5周年イヤーを迎え、5週連続配信中のosage。1曲1曲に込めた思い。

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Text:飯嶋藍子
Photo:ゆうばひかり


初の女声で表現した“yorunokakera”

——そして1月31日、一連のリリースの最後を飾るのが”yorunokakera”。初めて女性ボーカルを入れた曲ですが、これはどなたが歌ってらっしゃるんですか?

山口:DADARAYでREISとして活動されているNIKIIEさんを特別ゲストというかたちで招きました。女性ボーカルについては前々から入れてみたいと話していて。僕の声が続くと「ちょっと疲れちゃう」ってお客さんがいるかなって(笑)。

田中:いや、それは自信持ってよ(笑)。みんなでレコーディングを見てたので、NIKIIEさん相当歌いづらかったんじゃないかなと思います(笑)。見られてる感が出ないようにドアの隙間からそっと見てたんですけど絶対にバレてました。とにかく、参加してくれてすごく嬉しくて。

山口:嬉しかったよね。やっぱりNIKIIEさんの声すごいなって思いましたし、初めて自分で作った曲を他の誰かが歌っているのを聞いて、もうなんて言うんですかね……ドキドキしました。

——osageのメロディと歌詞が別の人を通して聴こえてくるって、客観的にosageを聴ける貴重な体験ですよね。

山口:そうですね。でも、「やっぱりosageだ」ということを実感しました。この曲は逃げ場所のない逃避行を描いていて、たぶんこの歌に出てくる人は結局明け方には戻ってきて普段の生活に戻るんですけど、ただ、その夜だけはどこにでも行けそうだし、もはやこのままいなくなっても誰も気づかないだろうなっていう、ちょっとした悪巧みと逃避行への願望が主軸になっているんです。夜の特別感、何でもできる感じを浮遊感があるビートや1サビ終わりまでバンドインがない構成に詰め込んでいった結果、歌まで別の人が歌ってしまうという広がりが出ました。

金廣:僕、この曲が今回の5曲のなかでいちばん好きで。夜中に散歩しながら聴いてたりすると、なんか心にくるんです。僕は気分が落ち込んでいることが多いんですけど、そういう時にいちばん染みる曲というか。

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——なんだか急かされているような日常のなかに隙間を作ってくれる曲ですよね。今おっしゃってくださった散歩とか、そういう何もない時間みたいものの有りようがすごく伝わってきます。

山口:まさしくそういう狙いがありました。やっぱりどうしても生きていると不安になっちゃうこととか、マイナスの感情を抱えてしまう時間って、誰しもあると思うんです。不安だからあれやらなきゃ、これやらなきゃって詰め込んでしまうけれど、この曲はもっと人に寄り添う感覚やゆとりを持たせたかった。”ニューロマンス”や”Sonic blue”、”赤に藍”も、詰め込みすぎとは言わないけど、詰め込んだなっていう感覚がすごくあって。だからこそ新しいosageの表現ができたと思っているんですけど、この曲に関しては、時間を忘れて、いい具合に肩の力を抜ける曲なのかなと思っています。

田中:ドラムも普段だったら「俺はこういうのを入れるんだよ!」とか「こうじゃなきゃ!」みたいになって詰め込みがちなんですけど、”yorunokakera”はかなり引き算しました。僕としては、相当いい意味で「一回全部諦めた」みたいな曲なんです。この曲だけは、最初に出てきた最低限のものをそのまま出した感覚というか。そこからあえて「ここはもっとこう入れてもいいかな?」と考えつつ、結局削っていった。その感じも何か時間をゆったりさせる部分に繋がっているのかなと思います。

山口:去年脱退したリードギターの松永がいた時に一緒に作った曲でもあるんですよ。2年前に僕が持っていったデモに松永がいろいろ入れてくれて。それを今回発表するにあたって、彼のフレーズ感をちょっとアレンジして最後に入れたり、当時のエッセンスも加えました。他の曲とちょっと雰囲気が違うのはそれが作用してるのかもしれませんね。

——温めていた期間があって、今回5週連続リリースの最後というタイミングに出すのを決めたのはなぜだったのですか?

山口:うーん……なんだろう。みんなの「この曲出したい!」って気持ちが勝ったって感じですね。何に勝ったのかはわからないけど(笑)。

田中:今回の一連の曲のなかで、ちゃんとバリエーションのひとつになる曲だったのかなと。2年前からあった曲だけど、「いつも通りだね」とか「osageらしいね」じゃなくて「こういうのもできるんだ」って思わせられる曲だったんだと思います。

クサマ:今までのosageだったら、最後もっともっと盛り上げていたと思うんです。でも、そこをあえて抑えた部分を聴いてほしいですね。

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田中:ある意味、いちばん背伸びしてる曲です。大人の真似してる子どもみたいな部分がある曲だと思います。なんか「いや、自分余裕ですけど?」みたいな、ちょっと玄人っぽく見られたい感じというか(笑)。

クサマ:渋さとか味を出したかったっていうのはあるかもしれないね。

新しいosageに出会ってほしい

——1曲1曲の個性をお伺いしてきましたが、あえてこの5曲に共通していることがあるとたら何だと思いますか?

田中:歌がいい(笑)。

クサマ:浅っ!(笑) 「新しいosage」というテーマがしっかりあったのは大きいですね。自分で言うのもなんですが、僕が入ったこともひとつの新しい要素になったと思いますし、バンドとしてもメンバー個人としても今までやってこなかったことをできたと思います。

——最後に、2022年はどういう年にしたいですか?

クサマ:osageに期待したいです。自分自身に対しても、生み出していくものに対しても、希望を捨てたくないと常日頃から思っているので、osageの音楽や進んでいく道に対して貪欲でありたいです。簡単にまとめると「頑張りたい」しかないですね(笑)。

田中:お客さんに「自分のなかで大事なタイミングで聴いたのがosageだった」と言われる回数を増やしたいです。昔は浅くてもいいから広く聴かれたいと思ってたけど、今は広く深く聴かれたい。今回、いい音源ができたのでいっぱい聴いてほしいっていうシンプルな気持ちもありますし、さらにお客さんをワクワクさせるような音源をもっと出せたらいいなって思います。

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金廣:絶対にコロナのせいにしちゃいけないんですけど、2020年、2021年は、ずっと心の奥底に音楽をやっていて不安な気持ちがあって。でも徐々にそういうマイナスな気持ちがなくなってきたので、2022年は純粋にずっと音楽を楽しんでいたいです。

山口:2022年は日本全国のまだ行ったことがないところに行きたいです。そこでosageに出会ってほしい。会いに来てもらうんじゃなくて、僕たちから会いに行くということをたくさんしたいなと思っています。あと、僕も、「大事なタイミングで出会うのがosageであってほしい」という気持ちがあるし、いろんな人たちの生活のなかでosageの音楽が流れる時間が増えていったらいいなと思っています。



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osage
2017年に精力的に活動を開始し、翌2018年に"murffin discs audition 2018"のグランプリを獲得。その後も、ヴォーカル 山口ケンタの独特な声と日常に寄り添うエモーショナルな楽曲で、若い世代を中心に注目されている。 2022年は結成5周年を迎え、同年1月3日より、5週連続配信リリース。

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