲しい。
限られた文字数とメロディーラインに当てるフレーズとして、僕はこれ以上は無いとも思う。
そして何よりもこの楽曲の強みは王道でも有る構成、強いサビや言葉の綴りを有した上での楽曲の終え方が秀逸で有る事だ。
この1曲の終え方にフィルフリークというバンドが所謂「売れ線」だけを表現したい訳では無い、アーティストとしての魅力が存分に込められている。
フィルフリークの強みは「メロディーに対する詞の綴りの強さ」そして「ライブバンドとしての爆発力の有る楽曲」このバランスである。
どちらかに特化したバンドは他にも多く存在しているが、この2局を違和感無く有し表現出来るアーティストは多くはない。
それだけに昨今の若手アーティストからの信頼も日を追う毎に高まっているのであろう。
彼らのライブはVo,Gt/広瀬とうきのMCから終盤へと向かう。
1日、1日で彼らの「1人の人間として」の想いや届けたい気持ちは違う。その生の感情を真に伝え届けてから放つ1曲は、その言葉の強さで威力が変わっていく。
この日に届けられた言葉は観客はもちろん、メンバー、対バン、スタッフに対するVo,Gt/広瀬とうきの想いで有った。
フィルフリークというバンドが多くの人間を巻き込んで行けるのは、この言葉が根付き伝わり広がっているからと感じられる。
「フィルフリーク」との共催となった今回のライブハウスの周年をお祝いするイベントも今回で無事閉幕です。
次は9月11日に下北沢ライブハウス4会場で「旬は巡る。」本戦となる1日を迎えます。
今回レポートさせて頂いたアーティストと近い強さを持ったアーティスト、それ以上の能力を秘めているアーティスト、近しい未来に超えて行く可能性を有するアーティストが40組出演致します。
是非、好きなアーティストはもちろん、新たに好きになるアーティストと出会いに来場して下さい。
我々主催陣はその出会いを目指して開催させて頂きます。
それでは、9/11当日にお会い致しましょう。
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